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2010鳩山政権

子ども手当、描けぬ形 満額に財源の壁 支給始まる

2010年6月2日1時33分

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 鳩山政権の目玉施策である子ども手当の支給が1日始まった。今年度は、まず半額分の月額1万3千円。ただ、公約した来年度からの満額支給には総額5兆4千億円という財源の壁があり、早くも黄信号がともっている。制度設計が不十分だったため、支給要件についても見直しを迫られている。

 1日午前の参院厚生労働委員会。一部自治体で子ども手当の支給が始まったころ、長妻昭厚生労働相は自民党の丸川珠代氏の追及を受けていた。

 丸川氏 「子ども手当のマニフェスト(政権公約)は今後も維持されるのか」

 長妻氏 「1万3千円の上乗せ部分は現金か現物か、様々な意見がある。党のマニフェストに平仄(ひょうそく)を合わせる形で厚労省で検討をしている」

 丸川氏が「議論によって、方針転換をするということか」とたたみかけると、長妻氏は「それも含めて検討する」と述べ、マニフェストの内容を変更する可能性に触れざるを得なかった。

 政権交代を実現した昨年の衆院選マニフェストには、月額2万6千円の子ども手当を創設し、初年度は半額と明記してある。長妻氏は、この方針を堅持する姿勢を繰り返すが、最近はトーンダウン。

 「現物」とは、現金ではなく、保育所増設や給食費無償化など子育て支援の拡充を指す。保育所に入れない待機児童は、約2万5千人に上る。子育て世帯にとっては保育所に子どもを預けられないことが深刻で、閣内や民主党内でも保育サービスの拡充を求める声が高まっている。

 参院選マニフェストをめぐる民主党の議論では、子ども手当の財源のすべてを現金支給に回すことに異論が噴出。上積みする1万3千円分を「現物サービスに代えられる」とする案が検討されている。幼稚園と保育所の一体運営などを検討している政府の「子ども・子育て新システム検討会議」が6月中にまとめる新たな子ども施策には、子ども手当の財源の範囲内で自治体が現金と現物の配分を決めることができる新制度が盛り込まれる。

 来年度の税収増も見込めないなか、子ども手当の5兆4千億円は予算編成するうえで鬼門になる。既存の現物給付の予算を子ども手当分として衣替えすれば、必要財源を圧縮できるというカラクリだ。

 ただ、これだと月額2万6千円支給という約束はほごにされる。参院選のマニフェストを最終決定する民主党の政権公約会議は、開催の見通しも立っていない。(石村裕輔)

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