世界各地を消灯のリレーでつなぐ「EARTH HOUR」 25日20時半~、WWFが呼びかけ

世界中で同じ日・同じ時刻に消灯し、地球環境を守る意思を示すイベント「EARTH HOUR(アースアワー) 2023」が3月25日(土)の20時30分~21時30分の1時間、開催される。190以上の国・地域で、企業や個人が店舗や自宅の電気を消す。日本では世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)が参加を呼びかけている。(副編集長・竹山栄太郎)
外食大手1300店以上が参加
WWFジャパンによると、EARTH HOURは2007年にWWFオーストラリアの呼びかけで始まり、日本では2010年から実施されている。気候変動に加え、2018年からは自然や生物多様性の損失もテーマにしているという。毎年3月の最終土曜日の現地時間20時30分から順次消灯し、消灯リレーが地球を1周する。2022年には世界192の国と地域、国内では7836カ所が参加した。

WWFジャパンの特設サイトでは、国内で参加表明した企業や個人を地図上で表示し、生物多様性に関する解説も掲載している。
今年は外食大手10社25ブランドの1300店以上が参加する見込みで、セブン&アイ・フードシステムズの「デニーズ」、トリドールホールディングスの「丸亀製麺」、ワタミの「焼肉の和民」、ロイヤルホールディングスの「ロイヤルホスト」、モスフードサービスの「モスバーガー」などの全部または一部の店舗で、看板照明の消灯や店内のライトダウンをおこなう。
小売りでは、ヤマダホールディングスが今年から参加し、「ヤマダデンキ」の各店舗で看板灯を消灯する予定。ホテルでも、コンラッド大阪(大阪市)や名古屋観光ホテル(名古屋市)などが館内施設の一部を消灯する。
東京タワーも消灯
各地のランドマークも参加する予定で、東京タワーや広島城はライトアップを消灯する。横浜市では大観覧車「コスモクロック21」や横浜ベイブリッジを含む市内約140(3月14日現在)の施設・企業が参加。市民にも可能な範囲での消灯を呼びかけている。
WWFジャパンは「2030年までに生物多様性の損失を回復軌道に乗せる『ネイチャー・ポジティブ』の目標を達成するためには、2023年を変革の年にしなければならない。EARTH HOUR 2023を通して、気候変動対策と生物多様性の保全を訴えていく」としている。

朝日新聞SDGs ACTION!副編集長。2009年に朝日新聞社入社。京都、高知の両総局を経て、東京・名古屋の経済部で通信、自動車、小売りなどの企業を取材。2021年にSDGs ACTION!編集部に加わり、2022年11月から副編集長。
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