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〈09政権選択〉小泉劇場、嵐の跡 「亀井王国」さらに強固 広島6区

2009年7月30日

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 郵政選挙で全国の注目が集まった広島6区。4年前の熱狂はすっかり冷め、8月の総選挙を静かに迎えようとしている。「刺客」として挑んだライブドアの堀江貴文元社長(36)は今回の総選挙について「民主党もセカンドベスト。自民党でも政権を担当しているんだから、できると思うけど」と語った。(吉浜織恵)

 「ホリエモンは第七騎兵隊長で、おれはアパッチ族の酋長(しゅうちょう)みたいだった。あのときはものすごい逆風が吹いた」

 国民新党の亀井静香氏(72)は4年前を西部劇になぞらえる。郵政民営化に反対して自民党を離党。自民の応援を受けて「日本をぶっ壊す改革を」と訴えた堀江氏に2万6千票差に詰め寄られた。

 24日の亀井氏の事務所開き。民主党の佐藤公治参院議員(50)は「この総選挙、亀井先生を全力で応援させていただきたい」と強調した。前回、亀井氏と争って落選し、07年参院選に立候補。亀井氏が支援に回り、今回、民主は亀井氏を推薦する。

 自民は元県議を擁立したが、亀井氏は「地元に入るのは2日くらい」と余裕の表情だ。地元の建設会社社長は「亀井先生が言えば国民新党であろうと役所は言うことを聞いてくれる」と言う。瀬戸内海の沿岸部から中国山地に広がる広島6区。ホリエモンが去り、「亀井王国」はより強固になったように見える。

 堀江氏の選挙事務所があったJR尾道駅前。4年前、支持者が詰めかけたビルは空っぽのままだ。元選対幹部の男性(50)は「自分たちが投票すれば変わると感じられた」と振り返る。06年に堀江氏が証券取引法違反容疑で逮捕=最高裁上告中=された後、尾道市内で次の総選挙向けに開設していた個人事務所も閉鎖された。

 「熱病だった」「夢を見ただけ」――。当時を自嘲(じちょう)気味に語る人は少なくない。ボランティアで選挙を手伝った三原市の女性会社員(37)は「この4年で社会は悪くなる一方。でも、あの時の熱意は今はない」。地元商店街の男性(74)も「小泉劇場の地方版。劇が終わればショックだけが残った」と話した。

◇「バラマキ、一層拡大」「選択肢ない」 堀江貴文元社長に聞く

 小泉さんの郵政解散を見て改革の流れを止めてはいけないと思った。改革するには総理大臣。自民党本部で安倍幹事長代理(当時)に会った時、この人がなれるんだったら、おれだってなれると。

 最短で総理大臣になるには、対立候補を立てられないほど強力な亀井さんをやっつけないとだめだ。それで広島6区。バラマキ型と決別するには、しがらみのない政治家だ。でも変わらなかった。

 自民党は郵政造反組を復党させたが、郵政民営化を見直す根拠なんて何もない。景気が悪くなったのも米国のバブルが破裂したから。有効な手だてを打てず、バラマキがさらに拡大した。自民党の低迷は改革が途中で失速したことへの失望ではないか。

 民主党がいいなんて誰一人思っていないと思う。民主党もセカンドベスト。今の自民党が政権を担当しているんだから、民主党にやれないことはないだろうけど。高速道路無料化は困る。渋滞したら環境は悪くなる。「子ども手当」も、子どもをつくらないと国民と見なさないのか。

 僕は広島6区が日本の未来だったと思っている。当時、若い人からはつまらない日常を送っている閉塞(へいそく)感を感じた。しがらみのない政治家がバラマキ型の政治と決別する、そういう期待はあった。

 かじる親の脛(すね)はないのに、誰も脛を作っていない。世界中から優秀な人が集まる仕組みをつくらないと税収はどんどん減っていく。自分の子どもや孫のことを考えると変わらなきゃと思うけど、明日のメシのことを考えると亀井さんに一票となってしまう。

 みんな選択肢がない。消去法で民主党。変えるには「芸人党」しかないと思ったりして。都市部では有名人が勝つじゃないですか。しがらみのない人が国を変える。ただ、僕、1回負けたので負ける選挙はやりたくない。

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