【平和の部】進行役は当事者 「障害平等研修」で共生社会の実現目指す 石川明代さん

社会課題の解決やSDGsの達成に向けて地道に活動する人を支援する「SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞」(SDGs岩佐賞)の第1回受賞者が10月22日(土)に公表されました。SDGs ACTION!では、受賞者の方たちの活動内容をご紹介します。(Sponsored by 岩佐教育文化財団)
活動名:誰も置き去りにしない社会「障害平等研修(Disability Equality Training: DET)」で増やす
平和の部・個人 賞金100万円
「障害平等研修(Disability Equality Training: DET)」というものをご存じでしょうか。これは、障害者自身がファシリテーター(対話の進行役)となって、マイノリティーを排除しないインクルーシブな社会を参加者と一緒に考えていく研修のこと。世界39カ国で進められており、「世界基準の障害教育」ともいわれています。
DETは、企業や自治体、学校や団体などに対して、3時間~1日のワークショップとして実施します。東京2020オリンピック・パラリンピック大会の際は、ボランティア約8万人への研修にも採択されました。
私は身体障害者で車椅子使用者、国内外でトップの研修実績のあるDETファシリテーターです。東京2020でも約1万人への研修講師を担当しました。DETのファシリテーターになれるのは、DETを学んだ障害当事者のみ。このことは、「障害者の就労問題の解決」と、障害者は何もできないという「社会の偏見の払拭」にもつながります。

今後は、日本各地の新人DETファシリテーターの元に出かけて指導にあたったり、各地域でDET無料セミナーを開催したりして、「社会にある障害を解決する」「マイノリティーへの差別・偏見の原因を意識する」ことをさらに広め、誰も置き去りにしない共生社会を実現したいです。
これまでDETがきっかけとなって、街や寺や学校や会社のバリアフリー化が進んだ例が多くあります。それを全国に広められれば、と思っています。
受賞コメント
DETは「障害者のことを考える」研修ではなく、「社会にある障害を考え、誰も置き去りにしない社会を作る行動を形成する」ワークショップです。その点で、SDGsを推し進める岩佐賞の受賞は大変うれしく光栄です。賞金は、全国でDETを開催するための費用にあてさせていただきます。
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