選挙は朝日で 2007参議院選挙 アサヒ・コム

ここから本文エリア

現在位置:asahi.com2007参院選地方ニュース福井> 記事

〈参院選に訴える:3〉原発 絶えぬ不祥事に不信感

2007年07月06日

 福井大文京キャンパス(福井市)で2日に開かれた日本保全学会の学術講演会。同学会はプラントなどの保全学を体系的に研究する学会として03年に設立され、福井では初めての開催となった。

写真

内部告発で放射能汚染が判明した旧再処理実験施設を見る原子力機構の職員=茨城県東海村の原子力機構東海研究開発センターで

 経済産業省原子力安全・保安院の広瀬研吉院長の特別講演には約170人が集まり、関西電力や日本原子力発電などの原発技術者の顔も見られた。講演ではスクリーンにこんな言葉が映し出された。

 「過去の不正を前提に記録を改ざんし続けていくという悪循環を断ち切り、不正を許さない仕組みを構築すること」

 甘利経済産業相の指示で実施した全国の電力会社の安全総点検の狙いを説明したくだりだ。広瀬氏は「事故やトラブルの情報を共有し、再発防止に生かす。このような活動を着実に進めることによって、電力会社の体質を改善する必要がある」と、再発防止に臨む強い姿勢を示した。

 電力側と安全協定を結ぶ自治体側はどう受け止めたのか。パネル討論で、県原子力安全対策課の岩永幹夫参事は「原子力に対する安全の基本を忘れていませんか。発生したことを素直に受け止め、発生事象の原因を明確に記載していますか」と厳しく詰め寄り、国にも「保安検査官の存在をもっとPRすべきでは」と注文をつけた。

   ◇   ◇

 その告発文は封書で関係機関の担当部署に直接郵送されてきた。

 「放射能汚染測定で数字が測定された場所がいまだ内緒にされ、放置されている。担当職員に絶対に口外しないでほしいと言われ黙っていましたが、事実を公表せざるを得ません」

 日本原子力研究開発機構(原子力機構)の東海研究開発センター原子力科学研究所(茨城県東海村)は先月26日、使用済み核燃料の再処理実験施設で地下の引き込み溝と共同溝でウラン溶液による放射能汚染があったと発表した。

 国への報告が義務づけられている管理区域外の汚染だったが、原子力機構は昨年6月の発見後、国などに報告していなかった。25日に機構と東海村、茨城県に匿名の内部告発が届き、緊急に調査し発表した。

 会見した同研究所の桜井文雄・副所長は1961年のウラン溶液漏れ事故時の汚染とし、告発文の内容について「何らかの隠蔽(いんぺい)があったと解釈するのが一般的だ」と説明した。29日には近くの臨界実験装置付近で、やはり放射性物質のトリウム汚染も発覚した。

 茨城県の橋本昌知事は「安全協定違反で、県民の信頼を大きく損なうもの」と8月20日までに調査と報告をするよう指示した。同県原子力安全対策課は「『もんじゅ』のナトリウム漏れ事故や東海村の再処理施設のアスファルト固化施設での火災爆発事故の時、悪質な隠蔽(いんぺい)や虚偽報告があった。今回、総点検で見つからなかった事実が出てきたのは、まだ隠す体質があるからで遺憾だ」と憤る。

   ◇   ◇

 同機構は、もんじゅについて来春の運転再開を目指している。5日の県議会厚生常任委員会では委員から疑問の声が上がった。

 「(ナトリウム漏れ事故のあった)12年前と比べ、原子力機構の人の意識改革ができておらず、怠慢がある。稼働してすぐ同じようなことが起これば終わりだ。このままでは運転再開は無理。強く意識改革を求め、何か起こった時のため、知事はペナルティーを科してほしい」

 筑後康雄・県安全環境部長は「あのような事故は絶対あってはならないこと。原子力機構には意識改革をしてもらうことが大切だ」と応じた。

 国が全国の電力会社に発電設備の総点検を指示した結果、県内の原発では、日本原電・敦賀2号機で97年に原子炉格納容器の空気漏れを隠蔽して国の検査官の目をごまかすなど、新たに18件の不正が3月末に明らかになった。電力事業者は再発防止の対策をまとめ国に提出した。委員からはこの対策への疑念の声も漏れた。

 「97年にあった敦賀原発の重大な不正が今ごろ出てくる。それまでにも何度となく不正が発覚し、その度に電力会社は再発防止を改めてやる、と言いながら……。(電力会社が今回出した再発防止行動計画は)非常に疑問だ」

このページのトップに戻る