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LGBTQ+の理解促進ハンドブックを日本コカ・コーラ制作 企業・団体に無償提供

LGBTQ+の理解促進ハンドブックを日本コカ・コーラ制作 企業・団体に無償提供
「LGBTQ+アライのためのハンドブック」
編集部

日本コカ・コーラと、パートナー関係にある全国のボトリング会社5社の計6社が、LGBTQ+への理解や支援を促す「LGBTQ+アライのためのハンドブック」を制作した。計約2万人の従業員に配るほか、日本コカ・コーラのウェブサイトでも内容を公開し、ほかの企業や団体に無償で提供する。社会全体の働きやすさ向上につなげるねらいだ。(編集部・竹山栄太郎)

当事者でなくても「アライ」であるために

ハンドブックは表紙を入れて全8ページ。Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシュアル、Tはトランスジェンダー、Qはクエスチョニングまたはクィアを指す、といったLGBTQ+についての基本的な知識や歴史の解説のほか、LGBTQを自認しない人たちに必要なこと・できることも紹介している。

たとえば、「結婚しないの?」「さっき来たお客さんって男? 女? どっちかな?」といった発言は、悪意がなくても差別的と受け取られたり、誰かを傷つけたりすることがあると指摘。また、カミングアウトされたときの対応として、「『打ち明けてくれてありがとう』と伝える」「何を望んでいるのか、何に困っているのかをしっかり聞く」ことなどを勧めている。

「LGBTQ+アライのためのハンドブック」のページの一部
「LGBTQ+アライのためのハンドブック」のページの一部(日本コカ・コーラ提供)

ハンドブックは東京都内でLGBTQ+センターを運営する「プライドハウス東京」の監修を受けて制作し、2022年7月に発表した。無償で利用でき、日本コカ・コーラのウェブサイトでアンケートに答えるとダウンロードできる。「閲覧版」のほか、A3サイズの紙にプリントアウトして折りたたむと冊子の形になる「製本版」もある。

日本コカ・コーラとボトリング各社では2021年5月までに、同性パートナーを法的な婚姻関係の配偶者と同等に扱う福利厚生制度や就業規則の整備を済ませている。今回、従業員の理解をさらに促すためにハンドブックを制作したという。

差別のない職場環境をあらゆる企業で

7月20日に東京都内で開いた発表会で、日本コカ・コーラのホルヘ・ガルドゥニョ社長は「D&I(ダイバーシティー&インクルージョン=多様性と包摂)は私たちのDNAであり、価値の中心、企業文化の基礎に据えているものだ。ハンドブックには差別のない職場環境をつくるために知っておくべき内容をまとめており、社外にも提供していきたい」と述べた。

日本コカ・コーラのホルヘ・ガルドゥニョ社長
日本コカ・コーラのホルヘ・ガルドゥニョ社長=東京都渋谷区

この日、パナソニックグループが、日本コカ・コーラ制作のハンドブックを導入すると表明した。パナソニックホールディングスDEI(Diversity, Equity & Inclusion)推進担当執行役員の三島茂樹氏は、同社がD&IにEquity(公平性)を加えた「DEI」の推進に向けて力を入れていることや、アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)の払拭(ふっしょく)を進める社内アンバサダーの制度があることなどを紹介。「社員から『アライになりたいが、どうすればなれるのかわからない』という声があった。ハンドブックを活用し、職場風土の醸成に役立てていきたい」と話した。

パナソニックホールディングスの三島茂樹氏
ハンドブックを掲げながら説明するパナソニックホールディングスの三島茂樹氏=東京都渋谷区
日本コカ・コーラの本社
日本コカ・コーラの本社=東京都渋谷区
竹山栄太郎
竹山栄太郎 ( たけやま ・えいたろう )
朝日新聞SDGs ACTION!副編集長。2009年に朝日新聞社入社。京都、高知の両総局を経て、東京・名古屋の経済部で通信、自動車、小売りなどの企業を取材。2021年にSDGs ACTION!編集部に加わり、2022年11月から副編集長。
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