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〈政権選択 ひょうご 09夏・総選挙〉政党事情:4 共産・社民 埋没阻止

2009年8月12日

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 姫路市の東隣にある福崎町。連日のように、1人の町議がJR福崎駅前や田畑の真ん中でマイクを握る。

 「平和と暮らしを守るためには、共産党が必要です」。小林博(66)は通行人らに訴えかけるが、県内で唯一の共産党籍首長がいる福崎でも反応は鈍い。「あと1カ月を切ったのに盛り上がらない。候補者がいない影響が出ているのだろう」。30日の投票日までに、どこまで支持を広げることができるのか。小林の表情は険しい。

 共産は今回、すべての小選挙区に候補者を原則立てる方針を見直した。96年の総選挙から全12小選挙区に擁立してきた県内でも、福崎町やたつの市などがある兵庫12区に加えて4、5、9〜11区の計6選挙区で擁立を断念した。いずれも07年参院選で得票率が約6〜7%にとどまった選挙区だ。小林は「地元議員らがビラを配ったり街頭に立ったりして、少しでも存在感を示していかなければならない」と話す。

 政権選択が最大の焦点となる今回の総選挙。これに対し、共産は無党派が多い都市部で二大政党からこぼれ落ちる票を取り込もうと懸命だ。1区(神戸市中央区、灘区、東灘区)で立候補を予定する新顔の味口俊之(39)は「政権交代の4文字だけでは何も変わらない」とし、2区(同市長田区、兵庫区、北区)の新顔の井村弘子(63)は「消費税や貧困、平和など、自民にも民主にも足りない点は多い」と訴える。

 小選挙区の候補者が半減した中で党県委員会が力を入れるのは、96年に約33万5千票獲得したものの、前回は約23万票だった比例区。志位委員長や穀田国対委員長が今月上旬に相次いで神戸市や明石市などに入り、街頭で支援を求めた。

 党県委員会書記長の松田隆彦は「二大政党になった場合に切り捨てられる人々の声の受け皿になる」と語気を強める。

    ■ □ ■

 「子育ては大変じゃないですか」。尼崎市内の神社で1日に開かれた夏まつり。県内で社民から唯一立候補する8区(尼崎市)の新顔の市来伴子(32)は浴衣姿で見物客らに名刺を配り回った。昨年9月以降、自転車で市内をめぐり、配った名刺は約2万枚。8選を目指す公明前職を最大の相手ととらえ、与党に批判的な声をすくい取る活動を続けてきた。

 社民県連合は03年衆院選の前党首落選によって議席を失った7区(西宮市、芦屋市)での候補者擁立を見送り、小選挙区は8区だけに絞り込んだ。同じように「政権交代」を掲げる民主の選挙協力をあてこんだ上での決断だった。ところが、先月下旬に新党日本代表が8区からの立候補を決め、表明会見には民主の鳩山代表も同席。構想はもろくも崩れ去った。

 二大政党のはざまで深まる埋没感。民主が圧勝した07年参院選は県内の比例で約8万票にとどまり、05年総選挙の約20万票から大きく減らした。民主への風が吹く今回の総選挙は社民にとって存亡をかけた戦いとなる。

 市来が戦う8区では、今月に入って連合兵庫の支持をとりつけ、ようやく戦う態勢が整った。党県連合代表の今西正行は苦境を認めつつ、こう語る。

 「年金や介護、医療の充実などを地道に有権者に訴え、支持を広げていくしかない。そうすれば、『第三極』として政権交代に参加する道は開ける」(敬称略)

 =おわり

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