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〈選ぶ〉「分権前進へ好機」 総選挙の争点、嘉田知事に聞く

2009年7月28日

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 地方分権を求める嘉田由紀子知事は衆院選を「千載一遇のチャンス」ととらえる。「ぼったくりバーの請求書」に例えられた国直轄事業の負担金問題、国出先機関の統廃合、税源の移譲――。全国知事会は各政党のマニフェストを点数化し、一気に分権を前進させたい意向だ。選挙の争点となる地方分権をどう考えるのか、朝日新聞のインタビューに答えた。

 (春日芳晃、新井正之)

 ――地方分権の政策で政党支持を訴えた橋下徹・大阪府知事は首長連合を呼びかけました

 「5月18日にあった知事会の会合の帰り、偶然橋下さんと同じ新幹線でした。『政治的メッセージを出しましょう』と呼びかけられた。6月に入って何度か携帯電話に連絡をもらい、直接話もしました。『分権を実現するには政治的パワーを発揮するしかない』と、首長連合に強く誘われた。でも、私は『まだ決められない。考えることがいっぱいある』と答えを留保しました」

◇道州制には慎重

 ――留保の理由は

 「知事だけでなく市長や町長にも広げる首長連合という考えを初めて聞き、いい発想だと思った。でも、まだ政党が分権の政策を示していない。まずはマニフェストを見なくてはいけない。そしてどういう地方のあり方を目指すのかが大切です。橋下さんは道州制。私は道州制にはきわめて慎重です」

 ――首長連合はともかく、この総選挙は分権を進めるチャンスと考えている

 「千載一遇のチャンスと思います。県や日本の未来をどうつくるのか、国民は真剣に問うている。だからこそ、住民が参加しやすい分権の仕組みが大切なんです。

 官僚制の打破、霞が関をぶっ壊すと言うなら、それに代わる行政の仕組みをつくる必要がある。今でもでこぼこがある地方への税の分配を具体的にどうするか。道州制か、広域連合か。官僚制の延長にある地方自治体のガバナンスの仕組みもどうつくるのか。ある程度の構想がなければ難しい。事務的に積み上げなければ、家は建たない」

◇今まさに瀬戸際

 ――なぜ地方分権が必要なのか

 「分権の根っこは無駄遣いをなくし、行政への信頼を築くこと。国は14兆7千億円の補正予算を決めたが、借金で予算を組むなら誰でもできる。次の世代に借金を残さず、最少の費用で最大の効果を上げようとするから、私たちは苦労している。財政規律が大事。次世代に借金のツケを回した結果、子どもが産みにくくなり、環境もツケ回しとなってはいけない。今がまさに瀬戸際です」

 ――では分権後の地方ビジョンをどう描くのか

 「地域のコミュニティーの仕組みを見てきて、小さい住民自治が原点と思います。それをベースにして、市町村や都道府県や広域行政、道州制を議論されるならいい。

 セーフティーネットをつくるのに、私は自助、共助、公助を組み合わせ、バランスの取れた形をつくろうとしている。環境保全や災害、教育、福祉の政策に、道州制は目が粗すぎる。もっときめ細やかな仕組みでないと、住民にとって望ましい地方自治は築けないと思います」

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