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〈政治資金考 09総選挙を前に:下〉なぜ献金? 地域活性、私的な縁…

2009年8月7日

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 政治家の活動を支える「献金」。一般に、政党の基本政策に賛同した個人が政党に定期的に納める「党費」と異なり、寄付の一種である献金は、目的も時期も金額もさまざま。また政党には個人だけでなく、企業や団体も献金している。「地域に必要な人」「幼なじみだから」「党を支える」――。献金する人たちにその目的を聞いた。(加藤順子、渡辺秀行、宮崎亮)

●柔道教室の仲

 和歌山市の土木会社、豊(ゆたか)工業所の久保晋典(しんすけ)社長(50)は07年、民主党和歌山県第1区総支部に70万円を個人献金した。「野党を応援しても会社には全くメリットはない。仕事が欲しくて献金しているわけではない」と言う。

 同総支部は、今度の総選挙に立候補予定の民主新顔、岸本周平氏(53)が代表を務める。久保さんは岸本氏とは小・中学校と同じ柔道教室に通った仲。財務省などで政策立案にかかわってきた岸本氏を「日本のために世界に立ち向かっていける人物」と見込むが、応援する一番の理由といえば「子どものころから知っている」ことを挙げる。

 いまの政治に対し、政権交代が必要だという思いも抱いている。「小選挙区になって複数政党の候補者が当選できなくなり、バランスが悪くなった。これからは二大政党の候補者が切磋琢磨(せっさたくま)すべきだ」

●より地元重視

 和歌山市の建設会社は、自民党和歌山県第3選挙区支部に毎年のように企業献金をしている。同支部の代表は自民前職、二階俊博経済産業相(70)だ。建設会社の会長を務める男性は「(二階氏とは)昔からのつきあいがあるし、和歌山県への功績がすごいから」と話す。

 しかし、会長は地元1区の自民前職、谷本龍哉氏(42)の後援会にも入っており、最近は献金も地元重視という。07年は谷本氏が代表の党県第1選挙区支部に10万円を企業献金し、パーティー券も購入した。

 会長は「(谷本氏を)地元の衆院議員として育てたい」と説明。「世襲でもない、組織もない、お金のない議員だったからこそ月5千円でも1万円でもだれかが出さないと」と献金の意義を強調した。

 新宮市でかつて旅館を営んでいた長谷(はせ)克己さん(79)は、二階氏が代表を務める党県第3選挙区支部に事務所を無償で提供している。07年は、家賃相当額の63万円分が、政治資金規正法上の寄付(個人献金)として収支報告書に記載されている。またこれとは別に二階氏関連の団体への個人献金も続けている。

 「衆院議員に初当選したころから二階さんを育てようと思った」と長谷さん。二階氏は93年から03年まで自民党を離れ、一時は野党にもなったが、長谷さんは一貫して二階氏を支援してきた。「政治の力で少しでも和歌山を良くしてほしいと願う、その一点だ。見返りを求めるようなことはない」

 和歌山市の建設会社員の男性(58)は、共産党県北部地区委員会に15年ほど前から、年約4万円を個人献金している。月1千円ずつ出したり、ボーナスから1万〜2万円を年末に追加したりしているという。

 共産党は総選挙で和歌山1区に新顔の国重秀明氏(48)を擁立するが、自民や民主のように国重氏を支部長とする支部は作っていない。また「利益誘導につながる」として企業・団体献金を受け取っていない。

 男性は「共産党が一番、誠実で清潔だ。少ない額だが、『ちょっとでも』という党の要望に応えている部分もあるし、党が大変やと聞いているのでがんばってほしいという気持ちもある」とその思いを語る。

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