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ランドセルも、食品容器も、SDGsにつながってる!─出張授業・葛飾区立四ツ木中学校─ 【中高生のための朝日SDGsジャーナル】

ランドセルも、食品容器も、SDGsにつながってる!─出張授業・葛飾区立四ツ木中学校─ 【中高生のための朝日SDGsジャーナル】
Sponsored by 中高生のための朝日SDGsジャーナル

身近なニュースが世界の課題につながっていることを学べる教材「中高生のための朝日SDGsジャーナル」。その第3号を使った朝日新聞社による出張授業が、1月11日、葛飾区立四ツ木中学校(東京・葛飾区)で開催されました。

2030年、どんな暮らしをしていたい?

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講師を務めた、朝日新聞社CSR推進部の遊佐美恵子さん

この日、体育館に集合したのは、四ツ木中学校の2年生と特別支援学級の生徒たち。まずは、講師の遊佐美恵子さん(朝日新聞社)が、17のゴールについてコンパクトにまとめた教材を使って、SDGsの概要と日本の達成度について解説していきます。

「SDGsに17のゴールがあることは、皆さんよく知っていますよね。このうち、目標1〜6は、途上国と関連が高いもの。ただ、日本のような先進国であっても達成できていないものもあります。目標7〜12は、どちらかというと先進国に向けたもの。そして、目標13〜17は地球全体の課題。ここも目標16以外すべて、日本は『深刻な課題がある』という厳しい評価を受けています」

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また、SDGsの考え方について、「まず望む未来を思い描き、その実現のために何をすべきか」というバックキャスティング(逆算)の思考であることを説明。「SDGsの達成期限である2030年、みんなは20〜21歳。学生かな? 働いてるかな?どんな暮らしをしていたい? どんな社会であってほしい?」

「2030年の地球を想像すると心配になる」との声も聞かれるなか、「じゃあ、これから望む明るい未来にするためにどうしていこうか?現状の課題を把握し解決していく。その際の道しるべになるのがSDGsです」と呼びかけます。

ランドセル50色、選べるのはいいけれど

続いて、数人ずつのグループに分かれて、「中高生のための朝日SDGsジャーナル」を使ったワークショップを開始。まずは、一人ひとりが興味のある記事を選び、SDGsの視点で熟読。SDGsのゴールに関連すると思う箇所に、17色に色分けされたふせん「ペタッとSDGs」を貼り付けていきます。一人での作業が終わったら、今度はグループ内でふせんの内容を共有。最後に学年のみんなで一つの新聞にふせんを集めてみました。

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様々な新聞記事のなかで多くの生徒たちが関心を持ったのは、やはり自分たちの「身の回りのこと」を題材にした記事でした。

例えば、「ランドセル」に関する記事。あるメーカーでは、約50色ものラインアップを取りそろえ、性別にとらわれない「自分らしい自由な色選び」を提案しているのだとか。記事には、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」のふせんがびっしりと貼られ、「男子=黒、女子=赤ではなく、自分の好きな色を自由に選べるのがいい」「周りの意見を聞くと、好きな色が選びづらい」「CMで男子が寒色、女子が暖色というのをやめる方がいい」などの感想が書き込まれていました。

そんななかで目を引いたのは、目標12「つくる責任 つかう責任」のふせん。「人気のない色がもったいない」とのコメントからは、ランドセルを買う消費者側の視点だけでなく、生産者側の立場に立って、売れ残った製品の行く末にまで想像力を働かせたことがうかがえました。

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「食品のパッケージ」に関する記事も、注目度が高かった記事の一つ。紙パックやアルミパウチなどのパッケージの工夫により、常温で長期保存できる食品が増えているのだそう。この記事には、目標12「つくる責任 つかう責任」や、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」のふせんが目立ち、「長持ちすれば食品を使い切れる」「パッケージが素材の弱点を克服している」などのコメントが書き込まれました。

なかには、賞味期限が延びることが食品ロスの削減につながると考え、目標2「飢餓をゼロに」のふせんを選んだ生徒も。さらに、途上国への食料支援にも発想を広げ、パッケージの工夫のおかげで「遠い国にも運べる」「日持ちがするから大量に送れる」と考えた生徒もいました。

健康のこと 家族で、町で、地球規模で考える

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「健康」に関するテーマも、生徒にとっては自分や家族に直結する身近な問題です。明治安田生命の取り組みを紹介した特集ページでは、健康寿命を延ばすことが社会全体にとって重要であること、そして同社がウォーキングやヨガのイベントや元気なまちづくりを目指した活動を行なっていることが紹介されています。

このページでは、多くの生徒が、目標3「すべての人に健康と福祉を」のふせんをチョイス。ほかにも、目標11「住み続けられるまちづくりを」のふせんを選び、「人々が支えあうことで住み続けたい街になる」「地元を応援するプロジェクトはいいと思う」と書き込んだ生徒もいました。

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さらに、健康寿命について取り上げた新聞記事には、目標3のふせんとともに「節酒や運動のことを父に伝えたい」「両親には健康でいてほしい」といったコメントも。また、目標2「飢餓をゼロに」のふせんに「(寿命が延びて)人口が増えたら食料不足が加速するのでは?」との疑問を書いた生徒もいました。自分の頭で考えて抱いた疑問は、次の学びにつながる何より大切なタネ。世界の食料問題の構造を調べてみることで、その理解は一段と深まっていくことでしょう。

日本の「当たり前」、世界と違うのかな

授業を終えた生徒たちからは、「SDGsという言葉は知っていたけど、普段の生活と結びつけて考えたことがなかった。自分が使っている物などについても考えてみたい」「ランドセルの色など、SDGsというのは身近な問題なんだなと興味が湧いた」などの感想が聞かれました。

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また、ジェンダー平等についてはとくに関心が高く、「なんで日本はジェンダー平等が進まないのか気になった。日本にいると当たり前で特に何も思わないけど、海外と何が違うんだろう?」「ジェンダー平等というと女性の問題のようになっているが、男性のことも考えてほしい」との声も。

さらに、「コロナがSDGsの進捗に影響があったのを初めて知った」「ロシアとウクライナの問題がSDGsにどう影響しているのか気になった」「すべての国が足並みをそろえて本気で取り組んでほしい」など、最近の社会情勢に思いを巡らせた生徒もいました。

日頃、新聞を読み慣れていない生徒もいるなか、「みんなの意見が書かれたふせんが、どんどん増えていくのが面白かった」「新聞を使った授業は新鮮だった」「自分では気づかなかった点がたくさんあって興味深かった」と、授業を楽しんでくれた生徒たち。新聞を入り口に世の中の問題に触れる、有意義な体験となったようです。

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みなさんの学校で取り組んだ
ワークショップの様子を投稿しませんか?

「中高生のための朝日SDGsジャーナル」「ペタッとSDGs」を使って取り組んだワークショップの様子を、写真とテキストでぜひ紹介してください。投稿いただいた学校には、「次世代によるSDGs 169 TARGETS日本版」冊子をもれなくプレゼントします。

主催:朝日新聞社 後援:文部科学省、環境省

協賛:ナブテスコ株式会社、明治安田生命保険相互会社、株式会社UACJ

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