【Jリーグ シャレン!アウォーズ2021】テイクアウトマップを1週間で 横浜F・マリノス

地元と一緒に地域課題の解決をはかるJリーグの社会連携活動「シャレン!」。多くの人と特にシェアしたい事例を表彰する「シャレン!アウォーズ」は、今年も5月に発表予定です。どんな取り組みが出てくるのか。2021年の受賞チームから、「飲食店応援プロジェクト」でソーシャルチャレンジャー賞を獲得した横浜F・マリノスを紹介します。(朝日新聞スポーツ事業部・恵藤公浩)
活動を加速したホームタウンへの思い

この2年間、新型コロナウイルスに振り回されてきた。落ち着いたかと思えば、変異株が顔を出し感染者が増加、の繰り返し。市民生活は様々な影響を受けたが、なかでも飲食店のダメージは大きかった。
横浜F・マリノスのある横浜市も同様だった。2020年4月、緊急事態宣言が出て、街から人が消えた。そんなとき、ツイッター上に「飲食店のために何かできないか。F・マリノスがテイクアウトマップとかやったら効果的なんじゃないかな」といった書き込みをスタッフがみつけた。
「やれるなら、いま、すぐやろう」。テイクアウトを実施している店の情報は、普段から飲食店とサッカーでつながっていたNPO法人ハマトラ・横浜フットボールネットワークのメンバーが集め始めていた。
ハマトラは、マリノスの試合告知ポスターを飲食店に貼ってもらう「ポス活」と呼ばれる活動を2007年から続けていた。活動を通して飲食店と深いつながりができていた。
その基盤が生きた。情報は続々とクラブに集まり、サイト開設を決めてわずか1週間でテイクアウトマップを立ち上げた。ホームタウンの横浜市、横須賀市、大和市の飲食店で最初は100店ほどでスタート。その後も増え続け、約600店まで広がった。

「ハマトラさんはポスターを貼ってもらうため、多くの店とていねいなコミュニケーションをとってきていた。彼らがいなければできなかった」とマリノスの地域連携本部ホームタウン・広報担当の牧野内隆さんは言う。
ハマトラの代表理事である荒川昭憲さんは「僕らの強みはホームタウンとクラブへの思いと行動力、クラブの強みはなんといっても知名度です」。互いの持ち味を生かした成果を喜んだ。
飲食店が窮地に陥るなか、最優先したのはスピードだ。「まずやってみる。ダメだったらたためばいいと思っていたから」と牧野内さん。同僚の服部哲也さんは「本当はこういうサイトが必要なくなるよう、コロナが収まってくれると一番いいんですが」と言った。
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