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郵政票どこに向かう 自民・民主双方が期待

2007年07月27日

 今回の参院選では「郵政票」の動向が注目されている。05年の衆院選では郵政民営化が争点となり、福井1区では、当時の小泉首相に反旗を翻し民営化阻止を掲げた前自民党衆院議員が、同党公認の新顔候補らに激戦の末に敗れた。かつて自民党の有力支持母体として機能してきた郵政票は、今回の参院選福井選挙区(改選数1)ではどこに向かうのか。

 今月21日、福井市順化2丁目の福井錦町郵便局(特定局)。民営化に向けた「業務リハーサル」が公開された。職員が来訪した客の役を務め、振り込みの受領証の裏に収入印紙を張る。10月からスタートする郵政民営化では、郵便局でも3万円以上の振り込みには収入印紙の張り付けが必要になるからだ。職員5人が端末機の操作や貯金通帳の切り替えなど民営化に伴う新業務の作業を1日かけて確認した。

 日本郵政公社北陸支社(金沢市)によると、7月下旬までに北陸3県の郵便局計676局でリハーサルを終える。「昨秋から民営化に伴う新業務の研修を着実にこなしてきた。10月までに十分な準備が出来る」と担当者は自信を見せる。

 郵政民営化に伴い、郵政公社は持ち株会社の下で、窓口業務を担う郵便局と、郵便事業、貯金、保険の事業別に4社に分社される。県内にある郵便局(5月1日現在)は210局(普通局10局、特定局200局)。このうち規模が大きい42局では、局内に2社以上が存在することになる。このため壁や仕切りを設けたり、新たな出入り口をつくったりする作業が進んでいる。

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 着々と進む準備の一方で、民営化への不安を口にする関係者もいる。福井市内の特定郵便局の元局長は「これまで郵便、貯金、保険の3事業を一体として扱い、過疎の地域の赤字を都市部の黒字で補填(ほてん)するなどして収支があってきた。3事業を分割すれば必ず人口が少ない地域の局にしわ寄せがいく」と言う。

 職員の意識の低下にもつながらないかと心配する。「郵便の配達は、それを待っている人の顔を思い浮かべて配達している。高齢者とのコミュニケーションも大切な役目。郵便局の仕事は公共性が高く、完全な市場原理はそぐわない」

 丹南地区の特定郵便局の元局長は、民営化に伴う地方のサービスの低下の象徴的な例として集配局数の減少をあげる。県内の集配局は54あったが、民営化を先取りし、昨年10月までにこのうち12局の集配業務を廃止。3月までに仕分けなどの内勤業務を、地区の拠点となる10局内にある「統括センター」に集中した。「誤配などの郵便物に対する問い合わせに、地域の郵便局で丁寧な対応が出来なくなってきている」と指摘する。

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 地域の住民と最前線で接してきた特定郵便局の元局長らでつくる「大樹全国会議(大樹)」の県内組織は、05年に「郵政解散」となる以前は、自民党の有力な支援団体だった。同党県連によると、01年度の県内の「大樹」の自民党員数は約2500人。同年に実施された参院選比例区で郵政関係の組織系候補は、県内で約5900票を得票した実績がある。しかし、郵政民営化が争点となった05年衆院選後の06年度は約90人に減少したという。

 福井市内の元局長は、今回の参院選について「郵政民営化に反対する自民党の候補がいれば今でも応援したい」と複雑な心境を語る。

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 国民新党は公示前日の11日、福井選挙区の民主党公認候補の推薦を決定。14日に候補者に推薦状を手渡した後、会見した国民新党県支部長の糸川正晃衆院議員は「(国民新党の)支持母体はやはり郵政、とくに大樹」と選挙戦をにらみ話した。

 民主党陣営の幹部は「このような接戦になれば郵政票が及ぼす影響は大きい。比例区での国民新党の県内の投票数に、出来る限り近い票を選挙区でも投じてもらえれば」と話す。

 一方で自民党陣営の幹部は「過去の選挙で、大樹は自民党の強力な支援部隊だった。政党選挙ではあるが、候補者の人柄、責任ある行動を見てほしい。今も大樹には期待している」と言う。

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