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〈参院選に訴える:4〉憲法 垣根越え9条守る動き

2007年07月07日

 「戦争NO つくろう平和 輝け9条」で一致するならば、どんな企画でも「OK」――。

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「市民がつくる福井平和フェスタ2007」の開催に向け協議する実行委員会のメンバー=福井市松本3丁目の県職員会館で

 9月30日にJR福井駅東口の「アオッサ」で、NGOで活動する市民、弁護士、大学教員らが呼びかけ人となり、「市民がつくる福井平和フェスタ2007」が開催される。そのフェスタへの参加を呼びかけるビラに書かれた一文だ。

 フェスタでは精神科医・香山リカさんが講演する。心の問題から、憲法改正の動きなどをとらえてもらう予定だ。

 実行委員会で事務局を務める水上賢市さん(53)は、県平和環境人権センター事務局長でもある。「もはや支持する政党や所属する団体の枠にとらわれて行動している段階ではない。9条を守るという一点であらゆるつながりをつくっていきたい」と語る。

   ◇   ◇

 NPO法人「ふくい路面電車とまちづくりの会(ROBA)」で活動する会社員林照翁(てるお)さん(50)もフェスタに参加する。参加を決めた大きな理由は、政治家の「責任感のない、言葉の軽さ」への危機感だ。「女性は子どもを産む機械」「原爆投下はしょうがない」などの失言が現職閣僚から相次いだ。「憲法、9条についての議論も国民に届かない言葉でされているような気がする」との思いが強い。

 林さんが自ら「平和運動」にかかわるのは21年ぶりだ。86年9月、反戦平和を訴え続けた画家の故丸木位里(いり)、俊(とし)夫妻の描いた「原爆の図」の展示会が1週間余り、福井市内で開催された。20、30代の若者が中心となった企画に、林さんも実行委員会のメンバーとして加わった。「平和への思いで個人がつながり、大きなうねりとなっていくのを感じた貴重な体験」と振り返る。

 林さんらがフェスタで提案している企画は、9条から連想する「平和」「人権」「家族」「命」「地球環境」の五つのテーマで、自分の思いを表現する「未来への主張(仮題)」だ。歌、漫才、落語、演劇、詩、紙芝居……。どんな表現の仕方でもいい。「会場の参加者に思いを伝えることにこだわってほしい」。15歳以上が対象で、県内の高校や大学にも参加を呼びかける予定だ。

   ◇   ◇

 越前市・大虫地区の住民でつくる「大虫地区・憲法九条の会」は5月に発足。昨秋から準備にかかわってきたメンバーの一人の坂岡嘉代子さん(61)は、フリースクール「はぐるまの家」(同市大虫町)の代表を務める。非行歴のある子どもや不登校の子どもたちが共同生活を営みながら、和太鼓の演奏などに取り組んでいる。

 90年に同スクールを設立して以降、かかわってきた多くの子どもが「一番ほしいもの」に「家庭」をあげる。暴力や貧困に囲まれ育ってきた子どもたちとともに「小さな平和」を模索する毎日。「9条だけは子どもたちに残したい」という思いが強い。

 坂岡さんが最近、特に気になっているのは、子どもたちの自己肯定観の低さだ。「生死の重さを感じられない子どもが社会に出て、軍隊に入る選択肢があれば、どのような行動をとるのだろうか」と思い悩む。

 「貧困や格差など多くの問題がある社会で、9条は子どもたちの命を守ってくれている。参院選では、私にとって他の問題と比較が出来ないくらい大事な争点です」

   ◇   ◇

 5月3日の憲法記念日。月刊誌「世界」の岡本厚編集長の講演会が、福井市のフェニックス・プラザであり約700人が参加した。

 演題は「戦争しない国に向けて、いま出来ること」。日本でも所得格差の広がりが米国並みとなり、「希望のもてない現状を変えてほしいという閉塞(へいそく)感の中で、具体的にどう変えるのかを考えないまま、改憲が『現状打破』ととらえられてしまう。格差の縮小に取り組み、9条を守ることが世界では大きな支持を得ている」と訴えた。

 県内各地にある「九条の会」27団体が共催で開いた。「九条の会・ふくい」の事務局で元農協職員の屋敷紘美さん(63)は講演会を準備した一人だ。昨年5月に同会が発足後、ホームページに週1〜2回のペースで「事務局日誌」と題し、9条や平和に対する思いを書き込んできた。

 屋敷さんは「今大切なことは9条を守ることで一致する人たちがお互いを尊重しながら議論すること」と話す。

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