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3Rとは? 国内外の取り組み事例や、私たちにできるアイデアを紹介

3Rとは? 国内外の取り組み事例や、私たちにできるアイデアを紹介
3R=リデュース・リユース・リサイクル(デザイン:増渕舞)
環境活動家/後藤美里

3Rとは、資源を有効活用するための取り組みです。リデュース、リユース、リサイクルからなり、すでに国内外の企業や団体などが積極的に実行しています。コストをかけずにできることも多々あるため、SDGs推進の一環として始めてみてはいかがでしょうか。

後藤美里さん
後藤美里(ごとう・みさと)
環境活動家。環境問題を解決すべく2013年に啓蒙(けいもう)活動をスタート。国内外をノマドしながら、ゼロウェイストなイベントやワークショップを開催。環境問題やヴィーガニズムについての記事を中心に執筆している。

1.3Rとは

3R(スリーアール)とは、資源の枯渇を防ぐ取り組みである、リデュース(Reduce)・リユース(Reuse)・リサイクル(Recycle)という三つの言葉の頭文字をとった言葉です。

リデュースはごみを削減することを意味します。製品寿命が長いものを生産したり、新品の購入機会を減らしたりすれば、廃棄物の量もおのずと少なくなります。そのため、リデュースは3Rの中で最も優先すべき事項とされています。

次に大事なのがリユースで、ものを再利用することを意味しています。自分にとっては不用品でも、必要としている人に譲ればきっと喜んでもらえます。皆が助け合うことにより、資源の使用を抑えることができるのです。

リサイクルは、ライフサイクルを終えたものを、再資源化することです。ペットボトルからフリースを作るのがこれにあたります。しかし、新たに製品を生産するとなると、温室効果ガスの排出が懸念されます。ですから、まずは生産・購入量を減らし、できるかぎり使い倒してからリサイクルに出すのが理想的です。

リサイクルと似た言葉に、別の用途のものに作り替え付加価値を与える「アップサイクル」もあります。廃材から素敵な家具を作ったり、規格外の果物でおいしいドライフルーツを作ったりするのがこれに分類されます。

SDGsのゴール12は「つくる責任つかう責任」です。豊かな生活を維持しつつ、資源を後世のために残していこうと、世間は今3Rに注目しています。

また、近頃では3Rにリフューズ(Refuse)を加えた「4R」も耳にするようになりました。こちらは、レジ袋や割り箸などの不要なものは、勇気をもって断ろうというものです。

SDGs目標12のアイコン

2.3Rの日本・海外の取り組み事例

3Rは環境負荷の低減に役立ちます。世の中がサステイナビリティー(持続可能性)に興味を持ち始めた今が始めどきではないでしょうか。すでに実行に移し、実績を出している企業や自治体はたくさんあります。ここでは国内外の先例をご紹介します。

(1)日本の取り組み事例

①環境省主体の3R推進マイスター制度

プラスチック循環利用協会によれば、2019年の日本のプラスチックごみの総排出量は850万tで、そのうち包装容器が約半分(397万t)を占めています(参照:プラスチックリサイクルの基礎知識 2021 p.5│プラスチック循環利用協会)。

3R推進マイスター制度とは、包装容器の大量廃棄を抑制するために、その重要性を消費者へ熱心に啓発する人を、「容器包装廃棄物排出抑制推進員(通称:3R推進マイスター)」として認定する制度です。環境省の依頼によって講演を行ったり、シンポジウムのパネリストなどとして出席したりすると、マイスターには日当が支給されるようになっています。

②リデュース・リユース・リサイクル推進協議会による活動

リデュース・リユース・リサイクル推進協議会では、3R推進功労者の表彰や、3Rキャンペーンマークの普及などを行っています。表彰は、循環型社会の実現に向けた取り組みを評価しており、対象は企業でなく個人も含まれます。

自薦はできませんが、推薦を受けての応募は可能です。表彰されればステークホルダーへのアピール材料にもなりますし、自信にもつながります。SDGsのゴール達成はとても大きい課題ですから、一朝一夕で成し遂げられるものではありません。

ですが、具体性があり、頑張れば手が届きそうなところをゴールに定めれば、一歩ずつ目標に近づいていくことができます。SDGs推進の一環として、目指してみてはいかがでしょうか。

③廃棄物・3R研究財団による公益目的事業

1989年に前身となる廃棄物研究財団が設立されて以来、廃棄物・3R研究財団はリサイクルや廃棄物の適正処理などに関する研究に献身してきました。2011年に現在の名称になり、循環型社会の形成を目指し3Rの推進にも力を入れています。

各種セミナーやメルマガを通じて研究の成果を発信するほか、小中学生向けのポスターコンクールも主宰するなど、事業内容は多種多様です。自治体や事業者のみならず、一般向けにも環境問題について考えられる機会を提供しています。

④OYAOYAの乾燥野菜販売

OYAOYAは京都産の規格外野菜を加工し、乾燥野菜として販売しています。傷がついたり、他と違う形に育ったりした農作物は、価値が下がったり廃棄されたりするのが現状です。

国連世界食糧計画(WFP)や国連食糧農業機関(FAO)などが共同で発行している「世界の食料安全保障と栄養の現状 2021」によれば、世界のおよそ1割の人は栄養不足に苦しんでいます(参照:THE STATE OF FOOD SECURITY AND NUTRITION IN THE WORLD 2021│FAO)。食べられる状態の野菜を無駄にするのはいかがなものでしょうか。

乾燥食品は保存がきいて非常食に最適ですし、京都産の野菜とあれば外国の方にプレゼントしても喜ばれそうです。おいしい野菜を食品ロスから救い、食卓が豊かになる。規格外品に新たな価値が生まれています。

⑤足利市制服リサイクルバンク

制服リサイクルバンクとは、学生服や学用品を中古販売したり、無料で譲渡したりするシステムです。自治体が運営している地域もあれば、NPO団体や企業が運営している場合もあります。

栃木県足利市の「足利市制服リサイクルバンク」は、クリーニング代程度の謝礼で進学に必要なアイテムを購入できます。新入生のいる家庭にとって、制服やジャージーなどを買いそろえるのは大変なことです。そんな保護者の救世主が制服リサイクルバンクなのです。

多くの学生服には合成繊維であるポリエステルが使われていますから、お古の活用は資源の節約にもつながります。思い出の詰まった制服を捨てるのは悲しいですが、誰かに喜んでもらえるなら、進んで寄付したくなります。

近所付き合いが希薄な地域に住んでいても、こんなサービスがあれば安心ですね。

足利市制服リサイクルバンク
栃木県足利市の制服リサイクルバンク。制服やワイシャツ、体操服などが並ぶ=2016年10月(撮影・朝日新聞)

(2)海外の取り組み事例

①OLIOの食品ロス対策

OLIOはイギリスのスタートアップで、食品ロスを防ぐためのアプリを運営しています。食べ物が余っている人やお店が写真を投稿し、それをみて「食べたい」と思った人は、投稿主から無料で譲ってもらうことができます。

あげる側はごみ箱に食べ物を捨てる罪悪感から解放され、もらう側はおなかいっぱいで幸せになれます。せっかく育てた野菜や肉が無駄にならずに済み、生産者だってうれしいはずです。

昔は当たり前だったお裾分けも、近所付き合いが希薄な現代では珍しくなってきました。OLIOは食べ物を救うだけでなく、地域の交流の活性化にも役立っています。

②TGOのフィットネスマシン

ジムで汗を流したいとき、電気を使ってフィットネスマシンを動かすのはエネルギーの無駄遣いです。

しかし、イギリスのTGOが開発したマシンは違います。人間が運動するときに発生するエネルギーをリサイクルし、発電に役立てることができるのです。楽しく作ったクリーンな電気は、スマホの充電や照明に使えます。

TGOのマシンは、地域住民の健康向上だけでなく環境教育にも役立ちます。ゲーム感覚でエクササイズできますから、ぜひ試してみたいですね。

③FOGO

オーストラリアでは、2019年からFOGO(Food Organics and Garden Organics)という取り組みが国を挙げて進められています。これは、生ごみと可燃ごみを別々に回収することにより、野菜の皮や食べ残しなどを堆肥(たいひ)化させようというものです。

これまで生ごみは焼却処分されがちでした。ですが、埋め立て地には限りがあり、焼却し続けるには埋め立て地を増やす必要があります。その際使われるお金は国民の税金です。生ごみは埋め立て地ではなくコンポストへ。そうすることにより、税金を余計に使われずに済み、土地も有効活用できるようになります。オーストラリアでは今後も積極的にFOGOを広め、全国各地に展開していく予定です。

タスマニア州ホバート市のFOGOの説明資料
オーストラリア・タスマニア州ホバート市のFOGOの説明資料(出典:ホバート市のウェブサイト

3.私たちにできる3Rの具体例

3Rを日々の生活や企業活動に取り入れるのは、案外難しくありません。0円から気軽に始められる方法はたくさんあります。

ここでは、家庭と企業、それぞれに分けてご紹介します。世のため人のためとなるばかりでなく、余計な出費を抑えることにもつながるので、ぜひ参考にしてください。

(1)Reduce(リデュース)

リデュースの代表的な例は、レジ袋をもらうのをやめマイバッグを使うことです。洗って何度も使えるので、買い物するたびにレジ袋削減に貢献できます。

家庭の場合 企業の場合
・ものより体験をプレゼントし、思い出だけ残す
・レンタルサービスを賢く使い、新品の購入を控える
・長く使えるものを選び、安物買いの銭失いを卒業する
・冷蔵庫の中身を把握し、食品を無駄にしない
・はやりものに飛びつかず、必要なければ買わない勇気を持つ
・紙のカタログやDM(ダイレクトメール)は希望者のみに送付する
・紙の使用にこだわらず、書類は電子化する
・めったにお客様に会わない社員の名刺は刷らない
・余りがちなカレンダーは、配布をやめる
・ペットボトルの水をやめ、湯飲みでお茶出しする

(2)Reuse(リユース)

古本屋や古着屋は、昔からリユースを実践してきました。少しのメンテナンスで、価値あるものを再利用することにより、資源の使用を最小限に抑えることができます。

家庭の場合 企業の場合
・使い捨ての乾電池でなく充電池を選ぶ
・穴の開いた靴下はダーニングで補強する
・野菜を洗った水は家庭菜園や庭にまく
・物々交換イベントに参加し、捨てる前に誰かに譲る
・ネギや豆苗の根っこは、水につけて再生してみる
・インク類は詰め替えて使う
・社内用封筒は何度も使い回す
・リユースしやすい製品開発をする
・新規出店時は新築より居抜き物件を活用する
・繰り返し使える容器に入れて販売する

(3)Recycle(リサイクル)

古紙を段ボールにしたり、牛乳パックをトイレットペーパーにしたりするのはリサイクルにあたります。実際に取り組んだことがある人も多いのではないでしょうか。

家庭の場合 企業の場合
・ごみはルールに従って分別する
・生ごみはコンポストに入れ、堆肥にする
・リサイクルできないごみを出さないようにする
・リサイクル可能な素材で作られたものを買う
・リサイクル製品より新品の方が、環境負荷が低い場合もあると知る
・副産物の活路を探す
・リサイクルしやすい製品開発をする
・使用済み製品の回収に努める
・リサイクル原材料を活用する
・外部の専門家に依頼し社員の学習会を開く

4.3Rに取り組むときの課題と対策

自宅にコンポストを設置したり、自社で環境に配慮した製品を開発したりするとなると、コスト面が気になります。そんなときに便利なのが、補助金や助成金です。たとえば次のようなものがあります(名称は各自治体によって異なります)。

● 生ごみ処理容器購入補助制度

● リユース食器利用費補助金交付制度

● 産業廃棄物抑制等事業費補助金

これら以外にも、さまざまな自治体が循環型社会の実現に向けた資金援助を行っていますから、申請してみてはいかがでしょうか。

もし資金調達が難しくても、無料でできることはたくさんあります。上記の例を参考に、できるところから気軽に試してみましょう。もし中古品が苦手でも、3Rを諦める必要はありません。長く使える上質な買い物をするだけで、3Rは始められます。

5.宝の持ち腐れを防ぎ、3Rの推進を

自分にとってはただのごみでも、他の人にとっては宝かもしれません。みんなで手を取り合えば、循環型社会は少しずつ現実化していきます。

3Rは難しいことではありません。多くの人は家庭や会社でごみを分別し、日常的にリサイクルの手助けをしているはずです。昔は黒いごみ袋でなんでも捨てていましたが、今はルールに従ってごみ出しするのが普通です。

サステイナブルな仕組みづくりは、今日から、低コストでも始められます。リデュースやリユースも、生活の中の「当たり前」にしていきたいですね。

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