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〈「100年に一度」の足元 車のまちから〉1票をだれに託す:下 期待

2009年8月7日

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 衆院選に向けて主な政党のマニフェストが出そろった。「財源のないバラマキ政策だ」「4年間で何をするのか工程表がない」といった批判合戦の中、経済不況の中で自動車産業にかかわってきた3人も、その内容に注目する。どの候補者、政党に一票を投じれば、経済状況は上向くのか、普通の生活が取り戻せるのか、思いを巡らせている。

◆政治が変われば企業も 40代の零細企業経営者

 7月中旬、北勢地方でトヨタ車などの配線ケーブルを作っている町工場の40代の男性社長は、5社ほどある下請け工場の社長を集めた。工場の6畳ほどの事務室で、打ち明けた。「唯一の取引先から、年度内で取引停止すると通知されたんや」

 社長らの顔色が変わった。いずれも零細だが、合わせて従業員約15人、パートは60〜70人を抱える。「生活できなくなる。プラカード持って、通知撤回の抗議行動や」。だが男性は「少なくとも衆院選ごろまでは、取引先と地道な交渉を続けたい」。政治が変われば企業も変わるのでは、との期待からだ。

 05年の衆院選では民主党に投票した。「前回は誰かに入れないといけないから入れた感じ。でも、今回は政治にすがりたい。各候補者の考えをよく調べて、本当の意味での選択をしたい」。だが、男性はこうもつぶやいた。「弱者を救ってくれる党が、あるんかな」

◆子どもの教育に税金を 日系ブラジル人35歳

 車の部品製造会社から派遣切りにあった日系ブラジル人の男性(35)は、知人の紹介で4月から1年間、小学校で働くことになった。14人のブラジル人児童の通訳やプリントの翻訳が主な仕事だ。日本語もポルトガル語も十分に理解できない児童がいることが気になる。ブラジルとの間を何度も行き来したり、親が仕事で忙しかったりしたせいなのか。

 ブラジルでは欠かさなかった投票は、04年の来日以降一度もしていない。漢字が十分に読めず「ニュースが完全に理解できない」。衆院選は「ばらまき合戦」との話を聞き、ブラジルを思い出した。「ただお金をもらうのでは、国民も、国もダメになる」。だから、定額給付金は受け取っていない。教育現場で、未来を担う子供の教育にこそ税金を使ってほしいと感じるようになった。ニュースをもっと理解したい。そんな思いから日本語の勉強に力を入れ出した。

◆庶民の味方、見定めたい ホンダの元期間工40歳

 ホンダ鈴鹿製作所の元期間工、北川剛さん(40)は06年3月に入社後、主に新型車開発部門で部品作りをした。700度に熱したアルミニウムを扱うきつい仕事だが、その新型車が街を駆けていく。「涙が出そうになるほどうれしかった」

 父親が保守的な考え方を持っていた影響で、ずっと自民党支持だった。同党系県議の選挙事務所でボランティアをしたこともある。

 ホンダ入社後、県議選や鈴鹿市議選は労組の要請で民主党系候補に初めて投票。恩返しの気持ちだった。昨秋からの経済不況で、雇い止めがささやかれた。労組出身の市議に相談したかったが、会えなかった。「企業内労組は正社員を守るためだけだった」

 雇い止め直前、個人で加入できるユニオン三重に入り、失業者の相談にも耳を傾ける。「民主党は、庶民の味方のふりをしているだけ。今回は、革新系の社民党か共産党に入れると思う」

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