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中学校の雨漏り2年、修繕費出ず 教育長が抗議の辞任

2007年07月27日

 教育現場が予算不足にあえいでいる。五所川原市内の中学校では雨漏りしても、53万円の天井の修繕費が出ない。「最低限の予算も守れない」と同市の教育長は抗議の辞任をした。「小泉改革」以降、急速に悪化した自治体の財政難のしわ寄せを受けているのは、子どもたちだ。

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雨漏りの応急処置で張られたビニールシート。雨が降ると雨水が流れてくる=五所川原市内の中学校で

 この中学校の美術室。雨漏りが始まったのは2年前の冬だった。修繕費の見積もりは53万円。だが、市教委から配分された学校予算のうち、修繕費は今年度ゼロだった。

 市教委に要望をしているが、修繕のメドが立たない。やむを得ず、天井に穴を開け、雨水が流し台まで伝うようビニールシートを滑り台のように張って、しのいでいる。

 同市は04年度末、旧金木町や旧市浦村と合併したが、この中学校がある地区は合併後、教育予算が急減している。05年度のこの中学校の修繕費予算は、15万円だった。

 もともと財政難のところに、地方交付税の削減が同市に追い打ちをかけた。01年度に約120億円だった地方交付税は07年度にかけて約10億円減った。今、財政再建化計画で、経費の対前年度比1割削減(一般財源ベース)を掲げる。老朽化が深刻な旧市内の中学校1校の改築だけで、市教委の予算は手いっぱいだ。

 教材作りで欠かせないコピー代などの「消耗品費」。この中学校の予算は00年度に約300万円だったが、05年度は205万円、07年度には101万円に減らされた。

 1学期だけで「すでに消耗品費の3分の2を使った。プリンターのインクを買ったら、もうなくなってしまう」と、先生らは悲鳴をあげる。

 2月、同市の高松隆三教育長(74)は「最低限の予算も守れない教育長は存在価値がない」と市の予算編成方針に抗議して、辞任した。

 昨年度は半世紀続いた市内の小中学校の音楽発表会が廃止になった。今年度は、約1億6000万円の教育関連予算が削減された。知能検査の費用もゼロに。1人あたり用紙代など410円がかかるが、来年度から保護者負担にするか、実施そのものを見直す。

 高松氏は「常識では考えられないこと。金がなくてもやらなくてはいけないものがある。教育現場は大変なところに追いつめられた」と、今でも憤りを隠さない。

 削りやすいのは教育関係予算だ。全国的に見ると、自治体が交付税から出している学校図書購入費総額は、文科省によると、03年度に162億円だったが、05年度には150億円に減った。

 五所川原市教委は「補助金はなくなり、交付税も減った。教育現場の意向をくみ取りたいが、財政当局の要請で、来年度もさらに予算を10%削らなければいけない」と窮状を訴える。

今、天井に穴の開いた中学校では、こうささやかれている。「来年度も予算を削減されれば、学校は破産だ」

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