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〈わの1票@郵便局〉「民営化見直し」約束破られた

2007年07月20日

 曲がりくねった国道を郵便の集配車が駆け抜けた。「気合と根性ですよ」と若い集配の郵便局員は言った。冬にはふぶき、道路は凍る。「集配のダイヤは同じ。どうすればいいのかなあ」。幸い、まだ事故はない。冬が来るのが、怖い。

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地域に溶け込んだ郵便局。「郵便局がなくなるのでは」と心配するお年寄りもいる

 「郵政総選挙」が終わった後の05年10月、小泉内閣で郵政民営化法が可決、成立した。県内では267の郵便局のうち、集配を行っていた12局が今年3月までに、窓口業務だけに縮小された。

 この局員が向かっていた郵便局も3月、集配をやめ、窓口業務だけになった。20キロほど離れた郵便局から集配を担当する局員が1人、無集配となった局との間を毎日4往復する。

 局員に昼食を取る時間はなくなったという。残業も増えた。それでも仕事がさばき切れない。無集配局のポストに投函された郵便物は、同じ地区内でも1日配達が遅れてしまう。

 小包の配達では、不在の際の受け渡しに時間がかかるようになった。「小泉さんには『仕事を増やしてくれてありがとう』と言いたい。総選挙の時は分からなかった。郵政の改革が始まって初めて、『あ、こういうことだったんだ』とわかったよ」

 無集配となった局の内勤の職員も、局長を含め5人から3人に減った。だが、窓口に来る客の数は変わらない。局長は「大変さだけが増してくる。これで、小泉さんの言う真の地域のサービスができるのか」。

 現在、10月1日の民営化に向けて、毎月のように週末を使った研修がある。「今でさえ、大変なのに、民営化になったらどうなるか。想像がつかない」

 ――局長さん、あなたの1票をどうしますか。

 「あの総選挙の時、郵政民営化の『見直し』を約束した国会議員に裏切られた。このままでは郵便は切り捨てられる。これが最後のチャンスですが、いまさら言っても仕方ない。定年まで勤めるつもりだったが、来春で辞めたいと思っている」

 郵便局の前を通りかかった男性(60)が、寂しそうにつぶやいた。

 「最近、待ち時間が長くなったよ。民営化されれば、1人やめ2人やめて、いつかなくなるんでないか。それが、『競争』なんだろうね」

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