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〈政治資金考 09総選挙を前に:上〉政党支部ってなに? 資金の受け皿

2009年8月5日

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 総選挙の立候補予定者の多くは「政党支部」の支部長という肩書を持っている。政党支部は近年、政治家個人の資金管理団体や後援会に代わって政治活動の中心的存在となっている。中央で党本部が受け取った政党交付金が配分されるほか、企業・団体献金の事実上の受け皿とも言われている。その「懐具合」を、県選管に毎年提出されている政治資金収支報告書を手がかりに取材した。

 (宮崎亮、燧正典)

●自民・1区支部

 和歌山市中心部の市道沿いにある自民前職谷本龍哉氏(42)の事務所。砂利が敷き詰められた広い駐車場の奥にプレハブが立つ。ここが谷本氏の政治家個人としての事務所と「自民党和歌山県第1選挙区支部」を兼ねている。

 谷本氏は「会計事務が繁雑になる」(事務所)として資金管理団体を持たず、政治資金の「財布」はこの支部に一本化している。公開されている最新の07年の政治資金収支報告書によると、収入は約1億円。企業・団体献金2432万円▽党本部からの交付金2千万円▽政治資金パーティー2981万円。この三つで4分の3を占める。

 企業献金は選挙区内の中小企業が多く、年間5万円超を献金した約100社が記載されていた。100万円以上も5社あるが、6万円と12万円の企業が目立ち、事務所の担当者は「景気が悪く、維持するのは大変」と話す。

 政治資金パーティーは、内閣府政務官就任を機に07年6月に和歌山市内のホテルで開いた。谷本氏がパーティーを開いたのはこれまでこの1回限りという。「そう頻繁に地元の支援者に経済的負担をかけられない。『票もお金も』というわけにはいきません」

 支出約5345万円のうち、秘書や事務員の人件費、消耗品費といった事務所の運営経費は計約3385万円。

 残り約1960万円の政治活動費では、交際費が約499万円を占めるが、記載が義務づけられている1回5万円超の支出がないため、報告書では詳細が分からない。事務所は「本人が出席する懇談会やパーティーの会費などがほとんど」と説明する。

●民主・2区支部

 紀の川市上田井の国道24号沿いに、和歌山2区で立候補を予定する民主新顔の阪口直人氏(46)の拠点である「民主党和歌山県第2区総支部」がある。

 阪口氏は07年夏の参院選にも立候補しており、同総支部の同年の収支報告書は「2区総支部」と「民主党和歌山県参議院選挙区第1総支部」を合算したものになっている。

 収入は約1830万円。党本部からの交付金1550万円と資金管理団体「なおと会」からの寄付230万円でほとんどを占めた。「なおと会」の資金は大半が両親や親類、党本部からの寄付だ。

 企業献金はゼロ。担当者は「当初は『もらいたくてもくれるところがない』状態だった」と明かすが、今は阪口氏が「企業・団体献金は一切受け取らない」と公約している。

 支出の方は、約1761万円のうち政治活動費が約1265万円。谷本氏と単純に比較すると、参院選に出たにもかかわらず少ないが、「収入が少ないから仕方ありません」と担当者は話す。

 ポスターの印刷もなるべく安いところに頼み、エアコン使用も控えめにするなど節約を続けるが、「特に08年の秋から冬にかけてが苦しかった」と担当者は振り返る。08年秋に解散ムードが高まった際、紀の川市内で事務所を移転し、賃料は倍以上に。一時的に橋本市内にも事務所を構えるなどして支出が増えた。スタッフの一人は「まさに自転車操業。『早く選挙をやってくれ』という思いだった」と振り返る。

    ◇

 次期総選挙の立候補予定者が代表を務める政党支部のうち、与野党双方から1支部を朝日新聞が選び、取材を申し込んだ。両支部は「説明責任を果たしながら、頂いた浄財を大切に使っています」としている。

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