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〈どっちさいぐ 09政権選択〉自民の牙城、流動化

2009年8月15日

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 自民党を長年、下支えしてきた郵便局や建設などの各種業界団体。18日公示の衆院選では県内でも、支持のほころびが見えつつある。政権交代を目指す民主党は勝機とみて、自民の「牙城(がじょう)」とされていた組織票の切り崩しに意欲的だ。

●郵便局 局長らの組織が民・社陣営を支援

 かつて自民の強力な「集票マシン」とされた郵便局関係者ら。今、その多くが民主支持に回る。郵便局長らでつくる「郵政政策研究会」(郵政研)の県内4地区は、「政権交代」の実現を掲げ、1、3区で民主、2区で社民の公認候補支援を決めている。民主候補の事務所では、チラシ配りやポスター張りなど「実動部隊」になる。

 「自民離れ」の転機は、小泉元首相が郵政民営化を掲げ、自民が圧勝した05年郵政選挙だ。「民営化で変わってしまった」。田園風景が広がる郊外にある郵便局の局長は話す。「農作業が忙しい今の時期、以前なら、田んぼに郵便物を届けに行ったり、年金の手続きをしに行ったりした」。天気や今年の作柄の話題に自然と会話が弾んだが、民営化後はそんなことはできない。

 「『不便になったね』とよく言われる。何十年もこの仕事をしてきて、地域とつながりを持つことにやりがいと誇りを感じてきたのに」。金融商品数を増やしてサービスの充実を図ったが、それは過疎地で求められているものではない、と感じている。

 別の局長は「4年前、郵政民営化の中身が理解されないまま、『小泉劇場』のパフォーマンスが支持された。少子高齢化が進む地域で郵便局は最後のとりで。見直しのためなら、ありとあらゆることをやっていく覚悟だ」と話す。

 2区ではまた、違った事情がある。05年衆院選で、郵政民営化に反対し、自民党を除名処分になった野呂田芳成前衆院議員が後継指名した自民公認立候補予定者がおり、関係者は「野呂田さんに頼まれれば、まったくやらないというわけにはいかない」。さらに、郵政関係者と親交があった首長経験者が新たに立候補を表明。こちらに傾く関係者もいるとみられる。

●建設・運輸・医・農 建設・運輸、両にらみ 医師連などは自民軸

 県建設業協会は1、3区で、自民と民主の双方を推薦した。幹部は「依頼があれば推薦を出している」と説明するが、民主関係者は「以前ならあり得なかったこと」と、票の取り込みを期待する。

 県トラック協会も昨秋、各区の自民公認候補らに加え、1、3区の民主公認候補を推薦することにした。昨年8月の業界決起大会には、これまでと違い、自民、民主双方の国会議員を招いた。長年の自民支持は「政権党にお願いすれば要望が通りやすい」(協会幹部)との考えから。だが、「原油高騰を背景にした業界の窮状を打開するため、党派を超えた支援が必要だった。政権交代と言われているから、民主に軸足を移したわけではない」と説明する。

 一方で、民主の推薦依頼に応じなかった団体もある。県医師連盟は2区で自民公認候補を推薦することにし、1、3区は支部の判断に委ねた。

 県農協政治連盟は昨秋、全区で自民公認候補の推薦を決めた。7月、立候補予定の3氏を招いた「励ます会」でも、「政策には継続性が重要だ」と自民支持を強調した。

 こうした動きについて、民主県幹部は「以前なら相手にもされなかったような業界に反応が良い」として、「政権交代の兆し」を見込む。一方で、自民県幹部は「推薦をもらったからといって組織票が固まる時代ではない。気にしていない」と話した。

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