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〈あすを選ぶ 09衆院選〉民主たたき、公明すがり 支持層離れ自民躍起

2009年8月13日

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 衆議院解散直後の7月下旬以降、自民党の立候補予定者の陣営に、支持者らからマニフェストの内容への問い合わせが相次いでいる。

 ただし、ほとんど民主党のマニフェストについて。しかも期待感がにじんでいる。

 「民主党のは本当にできるんか」

 「高速道路無料化、ええことやんか」

 県連幹部は「説明せんと、放っておいたらえらいことになる」と嘆く。

 立候補予定者も民主党のマニフェスト批判に躍起だ。

 10日夜、松阪市内であった三重4区の前職田村憲久氏の演説会も、民主党批判から入った。「子ども手当、いい話だ。でも子どもがいない家庭には増税になる。甘い話にはどこかに裏があるんです」

 参加者には「これでも民主党に任せられますか!?」と書いたA4判のチラシが配られた。県連の広報委員長、青木謙順県議の発案で今月、急きょ作成した。

 ただ、手にした支持者の男性(60)は「情けない。支持者の考え方が変わってきたのにくみ上げてこなかった」

 朝日新聞社が1、2の両日に実施した全国世論調査では、「いま投票するとしたら」と聞いた比例区の投票先は、民主党39%、自民党22%だった。差は大きいままだ。

 自民党にとって深刻なのは、与野党が逆転した07年の参院選でも顕著だった自民党支持層の自民離れに歯止めがかからないことだ。

 特に、支持組織はすっかり様変わりした。

 郵政民営化の実現を掲げた自民党に300を超す議席をもたらした05年の衆院選は、最大の集票組織だった特定郵便局長OBらの「大樹」を敵に回した。その後、郵便局長らを加えて「郵政政策研究会」が発足したが、県本部の海野克会長は「民営化で利用者に不便をかけている。政権交代しかない」と自民党との決別を宣言する。

 県医師連盟は5選挙区すべてで自民党の立候補予定者を推薦したが、05年からは1、2、3区で民主党側にも推薦を出す。小泉改革で診療報酬の引き下げが続き、中嶋寛会長は「経済効率のみの姿勢を改めてもらわなければいけない」。さらに医師不足の加速、麻生首相の「(医師は)社会的常識がかなり欠落している人が多い」との発言も自民離れに追い打ちをかけた。

 「自民一本」という県歯科医師連盟と県薬剤師連盟も、一枚岩ではない。県薬剤師連盟は数年前から、依頼があれば民主党のパーティー券を買っている。上村武会長は「幹部会議では『民主党へも票を回した方がいいのではないか』との意見もあった」。県歯科医師連盟の峰正博会長も「県議会の第一党は民主党系。付き合いはありますよ」。

 かつて予算配分で腕をふるった公共事業費も、オイルショック直後の79年の水準に落ちた。県内の土木・建設業者は過去3年間、毎年30社前後が倒産。建設業協会加盟社も10年前から半減し、500社程度だ。田村憲久氏の親族が社長を務める日本土建も昨秋、ジャスダックへの上場を廃止した。

 田村元・元衆院議長の時代から選挙を支えた松阪市内の建設業者は言う。「ジャパン(日本土建)自体の仕事がなく、求心力はもうない。4年前とは全く違う」

 また「平成の大合併」で69市町村から29市町になり、保守系の市町村議は約500人から300人程度に減った。

 支持組織の崩壊が止まらないことに、県連の山本勝幹事長も「戦力不足だ」と認める。

 その自民党の最大の支えは、今や公明党票だ。同党は県内の小選挙区で候補者を擁立しないため、支持母体の創価学会を中心に自民党候補を支援している。公明党県本部の中川康洋代表は「連立を10年間やり、成熟した関係ができている」と話す。

 公明党は、東海比例ブロックに、旧三重1区が地盤の坂口力・元厚労相を擁立するなど3議席獲得が至上命題だが、「3けた(100万票)はいかないと厳しい」と経済対策などの実績を強調する戦いを展開する。

 自民党が小選挙区で勝ち上がるには、公明党票が「頼みの綱」だけに、「こちらには、今まで以上のアプローチがある」と中川氏。公明党にとっても支持の広がりが課題だけに比例区での自民党の協力に期待をつなぐが、中川氏は「厳しい状況はわかっている。お互いできることを協力していくだけだ」。(月舘彩子)

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