【受け付け終了 正解掲載しました】6/5は世界環境デー! クイズを解きながら脱炭素社会について学びを深めよう

6月5日は世界環境デー。最近話題の「脱炭素」を楽しく学んで、環境に詳しくなりませんか? クイズは東大クイズ王・伊沢拓司さんが中心となって運営するQuizKnockが制作し、元外務省職員で現在は企業の脱炭素化に関するコンサルティングを手がける前田雄大さんが監修しました。全部で10問あります。詳しい解説をきちんと読めば、必ず正解がわかります!全問正解者には抽選でプレゼントも。ぜひチャレンジしてみてください。
6月20日追記:応募受け付けは終了しました。正解を掲載しています。
クイズ一覧
- Q1 昨年、2035年にガソリン車の販売を禁止することを発表した組織は何でしょう?
- Q2 近年話題のカーボンニュートラル。「カーボン」は「炭素」という意味ですが、「ニュートラル」は何という意味でしょう?
- Q3 私たちのライフスタイルによって生じる温室効果ガスは、日本のCO2排出量の約何割を占めるでしょう?
- Q4 次の文章の□に言葉を入れ、文章を完成させてみましょう!
- Q5 太陽光発電を行う住宅が近年増加しています。では、多くのソーラーパネルに使われている、英語では「シリコン」という元素は何でしょう?
- Q6 環境配慮に関するキーワード「3R」のうち、ゴミそのものの量を減らす取り組みを何というでしょう?
- Q7 環境にやさしい「ZEH(ゼッチ)」や「HEMS(ヘムス)」といえば、どんなものに関する言葉でしょう?
- Q8 物流の業界で導入が進む「モーダルシフト」とはどういった取り組みのことでしょう?
- Q9 日本の発電量における再生可能エネルギーの割合に最も近いのは次のうちどれでしょう?
- Q10 森林にはCO2を吸収する働きがあります。では、日本が抱えている森林の問題は次のうちどれでしょう?
Q1 昨年、2035年にガソリン車の販売を禁止することを発表した組織は何でしょう?
A EU B ASEAN C NATO
【ヒント】
「ヨーロッパ連合」とも呼ばれる組織だよ。
【正解】
A EU
【詳しい解説】
ヨーロッパ27カ国で構成するEU(欧州連合)の行政府・欧州委員会は2021年7月、2035年にガソリン車の新車販売を禁止する方針を発表しました。
禁止対象には、ガソリン車やディーゼル車のほか、エンジンとモーターを併用して走るハイブリッド車(HV)も含まれます。2035年以降は、走行中に二酸化炭素(CO2)を出さない電気自動車(EV)などの「ゼロエミッション車」のみが販売できることになります。
EUがガソリン車禁止に踏み切った背景には、SDGsの目標13に掲げられた「気候変動に具体的な対策を」の達成のため、温室効果ガスの排出量を削減しなければならないという事情があります。EUには中国、米国に次いで年間1000万台規模の自動車市場があり、日本メーカーの販売台数はそのうち1割を占めます。得意のHVで存在感を示してきた日本勢も戦略の見直しを迫られそうです。
EU非加盟のノルウェーは、2025年までに国内でのガソリン車やディーゼル車の新車販売を禁止するとしています。EUを離脱済みの英国も、2030年までにガソリン車やディーゼル車、2035年にはHVの新車販売を禁止する方針。米カリフォルニア州も2035年までにガソリン車などの新車販売を禁止するなど、先進国では同様の動きが広がっています。
日本も2021年1月、当時の菅義偉首相が、2035年までに新車販売でHVやEVといった「電動車」を100%にする目標を掲げました。これにより、ガソリン車やディーゼル車は国内で販売できなくなります。
ただ、EVには価格の高さや、充電にかかる時間の長さといった課題もあります。「EVシフト」により自動車業界の産業構造が大きく変わっていくなか、SDGsの目標8「働きがいも 経済成長も」の観点からは、エンジンなどEVで不要になる部品に携わっている働き手の雇用をどう確保するかも、重要な課題となりそうです。

Q2 近年話題のカーボンニュートラル。「カーボン」は「炭素」という意味ですが、「ニュートラル」は何という意味でしょう?
A 削減 B 停止 C 中立
【ヒント】
カーボンニュートラルは、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにするという意味だよ。
【正解】
C 中立
【詳しい解説】
「カーボンニュートラル」は直訳すれば「炭素中立」で、CO2などの温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにすることです。「実質的に」とは、排出を極力抑えつつ、どうしても出てしまう分は吸収・除去することで、差し引きをゼロにすることを指します。カーボンニュートラルは「脱炭素」「カーボンゼロ」とも言われます。
カーボンニュートラルが注目されているのは、気候変動の原因となる温室効果ガスの排出量を減らさなければならないからです。
2015年に採択された温暖化対策の国際ルール・パリ協定では、「産業革命前からの世界平均の気温上昇を2度よりかなり低く、できれば1.5度に抑える」という目標が掲げられました。1.5度目標を達成するには、2050年までにカーボンニュートラルを実現する必要があります。
SDGsでも目標13に「気候変動に具体的な対策を」が掲げられています。貧困や飢餓など、SDGsのほかの目標を達成するうえでも、カーボンニュートラルはカギを握っていると言われています。
日本は2020年10月、当時の菅義偉首相が「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、その後「2030年度までに2013年度比で46%削減」という中期目標も発表しました。経済産業省によると、2021年11月時点で世界140カ国以上が2050年カーボンニュートラルの目標を表明済み。温室効果ガスの大排出国である中国は2060年、インドも2070年の実現を掲げており、カーボンニュートラルは世界の潮流となっています。
カーボンニュートラルに向けて、国内でも省エネルギー機器への切り替えや、太陽光・風力といった再生可能エネルギーの導入拡大がおこなわれています。また、CO2を出さない水素・アンモニア燃料や、発電所などから出たCO2を集めて地中深くにためこむ回収・貯留(CCS)といった、新しい技術の開発も進んでいます。

Q3 私たちのライフスタイルによって生じる温室効果ガスは、日本のCO2排出量の約何割を占めるでしょう?
A 約2割 B 約4割 C 約6割
【ヒント】
衣服・食事・住居など、生活の様々な場面でCO2は排出されているよ。
【正解】
C 約6割
【詳しい解説】
日本のCO2排出量の約6割が私たちのライフスタイルに関わるもので、住居や移動、食事が高い割合を占めています。一人ひとりが少しでもCO2削減に取り組むことが大きな成果につながります。
環境省によると、国内のCO2排出の約6割が、衣食住を中心とする「ライフスタイル」に起因するそうです。具体的には、食が12%、住居が17%、移動が12%、消費財が10%、レジャーとサービスが5%となっています。
これら「家計消費」が占める割合が6割以上で、ほかの項目は政府消費10%、固定資本形成(公的)6%、固定資本形成(民間)19%、などとなっています。(参照:環境省「脱炭素に向けたライフスタイルに関する基礎資料」)
衣食住にかかわるCO2の排出を具体的にみていきましょう。たとえば、「世界で第2位の環境汚染産業」とされるファッション産業。環境省によると、国内では服1着をつくるために約25.5kgのCO2が排出されているそうです。
また、食の分野では、食品ロスを焼却することで出るCO2も見逃せません。世界資源研究所によると、世界の食品ロスによる排出量を「国」に見立てた場合、中国、米国に次ぐ第3位になるそうです。
住居でも、冷暖房や給湯がCO2排出につながっています。断熱や省エネ性能を高め、太陽光発電による「創エネ」も組み合わせた「ネット・ゼロ・エネルギーハウス」(ZEH、ゼッチ)への切り替えが求められています。
CO2排出量の削減に向けた取り組みは、SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成にかかわるだけでなく、目標12「つくる責任 つかう責任」にも関連します。

Q4 次の文章の□に言葉を入れ、文章を完成させてみましょう!
「エネファームに搭載されている『燃料電池』は、水素と酸素を反応させ□に変化する過程で発生する電気や熱を利用したものです。」
【ヒント】
□に入るのは、私たちの身の回りにあふれているものだよ。
【正解】
水
【詳しい解説】
「エネファーム」は、自宅で電気とお湯を同時につくり出す家庭用燃料電池です。「エネルギー」と「ファーム=農場」を組み合わせて名付けられ、統一名称として国内各メーカーが使用しています。
エネファームは、都市ガスやLPガスから取り出した水素と空気中の酸素を化学反応させて電気をつくり出し、このときに発生する熱を給湯や暖房に使います。(参考:エネファームパートナーズ「エネファームって?」)
この水素(H2)と酸素(O2)の化学反応によって、水(H2O)ができます。「2H2+O2→2H2O」という化学反応式を覚えている方も多いでしょう。これは、「水の電気分解」と逆の反応です。
エネファームは2009年、世界に先駆けて日本で販売が始まり、2022年3月時点で43万台超が普及しています。エネルギーをつかう場所とつくる場所が同じであるため、送電ロスや二酸化炭素の排出量を減らせるメリットがあり、SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」や目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成に貢献すると言えます。

Q5 太陽光発電を行う住宅が近年増加しています。では、多くのソーラーパネルに使われている、英語では「シリコン」という元素は何でしょう?
A ホウ素 B フッ素 C ケイ素
【ヒント】
半導体の性質を持っていて、元素記号はSiだよ。
【正解】
C ケイ素
【詳しい解説】
太陽光発電は、光がソーラーパネルの半導体に当たることで電気を生み出します。現在、ソーラーパネルに使われる半導体の多くは、ケイ素(シリコン、Silicon)を使っています。
ケイ素は原子番号14の元素で、地殻(地球の表層部分)では酸素の次に多い物質です。ケイ素は「半導体」の性質を持ち、大量に存在することから、多くのソーラーパネルの原料によく使われています。半導体とは、電気を通す金属などの「導体」と、電気を通さないゴムなどの「絶縁体」の中間の性質を持ち、条件によって電子を通したり、通さなかったりする物質のことです。
ソーラーパネルには、シリコンでできた「太陽電池」が敷き詰められています。太陽電池は太陽光のエネルギーを電気に変換する役割を担います。「n型半導体」と「p型半導体」の2種類の半導体が積み重ねられており、光が当たるとこの接合面から電気の流れが生まれるのです。(参考:産業技術総合研究所「太陽電池の原理 原理の概要 ―上級編―」)
ソーラーパネルをめぐっては、東京都が2022年5月、一戸建てを含む都内の新築建物に、設置を義務づける方針を打ち出しました。住宅業界では、断熱や省エネ性能を高め、太陽光発電による「創エネ」も組み合わせることで使うエネルギーをゼロにするZEHの普及も全国で進んでおり、ソーラーパネルは今後、ますます身近になりそうです。
発電時に温室効果ガスを出さない太陽光発電を普及させることは、SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」の達成に役立つと言えます。

Q6 環境配慮に関するキーワード「3R」のうち、ゴミそのものの量を減らす取り組みを何というでしょう?
A リデュース B リユース C リサイクル
【ヒント】
具体的には、マイバッグを持ち歩いてレジ袋をもらわないといった取り組みが挙げられるよ。
【正解】
A リデュース
【詳しい解説】
3R(スリーアール)とは、資源を大切にするためによく使われるキーワードで、「リデュース(Reduce)」「リユース(Reuse)」「リサイクル(Recycle)」という三つの言葉の頭文字からそう呼ばれています。
リデュースは、英語で「減らす」を意味する単語で、まさにゴミの量そのものを減らすことを指します。安売りしていても不要なものは買わない。食品は食べる分だけ買うし、食事時には食べ残さない。マイボトルやマイバッグを持参することもリデュースに当てはまります。
リユースは、「また使う」。ものを捨てずに繰り返し使うことを意味します。着なくなった古着を誰かにあげる。ボディソープやシャンプー、洗剤は詰め替え式を買い、容器は何度も使う。フリーマーケットを利用する、といった例があげられます。
「再生利用する」という意味のリサイクルは、ゴミを資源として活用し、形を変えて別の製品にして使うことです。いらなくなった新聞紙や牛乳パックなどの古紙を使ってトイレットペーパーにしたり、ペットボトルから新しい繊維をつくって洋服にしたり、といったたぐいの取り組みですね。
日本では2000年に「循環型社会形成推進基本法」が整備され、3Rの考えが明文化されました。また、2004年に開催された主要8カ国首脳会議(G8サミット)で、小泉純一郎首相(当時)が3Rを通じて循環型社会の構築を目指す「3Rイニシアティブ」を提案し、G8首脳の賛同を得ました。
3Rには優先順位があります。リデュース→リユース→リサイクルという順番です。まずはゴミを出さないよう努力し、持っているものは長く使う。どうしてもゴミとして出さなければならない場合は、分別してできるだけ再生利用する。個人だけでなく企業も3Rに取り組む必要があり、政府や自治体はそうした取り組みを支援すべき立場にあります。
3Rは、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」に関わっています。また、ゴミを焼却処分する際にはCO2が排出されますから、目標13「気候変動に具体的な対策を」にも深く関与しています。自然界で分解されないプラスチックのゴミが川を通じて流れ出て海を汚していることも大きな問題になっており、目標14「海の豊かさを守ろう」の実現にも必要な手段と言えます。
最近は「リフューズ(Refuse)」=「断る」「拒否する」を加えて4Rと称したり、「リペア(Repair)」=「修理する」「直す」も加えて5Rと表現されたりするようにもなりました。
また、3Rはゴミが出ることを前提にした解決策になっているとして、そもそも商品やサービスを設計する際に廃棄物を出さないようにデザインしようという「サーキュラーエコノミー」という考え方も台頭しています。

Q7 環境にやさしい「ZEH(ゼッチ)」や「HEMS(ヘムス)」といえば、どんなものに関する言葉でしょう?
A 車 B 家電 C 住宅
【ヒント】
「ZEH」の「H」と「HEMS」の「H」が何という言葉の略か想像してみよう。
【正解】
C 住宅
【詳しい解説】
「ZEH(ゼッチ)」は(net Zero Energy House)の頭文字をとった言葉で、家庭で消費するエネルギーの量を実質的にゼロ以下にする住宅のことです。「HEMS(ヘムス)」は「Home Energy Management System」から来ており、家庭のエネルギー使用を見える化し、最適化するための仕組みを指す言葉です。
脱炭素社会をつくるためには、エネルギー消費をできるだけ抑え、効率的に使うことが求められます。エネルギーをたくさん使っているのは企業や工場、あるいは車や航空機といった運輸部門ですが、家庭部門も、日本国内の全エネルギー消費の14.1%を占めており(2019年度)、いかに省エネ住宅にしていくかが課題です。
家全体の断熱性を高めたり設備を最新のものにしたりすることで、光熱費を下げ、夏は涼しく冬は暖かい機能的な住宅にすることができます。また、太陽光発電や蓄電池を利用すれば、災害時にも安心して電気が使えます。
日本では政府が2014年の第4次エネルギー基本計画でZEHの実現を打ち出し、2018年の第5次エネルギー基本計画では、「2020年までにハウスメーカー等が新築する注文戸建住宅の半数以上を、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」との目標が掲げられました。
ZEHには通常の省エネ住宅よりも厳しい基準が定められています。資源エネルギー庁によると、2020年にハウスメーカーが新築した注文戸建住宅の56%がZEHの条件を満たしたものになっています。
住宅をZEHにするには、HEMSの導入も不可欠です。具体的には、家電や電気、ガス、水道などの設備をネットワーク化して一元管理します。使用量がモニター画面ですぐわかるようにしたり、エアコンの温度などを最適に自動制御したりすることで、自分たちが住む家のエネルギーを自ら管理していくことができるようになります。
政府は、HEMSを「これからの住宅の標準装備」とし、2030年までに全戸にHEMSを設置することを目指しています。ただ、ZEHもHEMSも導入当初にお金がかかります。このため、国や自治体が補助金制度などを設け、普及を促しています。
ZEHやHEMSは、SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」や目標13「気候変動に具体的な対策を」の実現に役立ちます。災害に強い住宅という点では目標11「住み続けられるまちづくりを」にも該当するといえます。

Q8 物流の業界で導入が進む「モーダルシフト」とはどういった取り組みのことでしょう?
A 貨物の輸送手段を自動車から鉄道や船に転換すること
B 貨物を輸送する距離をできるだけ短くすること
C 貨物を輸送する量を減らすこと
【ヒント】
貨物を運ぶとき、自動車は多くのCO2を排出してしまうよ。
【正解】
A 貨物の輸送手段を自動車から鉄道や船に転換すること
【詳しい解説】
モーダルシフトとは、貨物の輸送手段を自動車から大量輸送が可能な鉄道や船に転換することをいいます。
もともとは物流業のドライバー不足を補う対策として推進されていましたが、近年は地球温暖化対策として注目を集めるようになりました。
2019年度における運輸部門のCO2排出量は日本全体の18.6%(2019年度)ですが、そのうち86%を自動車が占めています。
同じ1tの貨物を1km運ぶとき排出されるCO2は、トラックが225gなのに対し、船は約5分の1(41g)、鉄道なら約13分の1(18g)しかありません。輸送法を転換することで、鉄道利用なら92%、船の利用なら82%もCO2を削減できる計算です。
港や駅から工場や物流センター、店舗などに荷物を運ぶにはトラックに荷物を載せ替える必要がありますが、貨物列車26両で一度に10tトラック65台分の貨物を運ぶことができ、長距離トラックを利用するよりコストを減らすことが可能です。
一般的には500km以上の長距離でないとメリットはないとされてきましたが、モーダルシフトが進めば、労働環境が厳しくドライバーの心身負担が大きいとされる長距離トラックを減らし、交通事故を防止したり、働き方改革を進めたりすることにつながります。
今後は、少子高齢化による労働力人口の減少やネット通販の増加に伴う宅配便需要の増大で、ドライバーが不足するとの指摘もあります。SDGsで言えば、目標13「気候変動に具体的な対策を」だけでなく、目標8「働きがいも 経済成長も」や目標3「すべての人に健康と福祉を」にも寄与できる施策として、政府や事業者間の連携が望まれるところです。

Q9 日本の発電量における再生可能エネルギーの割合に最も近いのは次のうちどれでしょう?
A 10% B 20% C 30%
【ヒント】
日本は2030年度までに再生可能エネルギーの割合を36~38%にすることを目指しているよ。
【正解】
B 20%
【詳しい解説】
国内における2020年度の電源構成を見ると、76.3%を占めるのが、化石燃料による火力発電です。内訳は、LNG(液化天然ガス)が39.0%、石炭が31.0%、石油が6.3%です。
一方、再生可能エネルギーの割合は19.8%でした。再生可能エネルギーには太陽光発電、水力発電、バイオマス発電、風力発電、地熱発電が含まれます。
2021年10月に公表された政府の第6次エネルギー基本計画は、2030年度の電源構成に占める再エネ比率を36~38%と倍増することを掲げました。
野心的な目標を掲げたのは、世界中で脱炭素の機運が高まっているからです。日本の政府も2020年10月、「2050年カーボンニュートラル」を実現すると表明。2021年4月には、2030年度の温室効果ガスを2013年度比で46%削減し、さらに50%を目指すとの目標を掲げました。
温室効果ガスの85%を占めるのがエネルギー分野であり、その約3分の1が電力由来です。相当に高い目標を達成するためには、再生可能エネルギーをどこまで拡大できるかがカギになります。
国内の再生可能エネルギーは、2011年3月の東日本大震災で東京電力福島第一原子力発電所が大事故を起こしたことで電源構成の見直し機運が強まり、新しい段階へと移行しました。
2012年、再エネ設備から発電された電気をあらかじめ決められた価格で買い取ることを大手電力会社に義務づけた「固定価格買い取り制度(FIT)」が導入され、大規模な太陽光発電や風力発電の整備が一気に進みました。
しかし、利用者が負担する「賦課金」が3兆円近くまで膨らんだことから2022年4月、「フィードインプレミアム(FIP)」という新しい制度へと移行しました。固定価格での買い取りに代えて、変動する電力市場の実勢価格に補助金を組み合わせることで国民負担を抑えながら再エネをさらに伸ばそうとの狙いです。
ただ、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によると、世界の設備容量に占める再エネの割合は2020年時点で36.6%に達しています。カナダやスウェーデン、デンマークなどではすでに65%以上の電力を再エネでまかなっており、中国でも再エネ比率は急拡大しています。日本がトップクラスに位置しているわけではありません。
ここにきて、ウクライナに侵攻したロシアに対する経済制裁の影響を受け、原油や天然ガスの価格が高騰し、世界のエネルギー情勢は大きく揺らいでいます。一部に化石燃料や原子力発電への回帰も見られますが、全体としてはエネルギー自給率を高めるためにも、再生可能エネルギーの拡大へ一段と傾斜していくと思われます。

Q10 森林にはCO2を吸収する働きがあります。では、日本が抱えている森林の問題は次のうちどれでしょう?
A 樹木の高齢化
B 樹木の種類の少なさ
C 森林面積の減少
【ヒント】
日本の森林と世界の森林とでは問題点が違うよ。
【正解】
A 樹木の高齢化
【詳しい解説】
森林は、重要なCO2の吸収源であり、地球温暖化防止に重要な役割を担っています。
1本1本の木々は光合成により大気中のCO2を吸収して成長します。吸収量は樹木の種類や樹齢によって異なりますが、50年たつスギ1本当たりで、年間約14kgと試算されています。
人間1人が呼吸により排出するCO2は年間約320kgですから、これを吸収するにはスギ約23本が必要になります。自家用車1台から排出されるCO2を年間約2300kgとすると、吸収に必要なスギは約160本になります。
国際連合食料農業機関(FAO)の調査によると、2020年の世界の森林面積は約40億haで、陸地面積の約3割を占めています。しかし、世界では森林が減り続けています。2010年から2020年の間に、世界で年間平均470万haの森林がほかの土地利用にとってかわりました。ペースは鈍化していますが、純減傾向に歯止めはかかっていません。約17日ごとに東京都の面積分(約22万ha)の森林が消失していることになります。
原因の多くは開発――紙の原料となるパルプを取るための伐採や、農地・放牧地の確保、ホテルやゴルフ場などのレジャー施設の建設などによるものです。最近は気温上昇による大規模な森林火災も起きるようになりました。森林が失われると干ばつや温暖化が進み、森林の保水効果もなくなるため、異常気象による水害なども起きやすくなります。野生動物が住む場所を奪われ、生物多様性も失われていきます。
森林の維持については、1992年の国連環境開発会議(地球サミット)で「森林原則声明」が採択されて以降、政府間での対話が継続的におこなわれています。2021年にイギリスで開かれた国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)では、2030年までに森林の消失と土地の劣化を食い止めるため取り組みを強化する共同声明「森林・土地利用に関するグラスゴー・リーダーズ宣言」も発表されました。
日本は、国土の約3分の2が森林で、世界有数の森林国と言えます。しかし、木材供給は外国からの輸入に頼っており、人の手が入らなくなり「高齢化」した樹木の割合が高まっているのが現状です。成長が盛んでCO2をどんどん吸収する樹齢の若い森林に比べ、成熟した森林はCO2を排出する呼吸量が多くなり、トータルとしてのCO2吸収力が低下してきていることが問題になっています。


みなさん、正解がわかったでしょうか。
全問正解した方の中からQuizKnock著『クイズで88本ノック 最強クイズ集団からの“謎解き”挑戦状』を抽選で20名にプレゼントします。
これからも一緒に脱炭素社会の実現に向けて、学び行動していきましょう!
※当選者の発表は景品の発送をもって代えさせていただきます。
※【「個人情報の取り扱いについて】お預かりした個人情報は、当選者への商品発送のほか、インターネット「朝日イーポスト」の応募ページに記載した「個人情報の取り扱いについて」に従って、利用します。その内容を確認、同意の上、ご応募ください。
・森永乳業
・タカラレーベン
・オカムラ
・日産自動車
・日本郵船
・旭硝子財団
・MEC Industry