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2010鳩山政権

鳩山首相、両院議員総会での発言要旨

2010年6月2日13時27分

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 お集まりの皆さん、ありがとうございます。そして国民のみなさん、本当にありがとうございました。

 国民の皆さんの、昨年の熱い夏の戦い、その結果、日本の政治の歴史は大きく変わった。国民の皆さんの判断は決して間違っていなかった。私は今でもそう確信している。こんなに若いすばらしい国会議員がすくすくと育ち、国会の中で活動を始めてくれている。それも国民の皆さんの判断のおかげだ。

 政権交代によって、国民の皆さんの暮らしが必ずよくなる。その確信のもとで、皆さん方がお選びいただき、私は総理大臣として今日までその職を行ってきた。皆さん方と協力して、日本の歴史を変えよう。官僚任せの政治ではない、政治主導、国民の皆さんが主役になる政治を作ろう。そのように思いながら今日までがんばってきたつもりだ。私はきょうお集まりの国会議員の皆さんと一緒に、国民のための予算を成立させることができたことを誇りに思っている。子ども手当もスタートした。高校無償化も始まっている。子どもに優しい、未来に魅力のある日本に変えていこう、という私たちの判断は決して間違っていないと確信している。

 産業を活性化させなければならない。特に一次産業が厳しい。農業の戸別所得補償制度、おコメからだが、スタートさせることもできている。様々な変化が国民の暮らしの中に起きている。水俣病もそうだ。医療崩壊が始まっている地域の医療をなんとかしなければいけない。厳しい予算の中で、医療費をわずかだが増やすことができたのも国民の皆さんの意思だと思っている。これからもっともっと人の命を大切にする政治を進めていかなければならない。

 ただ、残念なことに、そのような政権与党のしっかりとした仕事が、必ずしも国民の皆さんの心に映っていない。国民の皆さんが徐々に聞く耳を持たなくなってきてしまった。そのことは残念でならないし、まさにそれは私の不徳の致すところ、そのように思っている。

 その原因、二つだけ申し上げる。

 やはりそのひとつは普天間の問題だろう。沖縄のみなさんにも、徳之島のみなさんにもご迷惑をおかけしている。ただ、私は本当に、沖縄の外にできる限り米軍の基地を移すために努力をしなければいけない、いままでのように沖縄の中に基地を求めることが当たり前じゃないだろうと。その思いで半年間努力してきたが、結果として県外にはなかなか届かなかった。いやこれからも県外に、彼らの仕事を外に移すように、努力をしていくことは言うまでもないが、一方で北朝鮮が韓国の哨戒艦を魚雷で沈没させるという事案も起きている。北東アジアは決して安全、安心が確保されている状況ではない。

 残念ながら、沖縄にご負担をお願いせざるをえなくなった。そのことで沖縄の皆様方にもご迷惑をおかけしている。特に社民党に政権離脱という厳しい思いを与えてしまったことが残念でならない。

 ただ、社民党とは一緒にいままで仕事をさせていただいてきた。これからもできる限りの協力をお願い申し上げてまいりたい。

 これからも県外に米軍の基地というものを少しずつでも移すことができるように、新しい政権としては努力を重ねていくことがなによりも大切だと思っている。社民党より日米を重視した、けしからん。その気持ちもわからないでもない。ただ、社民党とも協力関係を模索していきながら、いまここは日米の信頼関係を何としても維持させていかなきゃならないというその悲痛な思い、ぜひ皆さんにもご理解を願いたい。

 私はつまるところ、日本の平和は、日本人自身で作り上げていくときをいつかは求めなきゃならないと思っている。米国に依存しつづける安全保障、これから50年、100年続けていいとは思わない。鳩山がなんとしても、少しでも県外にと思ってきたその思いをご理解願えればと思っている。その中に、私は今回の普天間の本質が宿っていると思っている。

 いつか、私の時代は無理だが、あなた方の時代に、日本の平和をもっと日本人自身でしっかりと見つめていくことが出来るような、そんな環境をつくること。現在の日米の、同盟の重要性はいうまでもないが、一方でそのことも模索していただきたい。

 私は、その確信の中で、しかし、社民党を政権離脱という大変厳しい道に追い込んでしまったその責任はとらなければならないと。そのように感じている。

 いまひとつは、政治とカネの問題だった。そもそも私が自民党を飛び出してさきがけ、さらには民主党を作り上げてきたのも、自民党政治はダメだ、もっとお金にクリーンな政権を作らなければ、国民の皆さんは政権に対して決して好意をもってくれない。なんとしてもクリーンな政治を取り戻そうではないか、その思いだった。

 それが結果として自分自身が、政治資金規正法違反の元秘書を抱えていたなどということが、私自身まったく想像だにしていなかった。そして、そのことが議員の皆さん方に大変なご迷惑をおかけしてしまったことを本当に申し訳なく、なんでクリーンであるはずの民主党の、しかも代表が、こんな事件に巻き込まれるのか。皆さまがたもさぞご苦労され、お怒りになったことだと思う。私はそのような「政治とカネ」に決別をさせる民主党を取り戻したいと思っている。皆さん、いかがでしょうか。

 そのことで、私自身も、この職を引かせていただくことになるが、あわせてこの問題は、小沢幹事長にも政治資金規正法の議論があったことも皆様方、周知のことだ。先般、二度ほど幹事長ともご相談を申し上げながら、「私も引きます。しかし、幹事長も恐縮ですが、幹事長の職を引いていただきたい。そのことによって新しい民主党、よりクリーンな民主党を作りあげることができる」。そのように申し上げた。幹事長も「わかった」と、そのように申された。決して受動的という話ではない。お互いにその責めを果たさなければならない。

 (北海道教職員組合の違法献金事件で陣営が資金提供を受けたとされる)小林千代美議員にもその責めを負うていただきたい。私たち民主党を再生させていくためには、とことんクリーンな民主党に戻そうじゃありませんか、みなさん。そのためのご協力をよろしくお願いいたします。

 必ずそうなれば、国民の皆さんが新たな民主党に対して聞く耳を持って頂くようになる。そのように確信をいたしている。私たちの声も、国民の皆さんに届くだろうし、国民の皆さんの声も、私たちにストンと通る新しい政権に生まれ変わると確信している。

 私はしばしば宇宙人だと言われている。私なりに勝手に解釈すれば、いまの日本の姿ではなく、5年、10年、20年、何か先の姿を国民の皆さんに、常に申し上げているから、何を言っているかわからんよと、そのように国民の皆さんにあるいは映っているのではないか。そのようにも思う。

 例えば、地域主権。もともと国が上で、地域が下にあるなんて社会はおかしい。むしろ地域の方が主役になる日本にしていかなきゃならない。それがどう考えても、国会議員や国の官僚が威張っていて、くれてやるからありがたく思え。そういう中央集権の世の中がまだ変わっていなかった。そこに少なくとも風穴が開いた。かなり大きな変化がいま出来つつある。これからさらに、一括交付金など強く実現を図っていけば、日本の政治は根底から変わる。

 地域の皆さんが思い通りの地域をつくることができる。そんな世の中に変えていけると思う。いますぐ、なかなかわからないかもしれない。しかし、5年、10年たてば必ず、国民の皆さんは、鳩山の言っていることはこういうことだったのか、とわかっていただける時が来ると確信している。「新しい公共」もそうだ。官が独占している、いままでの仕事、できる限り公を開くと言うことをやろうじゃありませんか。皆さん方が主役になって、本当に国民が主役になる。そういう政治を、社会をつくりあげることができる。まだ、なかなか新しい公共という言葉自体がなじみが薄くて、よくわからん、そう思われているかもしれない。ぜひ今日、お集まりの議員の皆さん、この思いをこれが正しいんだ。官僚の独占した社会ではなく、できるだけ民が、国民の皆さんができることをやりおおせるような社会に変えていく。その力を貸して頂きたい。

 東アジア共同体の話もそうだ。いますぐという話ではない。でも、必ずこの時代が来る。国境を越えて、お互いに国境というものを感じなくなるような、そんな世の中を作り上げていく。そこに初めて、新たな日本というものを取り戻すことができる。私はそのように思っている。

 国を開くこと、そのことの先に未来を開くことができる。私はそう確信をしている。ぜひ新しい民主党、新しい政権を皆様方の力によって作ってほしい。そのときにいま鳩山が申していた、どうも先の話だなと思っていたことが、必ず皆さんの連携の中で、よしわかった、と理解していただける国民の皆さんの気持ちになっていけると、私はそう確信をしている。

 一羽のヒヨドリが済州島のホテルに飛んできた。そのヒヨドリは我が家から飛んできたヒヨドリかなと、姿形が同じだからそのように勝手に解釈をして、そうかこの鳥も早く、もうそろそろ自宅に戻ってこいよ、そのことを招いているようにも感じたところだ。雨の日には雨の中を、風の日は風の中を自然に歩けるような、苦しいときには雨天の友、お互いにそのことを理解し合いながら、しかし、その先に国民の皆さんの未来というものをしっかり見つめ合いながら、手を携えてこの国難ともいえる時にぜひ、皆さん耐えながら、そして国民との対話の中で新しい時代をつかみとっていこうではありませんか。

 大変ふつつかな私だったが、今日まで8カ月余り、皆さんとともに先頭に立って歩ませていただいたことに、心から感謝を申し上げながら、私からの国民の皆さん、特にお集まりの皆様方へのメッセージといたします。

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