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夏の舌戦、5小選挙区に16人名乗り 「変化」訴え街頭へ 衆院選公示

2009年8月19日

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 18日衆院選が公示され、県内の5小選挙区に、自民、民主、共産の各党と諸派から計16人が立候補した。政権選択の行方が注目される真夏の選挙戦。候補者は第一声で「日本を変える」と訴えたが、何を、どのように変えていくのか。投開票日は30日。有権者の判断が注目される。

 5小選挙区のうち、03、05年はいずれも自民3議席、民主2議席で分け合った。

 しかし、05年は4区を除いて候補者を擁立した共産党が、今回は候補者を2区に絞ったため、4選挙区で自民、民主両党の候補者の事実上の一騎打ちの構図となった。

 1区は、民主党前職中井洽氏(67)と自民党前職川崎二郎氏(61)が中選挙区時代を含めて11回目の対決。小選挙区制導入後は、96年を除いて川崎氏が勝っているが、敗れた側も毎回比例復活当選するという激戦を繰り返してきた。

 「日本分け目の大決戦。政権交代で日本をよみがえらせたい」。中井氏は18日の第一声で、支持者を前に自信をのぞかせた。川崎氏は「大変な逆風だが、この4週間駆けに駆けて、相手にやっと追いついた」と手応えも口にした。

 2区は、5期目をめざす民主党前職中川正春氏(59)に経済産業省の職員から転身した自民党新顔鈴木英敬氏(35)、共産党新顔中野武史氏(35)が挑む。中野氏は「汗水流して働いてきた労働者をモノのように切り捨られるのはまともじゃない」などと労働、雇用問題を前面に据えた。鈴木氏は若さを押し出し「古い政治家と新しい政治を志す人間の戦い」と強調。中川氏は党のマニフェストについて「実現するのが私の役目」と訴えた。

 3区は、「民主党の顔」とも言える同党前職岡田克也氏(56)に、自民党前職平田耕一氏(60)が挑む。幹事長の岡田氏は九州での応援演説で不在だったが、三谷哲央・県議会議長は「近い将来、この三重県から総理大臣を」と政権交代後の「岡田首相」への期待感もあらわにした。平田氏は03年、05年は比例区の名簿上位で復活当選。だが今回は優遇はなく、支持拡大に懸命だ。「自民党への不満は必ず解消する」と訴えた。

 4区は、05年に続き、自民党前職田村憲久氏(44)と民主党前職森本哲生氏(59)の事実上の一騎打ちとなった。

 05年は初挑戦ながら田村氏に約1万3千票差に迫り、比例復活当選した森本氏は「閉塞感が進む地域をひたすら歩いてきた。年金の安定や第一次産業の振興に取り組みたい」と実績をアピール。田村氏は「二大政党といっても、同じ党が分裂して争ってる。世代交代をしないと、この国はまともには戻れない」と若さを強調した。

 5区は、保守地盤が厚い地域で、自民党は、同党系の無所属候補を含めて小選挙区制度導入以降すべて議席を獲得。今回は自民党前職三ツ矢憲生氏(58)に、保守系県議を父に持つ民主党新顔藤田大助氏(32)が初挑戦する。

 三ツ矢氏は、民主党のマニフェストを「現実の問題、課題を一つひとつ解決するのが、政治家の使命であり役割だ」と批判。藤田氏は「政治を変え、税金の使い方を変え、暮らしを変える」と政権交代を訴えた。

■主な候補者の第一声

◇1区 津市北部・名張市・伊賀市

◆地域が夢もてる社会に変革 中井洽(67) 民前(10)〈国〉

 「戦後みんなでがんばって作ってきた制度が疲労し、限界にきている。これを思い切って直し、日本をよみがえらせるため、政権交代が必要だ」。中井氏は津市寿町の選挙事務所駐車場に集まった支持者ら約600人を前に力強く呼びかけた。

 「日本分け目の大決戦」と述べた中井氏は、党のマニフェストにふれ「高齢者が安心感を、若者が希望を、地域が夢をもてるような社会に作りかえていく」とアピール。「あたたかい風だ、追い風だと言われているが、そんなことで選挙は勝てない」と引き締めた。

 午後は伊賀地域でも、出陣式を開いた。

◆野党はバラマキ議論ばかり 川崎二郎(61) 自前(8)〈公〉

 川崎氏は、津市中心部の表通りではなく、小さな路地を選んで第一声。約150人の支持者らに「野党は財源論をまったくよそにおいて、バラマキの議論ばかりしている」と批判。「景気が回復したら、しっかりした財源の話をして、持続可能な制度を作っていかないといけない」と責任与党の立場を強調した。

 元厚労相だけに厚労分野での実績を強調。公明党県本部と「三重がんセンター(仮称)」の設立をめざすことに触れ「皆さんの健康を守っていく」と述べた。

 「大変な逆風だが、トップでゴールをさせていただけるように懸命にがんばる」と決意を語った。

◇2区 四日市市南部・鈴鹿市・亀山市

◆身勝手な解雇は法律で規制 中野武史(35) 共新

 中野氏は、四日市市の近鉄四日市駅前で約100人の支持者を前に「みなさんの雇用を守りたい」と第一声。非正規労働者の失業問題に力点を置いて訴えた。

 「労働者の首切りが広がるのは、身勝手な解雇を規制するルールがないからで、法律でルールを作る。失業給付も十分な生活保障ができるように改善させる。財源には雇用保険の積立金が6兆円ある」と指摘。その上で「労働者派遣法を抜本改正し、正社員が当たり前の社会をつくるために全力を挙げていく」と力を込めた。

 午後からは、比例票の上積みをめざして津市内で街頭演説を繰り返した。

◆逆風だが新しい政治を志す 鈴木英敬(35) 自新〈公〉

 鈴木氏は、鈴鹿市江島台2丁目の国道23号沿いの事務所で第一声を上げた。「政権選択の選挙。(全国的には)古い自民党対新しい民主党、そういう情勢なのかもしれませんが、この2区だけは違う。古い政治家対新しい政治を志す人間。ここだけは違うんですよ」。「ここは違う」を繰り返し、支持を訴えた。

 左胸には「35」と自身の年齢、背中には「日本を変える」と染め抜かれたシャツを着た鈴木氏は「古い政治を続けるのか、新しい政治にするのか。本当に仕事をする政治家を選ぶのか。逆風と言われているが、何とか政治を変えましょう」と呼びかけた。

◆責任もって政権交代果たす 中川正春(59) 民前(4)〈国〉

 「この国の大転換をさせてください」。水色に染め抜いた「政権交代」ののぼりがはためく鈴鹿市矢橋町の事務所で、中川氏は約600人の支持者に、第一声でこう熱っぽく訴えた。

 自ら党のマニフェストづくりにかかわっただけに「(他党は)財源の問題を何やかやと言うが、私が財源はあると言ったらあるんです」と強調。「責任をもってやり抜きます。私に仕事をさせてください」と語ると、拍手がわいた。

 「麻生さんにこれ以上私たちの生活を壊されたくない。このままでは国は壊れ、沈没する」と憂え、「みなさんが頼り」と支持を訴えた。

◇3区 四日市市北部・桑名市・いなべ市・桑名郡・員弁郡・三重郡

◆中小企業への経済対策推進 平田耕一(60) 自前(2)〈公〉

 平田氏は四日市市天カ須賀3丁目の住吉神社で第一声。支援者約100人を前に「安心して老後を暮らせる経済、社会システムの創造に邁進(まいしん)したい」と声を張り上げた。

 やり玉に挙げたのは民主党のマニフェスト。「民主党の子ども手当は財源的に不可能」と批判。民主党が言う「5兆円の財源」を捻出(ねんしゅつ)できるならば「国民年金を10万円増額することが公平な国のあるべき姿だ」と強調した。

 また「中小企業の資金は再び枯渇している。早々に経済対策をしなければならない」と引き続き経済対策に取り組む姿勢を強調し「自民党がこの国を背負う」と訴えた。

◆遊説先福岡で「政治変える」 岡田克也(56) 民前(6)〈国〉

 「政権交代が実現すれば政治が変わる。民主党の新しい政治を一緒に始めよう」

 岡田氏は、選挙区を離れ、自民党の古賀誠選挙対策本部長代理の地元、福岡県八女市の新顔の応援で第一声。「国民から離れた政治でみなさんの生活が守れるのか。官僚にのっかる政治から政治主導の日本をつくる」と訴えた。

 地元では妻の多津子さん(52)が約1200人の支持者に「今日から新たな戦いの日。最後の最後まで戦います」と支援を呼びかけた。中嶋正後援会長は「気持ちよく民主党の指揮を執れるような票数を」と党幹事長にふさわしい票の獲得を求めた。

◇4区 松阪市・津市南部・多気郡

◆公約の実現が最大の恩返し 森本哲生(59) 民前(1)〈国〉

 森本氏は松阪市上川町のワークセンター松阪前で第一声。

 約300人の支持者を前に「私たちはまだ野党。小選挙区で勝ち、民主党に政権を代える。重い荷を背負わせてほしい」と訴えた。

 「年金」「医療」「地方財政」などの分野で、この4年間に延べ71回の質問に立ったことを引き合いに「(質問の内容の)すべてが党のマニフェストに掲げられた。これらの約束を果たすことが最大の恩返し」と強調。与党から指摘されている財源問題についても「予算のカットと無駄を省けば可能」と述べた。

 午後からは津市久居の事務所でも出陣式をした。

◆世代交代で自民党を改める 田村憲久(44) 自前(4)〈公〉

 田村氏は松阪市田村町のショッピングモール駐車場で第一声。

 約1200人の支持者を前に「自民党はあまりにも劇場型政治に慣れすぎた。国民の皆様を不安にさせる大臣や政治家の言動もあったこともおわびしなければならない」と反省の言葉から切り出した。

 衆院厚生労働委員長など、医療や介護の政策づくりに携わってきた実績を強調。44歳という若さを意識し、ポロシャツやはちまきには「世代交代」と大きく書いた。

 「自民党は、世代交代の中で必ずや日本の政治を変えていく。悪い自民党は改める」と支持を訴えた。

◇5区 伊勢市・尾鷲市・鳥羽市・熊野市・志摩市・度会郡・北牟婁郡・南牟婁郡

◆比例重複辞退、退路断ち挑む 三ツ矢憲生(58) 自前(2)〈公〉

 三ツ矢氏は早朝、伊勢神宮などを参拝し、必勝を祈願。伊勢市のJR伊勢市駅前での第一声で「地方がよくならないと国もよくならない。ふるさとを元気にしたい」とふるさと再生に力を尽くす姿勢を強調。「パフォーマンスや、人気とり合戦ではなく、未来を見据えた政策が大切だ」と、民主党を批判した。

 2期、5年8カ月の実績を訴えながら、「政治家に重要なのは信頼と責任」と持論を展開。政治信条として国会議員の定数削減などを掲げてきただけに「比例重複立候補を辞退し、退路を断ち切った。私への信任投票の選挙だ」と決意をみなぎらせた。

◆自民の強い地域、変える時期 藤田大助(32) 民新〈国〉

 藤田氏は伊勢市竹ケ鼻町の事務所前で第一声。「いよいよ地域社会を、日本の社会、政治を変える選挙」と位置づけたうえで、「今の政治は、国を支えてきたお年寄りを大事にしているのか。汗にまみれて働いている人の気持ちを聞いているのか。子育てに悩む女性たちと向き合っているのか」と投げかけた。

 自民前職に挑む選挙となるだけに「ここは自民の強い地域だが、そろそろ変わる時期。一部の団体や声の大きい人と結びつくのではなく、一人ひとりのきずなで問題解決をしたい」と強調。

 「地域がよくなったと実感できる政治をめざしたい」と訴えた。

■小選挙区の区割り

[1]津市北部、名張市、伊賀市

[2]四日市市南部、鈴鹿市、亀山市

[3]四日市市北部、桑名市、いなべ市、桑名郡、員弁郡、三重郡

[4]松阪市、津市南部、多気郡

[5]伊勢市、尾鷲市、鳥羽市、熊野市、志摩市、度会郡、北牟婁郡、南牟婁郡

■小選挙区の党派別候補者数

(区数5) 計 前 元 新 重複

自民    5 4 0 1  4

民主    5 4 0 1  5

公明    0 0 0 0  0

共産    1 0 0 1  1

社民    0 0 0 0  0

国民    0 0 0 0  0

みんな   0 0 0 0  0

改革    0 0 0 0  0

大地    0 0 0 0  0

日本    0 0 0 0  0

諸派    5 0 0 5  0

無所属   0 0 0 0  0

…………………………………………

合計   16 8 0 8 10

…………………………………………

 (諸派は幸福実現党)

選挙前議席 自民3 民主2

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