【教育の部】被爆や震災の生きた記憶を映像で未来につなぐ 清水健斗さん

社会課題の解決やSDGsの達成へと地道に行動する人たちを応援する「SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞」(SDGs岩佐賞)の第2回受賞者が3月28日(火)に公表されました。SDGs ACTION!では、受賞者の方たちの活動内容をご紹介します。(Sponsored by 岩佐教育文化財団)
活動名:タイムカプセルプロジェクト
教育の部 賞金200万円
戦争の記憶。阪神淡路大震災や東日本大震災の記憶。そして、日本各地に息づく伝統行事や風習。失われつつある歴史的建造物や日本の原風景――。そんな様々な「日本の記憶」を、ドキュメンタリー映像にして次世代へと引き継ぐ「タイムカプセルプロジェクト」に取り組んでいます。
第1弾のテーマに選んだのは、広島の被爆体験。終戦からまもなく80年、被爆体験証言者の高齢化により語り部はどんどん少なくなっています。また、終戦記念日すら知らない子どもがいるなど、平和教育も十分とはいえません。
そこで2019年、インタビューや講話を収めた「広島 被爆体験証言者の想(おも)い」を制作し公開しました。最新技術の3DVR(3次元の仮想現実)で記録した映像は、話し手の息づかいまで感じられ、より深く想いが伝わるものになったと思います。

第2弾で取り上げたのは、東日本大震災。2022年、「岩手『被災地からの手紙』」を公開しました。ここには、陸前高田市でブランド米の復興に挑む農家、亡くなった人への思いを投函する「漂流ポスト」の管理人、東日本大震災津波伝承館のスタッフ、そしてボランティア団体の方々へのインタビューを収録してあります。2023年には再編集した映画版も公開する予定です。
タイムカプセルプロジェクトが目指すのは、誰もが・いつでも・どこでも、日本の様々な時代の「記憶」に触れ、学べるようにすること。今後は伝統芸能を体験したり伝統工芸の技術を学んだりできる「VR体験型」コンテンツも増やしていきたいと考えています。また、海外からのアクセスに対応すべく多言語化も進めていく予定です。
受賞コメント
社会問題に取り組むことは、映像クリエイターの使命だと考えています。今後も、映像の力で教育に貢献できるよう尽力するとともに、映像業界全体に向けたSDGs活動の啓発もおこなっていきたいと思います。賞金は、VR体験の運営や第3弾となるプロジェクトの制作費に使わせていただきます。
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