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多世代が行き交い交流する 災害に強い安心なまちづくり

多世代が行き交い交流する 災害に強い安心なまちづくり
高層ビルと低層の住宅が入り混じる西新宿エリア
Sponsored by 住友不動産

430年以上の歴史がある住友グループに受け継がれてきた「自利利他 公私一如」(公益との調和)という事業精神を重んじてきた住友不動産。事業精神のもと「より良い社会資産を創造し、それを後世に残していく」ことを基本使命とし、災害に強く、人と環境にやさしいまちづくりを目指している。SDGsの目標11「住み続けられるまちづくり」を実現する住友不動産の「防災・減災」のまちづくりに迫り、西新宿五丁目北地区防災街区整備事業組合の理事長を務める佐々一郎さんに話を聞いた。

受け継いだこの地に安心・安全とにぎわいを

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再開発される前の地区の様子

「先々代が徳島県から東京の地に出てきて私で3代目。焼け野原だった場所に次々と家や商店が立ち並び、ここ西新宿は非常に活気のあるまちでした。やがて時代を経て、沿道の商店が姿を消し、周囲との交流が希薄になり、隣人の顔もわからないという人が多くなりました。私は、新たに生まれ変わるこのまちに、かつてあった活気とふれあいを取り戻せたらと強く願っています」そう語るのは、住友不動産が手がけているエリアの一つ、西新宿五丁目北地区防災街区整備事業組合の理事長を務める佐々一郎さんだ。

生まれも育ちも西新宿という佐々さんは、上場企業の役員を退任後、生まれ育った愛着あるこのエリアに「何かを残したい」という思いから、有志の人々とまちづくりをスタートした。

事業のパートナーとして住友不動産を選んだのは、新宿での開発実績を評価してのものだ。「難航していた他の再開発事業をいくつもまとめ上げた実行力があり、バブル崩壊やリーマンショックでゼネコンや他社デベロッパーが事業撤退するなか、良い時も悪い時も一貫して西新宿の再開発に取り組んでいたのは住友不動産だけだった。この事業においても遺憾なく力を発揮し、難局を乗り越えて無事竣工を迎えようとしている。そして何より、地権者の想いを先ず尊重してくれたことに大変感謝している」という。

かつて老朽化した木造住宅が密集し、地区全体として住環境、商業環境、防災面からも問題のあったこの場所は、神田川沿いの公園と連続する水と緑の散歩道が整備され、二つのタワーを中心とした新たなまちへ生まれ変わろうとしている。

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左:シティタワー新宿、右:住友不動産新宿ファーストタワー

新宿副都心エリアを防災面から整備

佐々さんが住む西新宿の再開発エリアは、新宿駅の北西約1.2キロメートルの距離にあり、新宿駅、東京メトロ丸の内線西新宿駅、中野坂上駅、都営大江戸線西新宿五丁目駅などが徒歩圏内。古い木造住宅が密集している場所も多く、2002年7月に都市再生緊急整備地域(新宿駅周辺地域)の指定を受けている。十二社通り、青梅街道、神田川に囲まれた約2.4ヘクタールのエリアで、十二社通りと青梅街道沿いには、老朽化した建物が立ち並び、地区内部は狭あい道路が残されていた。

再開発の目的は、新宿副都心に近接する地域を、住まう人はもちろん、働く人、訪れる全ての人にとって、安心で魅力あるまちにすることだ。「商店が多く、最もにぎやかだった時代、お祭りになるとここには8社ものおみこしが出て熱気に溢れていました。新たな住民が加わり、更ににぎわいが増してくれたらうれしいですね」。佐々さんがそう懐かしむ十二社通りには、連続性のある商業施設が作られ、商業の再生により活気とにぎわいを創出していく。また、神田川沿いの公園と連続する広場や水と緑の散歩道などを整備することで、人が行き交い、地域に住む人の日常的なコミュニティーの場も生まれるはずだ。

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新宿十二社熊野神社例大祭

未来を見据え多世代の交流が生まれるまちづくり

住友不動産では、複数の小さな土地を地道に取りまとめ、その土地の価値を高めていく「再開発」を数多く手掛けることで事業基盤を拡大するとともに、企業価値を高めてきた。

都心で、高いポテンシャルを有するエリアにも関わらず、老朽化、災害リスクが高いなど課題を抱える地域は多い。住友不動産はそんな地域において、土地に愛着を持つ多くの地権者の方々と話し合い、行政と協議を行いながら進める「法定再開発事業」によって、都心部にまだまだ残る木造密集地の解消や有事の際に緊急車両が通れないような狭あい道路の拡幅など地域の防災機能の向上をはじめとした基盤整備をするとともに、エリアの活性化に貢献する持続可能なまちづくりを行ってきた。西新宿五丁目北エリアもその一例だ。

「地震や火事、最近多い台風やゲリラ豪雨による神田川の氾濫などの災害に対し、昔の家に住んでいる頃より、今の暮らしは本当に安心できるものになりました。今後は、住んでいる人だけではなく、災害が起きた時に、地域で働く人、その時訪れていた人などにも、地域住民が手を差し伸べられるような体制も整えていけたらと考えています。これから、どんな人がここに暮らすのか、どんな交流が生まれるのか、春からの暮らしが楽しみです」(佐々さん)

土地を愛する人に寄り添うまちづくりは、そこに暮らす人々の安心と安全を支え、新たなコミュニティーを生み、未来を創造していく。

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親水空間のイメージ
インタビュー

新たにこの地を訪れる人々との交流に期待

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西新宿五丁目北地区防災街区整備事業組合 理事長 佐々一郎さん

この辺りはかつて古い木造の住宅が密集しており、防災面でも多くの不安がありました。そんな中、受け継いだこの土地をなんとかしたい、何かを残したいという思いで2006年に有志の方々とともに、まちづくりをスタート。ここまでの道のりには、リーマンショックによる経済の悪化、東日本大震災をはじめとする多くの地震の発生など様々な天災や経済情勢の変化がありました。しかし、まちの再生への思いは変わらず、この春、いよいよ新たな生活が始まります。

「竣工したから、引っ越しが完了したから終わり」ではなく、私たちが住むまちは「そこで暮らす私たちがつくり、発展させていくもの」です。暮らしやすさや安心・安全面も、住む人の声を聞き、生かしながらじっくりと検討していけたらと考えています。今後は、ここに住み続けたい、ここで働き続けたいという誇りを持てるよう、地域と連携してエリアマネジメント活動も行っていく予定です。

十二社通りにかつてのにぎわいの再生を、そして中央公園から神田川を結ぶ水と緑の散歩道では、四季折々の自然を感じながら多世代の交流ができるようにと、思い描いてきたことが現実になろうとしている今、地権者の方々の表情も明るく、祭りや盆踊りが再び開催されるであろうこれからのまちが楽しみです。暮らしてきた実感から、新宿は、その時代時代に合わせて変化を受け入れ、対応しながら発展していくまちだと思っています。新たにこの地に住まう若い人たちとの交流とコミュニティーにも期待しています。

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