【福祉の部】地元産の藍で染めた水引が結ぶ 淡路島の人と自然と社会 根岸誠一さん

社会課題の解決やSDGsの達成に向けて地道に活動する人を支援する「SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞」(SDGs岩佐賞)の第1回受賞者が10月22日(土)に公表されました。SDGs ACTION!では、受賞者の方たちの活動内容をご紹介します。(Sponsored by 岩佐教育文化財団)
活動名:淡藍結(地域資源を生かした就労弱者とのものづくり)
福祉の部・個人 賞金100万円
「淡藍結(あわあいむすび)」とは、淡路島産の藍で水引を染め上げ、「国生みの島」から着想を得た稲穂や矛のモチーフがデザインされたお守りのこと。淡路島内の神社で販売されています。
この淡藍結プロジェクトは、もともと地域資源(人・モノ・コト)を生かしたコミュニティービジネスとして始めたもので、「就労弱者の力になれたら」との思いがありました。制作過程では、知的または精神の障がいがある人、いわゆる引きこもりの人やその家族などが、それぞれの能力と特性に合わせて参加されています。藍の栽培から発酵染料づくり、染色については就労体験として福祉作業所から受け入れ、 水引の結びやチャームの組み立て、袋詰めなどは施設外事業者として作業提供をおこなっています。
共同作業を通して苦手だったコミュニケーションを取れるようになった、引きこもりがちの生活から社会との関わりを取り戻したなど、参加した当人たちにとっても良い変化が見られるだけでなく、はやりすたりのない継続的な事業を地元につくり出すことにも貢献できました。

淡藍結は今年1〜7月で1200個を販売するなど非常に好評で、生産が追いつかないのが現状です。今後は建築予定の弊社藍染工房内に講師を招いて技術指導をおこない、作り手の増員につなげると同時に、自宅などで作業をおこなっている人たちの交流の場、居場所づくりもできたらと考えています。
私たちの活動理念は「今を生きる多様な皆で協力して未来を創る」。人と人とのつながりを一番大切にしています。
受賞コメント
地域、自然、今を生きる人々と未来。身の回りの大切な事が少しでも良くなればと思い行動しました。多様な仲間と協力して成し得た事に誇りを感じます。今は持続的な活動にするための場所づくりを考えています。とても小さなアクションですが、たくさんの人々がたくさんの場所でたくさんの事を成し得れば、世界はもっと美しくなると信じています。
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