【医療の部】統合失調症患者の「居場所」を作った当事者Vtuber もりのこどくさん

社会課題の解決やSDGsの達成に向けて地道に活動する人を支援する「SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞」(SDGs岩佐賞)の第1回受賞者が10月22日(土)に公表されました。SDGs ACTION!では、受賞者の方たちの活動内容をご紹介します。(Sponsored by 岩佐教育文化財団)
活動名:統合失調症の情報発信及びメタバースにおける当事者の居場所「もりのへや」主宰
医療の部・個人 賞金100万円
統合失調症への差別や偏見をなくしたい。そして、同じ病で苦しむ仲間をつなぎたい。そんな思いから、高校2年で統合失調症を発症して以来4年にわたって闘病を続けている「もりのこどく」がおこなっている活動があります。
一つは、統合失調症の実情を広く伝えるバーチャルユーチューバー(Vtuber)活動です。統合失調症は10〜30代の比較的若い世代に多く、全国に約80万人もの患者がいる精神疾患です。ですが、根強い差別や偏見があり、そのことが早期の適切な治療を困難にしている一因と言えます。
2021年7月から配信を始めた「もりのこどくちゃんねる」では、病気に関する情報を明るく前向きに伝え、当事者やその家族を力強く励ましています。同時に、統合失調症を知らない多くの人たち、特に好発年齢である若い世代に実情を伝え、この病気に対する偏見の解消に貢献しています。

そしてもう一つが、当事者の会の開催です。統合失調症患者が集まる自助会は医療機関などでも開催されていますが、地理的な制約や近年の感染症の流行により取り残されてしまう人も多いのが実情です。そこで、メタバース(ネット上の仮想世界)上に、統合失調症の当事者が顔や名前を明かさずにアバターで参加し交流できる「もりのへや」を制作。精神科医や公認心理師など医療福祉関係者の支持・協力を得て、統合失調症当事者がどこからでも安心して参加し、同じ時間を過ごせる居場所を提供しています。
こうした活動は、統合失調症のみならず広く精神疾患に対しても正しい認識を広めうるものであり、また、より多くの精神疾患当事者に交流の場を提供しうる可能性を秘めていると考えています。
受賞コメント
このたびは、意義深い賞をいただき、誠にありがとうございます。統合失調症という精神疾患を広く伝える活動を、持続可能な社会の実現への一助として認めていただけたこと、とてもうれしいです。学業に励みつつ、当事者同士の交流を深めながら活動を続けるため、いただいた賞金は大切に使わせていただきます。
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