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「切り札」集票力に陰り 建設業界

2007年07月18日

 各陣営が第一声をすませた12日午前、仙台市の県建設産業会館が熱気に包まれた。自民党から比例区に立候補した国土交通省OBの出陣式が、候補者不在で開かれ、県内の建設業関係者や県議ら約200人がずらりと並んで気勢をあげた。

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「出陣式」で必勝を期す建設業関係者ら。約200人が集まった=仙台市青葉区で

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 「公共事業の削減に歯止めをかける」

 公約にそう掲げる「最後の大物次官」のために、奥田和男・県建設業協会長(72)が声を張り上げた。「かつて業界の推す候補者は110万票を獲得した。それが、6年前の参院選で28万、前回は25万票に減った。公共事業が減って疲弊したどころの話ではない」

 候補者と長年の親交がある奥田会長は、異例の県単位の出陣式を催したばかりか、選挙期間中も38回の応援演説を行う予定だ。奥田氏は語る。「政治の力で苦境を打破しなければならない」

■減る建設投資

 官民合わせた建設投資は、バブル末期の92年度にピークを迎え、国全体で84兆円を記録した。その後、急激な財政悪化と小泉政権の構造改革によって06年度は52.9兆円に減った。宮城県でも同じ傾向だ。ところが、業者数はそれほど落ち込んでいない。「合併しても受注機会が増えるわけではなく、業種転換する産業もない」と帝国データバンク仙台支店の中村司・情報部長は語る。

 だが、仙台市の中堅建設会社「深松組」の深松努・副社長(42)は、そうした状況が変わってきたと見る。建設業が「構造的不況業種」と位置づけられ、金融機関から資産売却を迫られる業者が続出しているからだ。

■「米びつ空に」

 「会社の米びつが空になって資産も何もない。競争過多で低価格落札が相次ぎ、利益もでない。だから運転資金も借りられずに倒産に追い込まれる企業が増えている」

 活況を呈してきたマンション建設でも、大手が値引き受注するため、地元企業が入る余地は少ない。仕事が減って20歳代で年収200万円は当然になった。ダンピングが相次ぎ、現場監督が不十分になって労働災害も増えている。「不動産の賃貸収入で食っているが、希望も何もない。どんどん業者がつぶれていく」

 県の業界の最大の切り札は、全国トップクラスを誇る集票力だ。04年の参院選でも、国交省OBに全国2番目の1万3000票を集めた。今回は候補者の初任地でもあっただけに、自民党の古賀誠・元幹事長も「47都道府県で宮城県の票が日本一になるように」と期待を寄せる。

■票読み厳しく

 それでも、奥田会長は「前回得票を下回らないことが目標だ」と繰り返す。3年前と比べ、県建設業協会の会員数は約60社減った。地域経済の景気回復が遅れ、一向に業界環境が好転しないことが、厳しい票読みにつながる。

    ◇

 参院選がスタートした。地域の人々は、どんな思いを抱きながらこの選挙を迎えているのか。参院選を取り巻く人々の動きを追った。

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