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〈選挙区ルポ:下〉兵庫5区 防災・景気、願い切実

2009年8月22日

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 「国の無駄遣いのしわ寄せが、国民に負担を強いとるんです」

 公示2日後の20日午後、古い街並みが残る三田市下相野で選挙カーを止めた民主元職の梶原康弘候補に、主婦東浦はるゑさん(76)が近づいて「直訴」した。東浦さんは続けた。「なんで、消費者を泣かせる政治がまかり通るん」

 梶原候補はマニフェストを書いたビラを渡し、笑顔で応じた。「ありがとうございます。また、お話を聞かせてください」。東浦さんは「初対面やったけど、国会議員を目指す人に聞いてほしかった」と真剣な面持ちで話した。

 約1時間後。梶原候補は三田市けやき台の大型ショッピングセンターの前にいた。民主への「突風」が吹いているとされるが、平日だからか、政権交代を訴える演説に足を止める人はさほど多くない。そんな中、50代くらいの女性が梶原候補に握手を求め、こう語った。「とにかく今の政治を変えてくださいよ」。変化を求める庶民の思いが、ひしひしと伝わってきた。

 この日、大阪・神戸のベッドタウンでもある三田市を中心に回った梶原候補。21日は豊岡市や養父市などがある但馬を回った後、午後には丹波市にとんぼ返りして街頭に立った。

 6市3町からなる兵庫5区の東端は大阪府と接する猪名川町、西端は鳥取県と接する新温泉町。直線距離で約120キロ、面積は大阪府の約1.7倍にあたる約3305平方キロと県内で最も広い。文化や風土、産業基盤も異なる選挙区内を、3人の候補者は12日間にわたって駆け回る。

 「まずは、この広い選挙区内をまんべんなく回ることが必要なんです」。梶原候補の挑戦を受ける自民前職の谷公一候補は、真っ黒に日焼けした顔で力説した。

 公示翌日の19日早朝に三田市のJR三田駅前で演説した後、選挙カー内でマイクを握りながら但馬へ。途中、収穫時期を控えて緑一色になった水田や集落の路地を走り抜けた。台風9号の影響による豪雨被害を受けた朝来市では、「防災の谷です。安心・安全のまちづくりにがんばります」とアピールした。

 選挙カーから流れる声を交差点近くで聴いていた自営業男性(42)は「今度の災害で地方の防災のもろさが出た。次の政権は、この実態を深刻に受け止めてほしいね」と話した。

 日暮れが近づいたころ、朝来市山東町の矢名瀬(やなせ)商店街で夏祭りの準備が進んでいた。そこに飛び込んだ谷候補と、がっちり握手した男性がいた。約60年前に先代の父親から布団店を継いだ中島武さん(87)だった。

 「商店街はさびれる一方。町を出た若者が戻ってくるためには、何とか景気を回復してもらわななあ。そしたら、街にも活気が戻るやろう」。中島さんは、谷候補の背中を見ながらつぶやいた。

 5区で唯一の女性候補、幸福実現新顔の丸岡真澄候補も広い選挙区内のあちこちで街頭に立ち、政策を訴える。21日には、夏休みの観光客らでにぎわう豊岡市の城崎温泉で演説。JR城崎温泉駅前で約20分間にわたってマイクを握り、消費税の撤廃などを訴えていた。(伊藤周、大島良太)

■立候補しているみなさん

 (届け出順。氏名は原則として日常使用名。年齢は投票日現在の満年齢。)

谷公一  (57)自民 前 〈元〉国交政務官

丸岡真澄 (51)諸派 新 幸福実現党員

梶原康弘 (52)民主 元 党県副代表

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