【医療の部】闘病中の子どもたちを犬のパワーで笑顔にする シャイン・オン!キッズ

社会課題の解決やSDGsの達成に向けて地道に活動する人を支援する「SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞」(SDGs岩佐賞)の第1回受賞者が10月22日(土)に公表されました。SDGs ACTION!では、受賞者の方たちの活動内容をご紹介します。(Sponsored by 岩佐教育文化財団)
活動名:ファシリティドッグ・プログラム(こども病院での動物介在療法の推進)
医療の部・団体 賞金500万円
「ファシリティドッグ」をご存じでしょうか。ファシリティドッグとは、医療施設など特定の施設で職員の一員として活動するために専門的に育成された働く犬のこと。米国の先進的な小児病院では一般的な存在となっていて、長期入院している子どもたちと触れ合ったり、つらい検査や処置の付き添いや手術入室時の同行をしたり、リハビリテーション時の付き添い、安静時の添い寝などをおこなったりしています。
「神奈川県立こども医療センター」には、いまから10年前、正式な医療スタッフとして、ファシリティドッグのベイリーと、ハンドラー(ファシリティドッグをコントロールする人)で看護師の森田優子さんが着任しました。2017年からは後任のアニーが、引退したベイリーに代わって活躍しています。
当センターには、子どもたちの精神的、肉体的な苦痛を軽減させ治療をスムーズにおこなえるよう、麻酔科医、児童精神科医、小児科医、看護師、臨床心理士などによる「緩和ケアサポートチーム」がいますが、いまやファシリティドッグとハンドラーもその一員です。実際、「アニーが付き添うと痛い注射も我慢できる」「アニーが見ているからリハビリがんばるよ」という声も聞かれました。

ベイリーの活躍によって、ファシリティドッグの活動は日本でも徐々に広がり、いまでは国立成育医療研究センターをはじめ、四つの小児がん拠点病院でファシリティドッグが勤務しています。ファシリティドッグの育成・導入には多くの資金を必要としますが、病床を離れられない子どもたちにとっては、かけがえのない存在です。ぜひファシリティドッグの意義と活動を多くの方に知っていただき、社会全体でご支援いただけると幸いです。
受賞コメント
ファシリティドッグは、闘病中の子どもたちやそのご家族に笑顔をもたらす存在であると同時に、医療従事者や職員にも笑顔を届けます。私たちの夢は、日本のすべてのこども病院にファシリティドッグを導入すること。賞金は、将来のファシリティドッグ育成に使用させていただきます。
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