CO₂排出ゼロへ「気候非常事態ネットワーク」設立

CO₂濃度を記した地球儀(ゼリ・ジャパン提供)

地球温暖化による気候変動を食い止めるため、二酸化炭素(CO₂)など温室効果ガスの排出ゼロを目指す「気候非常事態宣言とカーボンニュートラル社会づくり支援ネットワーク(気候非常事態ネットワーク=CEN)」が11月18日に設立された。設立発起人にはNPO関係者や学者、自治体の首長、企業経営者ら約190人が名を連ねた。今後、温暖化対策を進める自治体や企業、NPOなどの交流、情報発信を通して、温室効果ガス排出ゼロに向けた取り組みを広げる。(大海英史)

撮影・大海英史
「北極海氷の消失、グリーンランド氷床の融解……」

CENは気候非常事態宣言として「地球表面の年間平均気温は上昇傾向にあり、工業化前に比べて既に約1℃上昇している。あと0.5℃~1℃上昇すると夏の北極海氷の消失、グリーンランド氷床の融解、西南極氷床の融解などの臨界点を突破し、今や極端気象、生物多様性損失、水危機、食料危機などが重なり合ってグローバルなシステム崩壊に世界は備えなければならない事態に至っている」と訴えた。そのうえで、スウェーデンの10代の環境活動家、グレタ・トゥンベリさんら若者によるストライキや、英国など海外の自治体、長崎県壱岐市など国内の自治体による気候非常事態宣言と行動計画を紹介し、取り組みをさらに広げたいとしている。

更家悠介・サラヤ社長(ゼリ・ジャパン提供)

設立発起人代表は、山本良一・東京大名誉教授(環境経営学)と、アルコール消毒剤やヤシノミ洗剤などの衛生用品メーカー、サラヤの更家悠介社長(環境NPO法人ゼリ・ジャパン理事長)が務めた。

11月18日に東京都千代田区の帝国ホテルで開かれた設立総会には約200人が参加し、開会のあいさつで更家氏が「気候非常事態ネットワークをつくって認識を統一し、政府、自治体、学界、企業人がタッグを組んで何としても(温室効果ガス排出ゼロを)達成しないといけない」と呼びかけた。続いて山本氏が温暖化の状況や対策の現状などを説明し、「劇的に時代が動いている。(排出するCO₂と吸収されるCO₂が同じ)カーボンニュートラルを一刻も早く実現したい。これは目標ではない。次は(排出が吸収より少ない)カーボンマイナスを実現しなければいけない」と訴えた。

山本良一・東京大名誉教授(ゼリ・ジャパン提供)
自治体、企業などの交流やサミット開催

CENは当面、設立発起人委員会が運営にあたり、1年後をめどに会員の意見を聞いて形態や会則を定める。委員長には山本氏、副委員長には更家氏と枝廣淳子・幸せ経済社会研究所長が就いた。当面の事務局はゼリ・ジャパンが担う。

枝廣淳子・幸せ経済社会研究所長(ゼリ・ジャパン提供)

主な活動は、①気候非常事態を宣言した、または宣言しようとする自治体、2050年にネット・ゼロエミッション(温室効果ガス排出を実質ゼロ)を目指す自治体、若者、市民、専門家、NGO、企業、行政が自由に交流できるプラットフォームをつくる、②気候非常事態に関連するウェビナーを開催する、③カーボンニュートラルに資する製品、サービス、ソリューション(問題解決)の普及を行う、④国内外の先進的取り組みのデータベースをつくり公開する、⑤21年6月に気候非常事態宣言とアクションプラン(行動計画)サミットを開く、など。

CENの詳細や会員の申し込みなどはゼリ・ジャパンCEN事務局まで。
CENホームページ(https://www.zeri.jp/cen/contact/
電話(03-6863-8170)

(ゼリ・ジャパン提供)
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