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〈投票の5つのポイント 09総選挙:1〉農業どうする?

2009年8月22日

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 私たちの住む小選挙区の各候補者は、もし当選したら、さまざまな問題にどのように取り組んでくれるのだろう。地域の農業をどう活性化させるか、景気や雇用、医療、政治とカネの問題にはどう対応するのか。各候補者に、投票の参考になりそうな五つの質問をした。回答を5回に分けて紹介する。

 農家人口の減少や高齢化、耕作放棄地の増加――。日本の農業が抱える課題に、県内農家も直面している。

 05年の県内の農家人口は20万6100人。30万人を超えていた95年から急減した。これに対し、農業を主な生活の糧とする基幹的農業従事者のうち、65歳以上の高齢者が占める割合は73%と、高齢化は進む一方だ。

 「国の施策の多くは、広い農地がある北陸地方だとうまくいくかもしれない。だけど、県によって転作率も農地の整備状況も全然違う」と、ある農協関係者。棚田の面積が全国2番目に多い県内では、大規模で効率的な経営をしたくても、そもそも困難な環境にあると説明する。

 県内の総農家数は全国10位(05年)と少なくないが、農業産出額の順位は26位(07年)にまで後退する。県内の販売農家1戸あたり(個別経営)の総所得474万9千円のうち、農業による所得は平均95万6千円しかない。

 岡山は他県に比べて米生産の割合が低く、ピオーネやトマトなどの園芸作物生産が多いのが特徴だという。米よりも収益性が高いにもかかわらず、農業所得は伸び悩んでいる。

 「もうからない農業」が後継者不足を呼び、その結果、耕作放棄地が年々増加する悪循環が止まらない。耕作放棄地は、全国15位の1万517ヘクタールに上る。

 今回の総選挙で各党は、生産調整(減反)の維持と価格下落時の措置、農畜産物の販売価格と生産費との差額を補う戸別所得補償制度など、独自案を掲げ、ともに食糧自給率の向上を打ち出す。農業の立て直しが急務だ。

●質問

 減反による生産調整や戸別所得補償制度など、米をめぐる議論が続いています。米農家を取り巻く現状とその対策について、どう考えますか。農業全体の活性化策についてはどう考えますか。(回答は原則として原文のままです)

◆1区(届け出順)=敬称略

◇減反政策見直す 安原園枝 諸新

 減反政策を見直し補助金をなくせば、耕作放棄地を手放す動きが出る。規模を拡大したい農家へのチャンスが増え有効利用ができる。生産性、生産量が向上し自給率が上がる。競争力のある農家が生き残るし、日本の米の品質の良さからして、海外への輸出も増やせると考える。

◇国産の消費拡大 高井崇志 民新

 まさに崩壊の危機に直面していると考えている。最大の問題は満足な所得が得られないということである。農業者戸別所得補償制度の導入と食料自給率目標の設定を行うべきである。農業従事者が安心して農業に従事でき、国産農作物の消費拡大を実現することで問題解決を図っていく。

◇米の消費拡大を 逢沢一郎 自前

 日本農業のベースは水田農業だ。米粉の活用を含めて米の消費拡大に全力を尽くす。さらに水田をフルに活用して麦、大豆などの生産を増やす政策を強力にすすめる。地産地消、農商工連携などを推進。農産物の輸出1兆円を目指して日本農業を輸出産業に成長させる。

◇価格保障を実施 東毅 共新

 大規模経営農家ですら続けるのが困難に。自公政権による、価格保障制度の廃止、規模の大小による支援する農家の選別、農産物輸入を拡大する関税引き下げの容認などが問題。農業経営を安定して持続できる価格保障・所得補償の実施、WTO農業協定見直し。後継者確保の就業援助。

◆2区(届け出順)=敬称略

◇平均経費を補償 熊代昭彦 無元

 FTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)を各国と結ぶことは今後必至。農林水産物の自由化に耐え、安全な食品の地産地消、食糧安全保障を確立するため、農林水産業の平均的生産費を補償する。株式会社参入も認め、そこでノウハウを身につけた後継者による活性化を図る。

◇戸別所得を補償 津村啓介 民前

 現行の補助金制度では、直接農家に入るお金は極めて少ない。農村地域は整備されたかもしれないが、農家が生活できなくなっており、戸別所得補償制度で販売農家に直接お金が渡ることが重要だ。生産・加工・流通まで一体的に担う6次産業化し、主要穀物等では完全自給を目指す。

◇二毛作、奨励する 萩原誠司 自前

 農家への応援策として、二毛作奨励など生産量を増やす政策、農作物価格の値崩れを防ぎ農業経営を守る買い取り政策、主食用の米よりははるかに安い「米粉用」や「飼料米」での出荷の奨励策、肥料高騰に対する補填(ほてん)策といった政策を考えている。

◇価格、市場原理に 赤松和隆 国新

 農業不振の原因も官僚独裁制度に大部分が由来。特に米農業を産業化させ得ない点が現在まで未解決の構造的欠陥。主業農家を担い手と位置付け、生産効率と価格は市場原理に委ねるべき。田畑持ち給与所得者というのが実態の兼業農家への対策は農協制度の問題で根本的検討が必要。

◇参入の自由化を 戸板道広 諸新

 米農家の問題点は買い取り価格が安いため、採算がとれないことにある。その保護のために補償が行われている。減反政策に高齢化が進み、食料自給率も低いのが現状と考える。規模を拡大し、効率的な農業に変える必要がある。規制を緩和し、自由に農業に参入できるようにすべきだ。

◆3区(届け出順)=敬称略

◇兼業農家、大切に 西村啓聡 民新

 大多数が兼業農家なのに、国の支援は大規模農家に対してのみ行われていることが問題だ。日本の農業を支えている兼業農家が、継続して農業に携われる仕組みを作ることが大切だ。食糧難を迎える時期が来る時に、米農家を輸出産業と位置づけ、米を輸出する仕組みを作るべきだ。

◇農業参入、自由に 池田恭一郎 諸新

 農業に個人や株式会社が自由に参入できるようにするとともに、若手農家の起業を支援し、農業に企業家精神を取り入れるべきである。農地も自由に売買や賃貸ができるようにすべきである。これらにより農業を効率化・大規模化し、先進的技術で国際競争力を高めていくべきである。

◇米の消費増推進 阿部俊子 自前

 米の消費拡大として、米粉の利用や飼料用米により、減反以外の生産調整にもつながる取り組みを推進する。農家への「直接支払制度(農面積保証)」について検討し、生活が成り立つ農業、若者にとって魅力的な農業づくりをすすめ、担い手不足を解消し、岡山の農地を守る。

◇直接支払制度を 平沼赳夫 無前

 工業偏重により、わが国の食糧自給率は39%となり減反による水田の荒廃も進んでいる。外国からの食糧輸入が困難となる21世紀、食糧の自給率を高め、減反もやめることが必要。農業への直接支払制度の導入を考え、不当な米価の値下がりを防止する。山林、漁業の復活に努力する。

◆4区(届け出順)=敬称略

◇自給率アップを 橋本岳 自前

 高齢化や主食の変化に伴う消費量の減少が顕著。減反政策にも限界が見える。自給率アップ、内外価格差の是正、消費拡大が当面の課題。様々な前提で将来予測を行い、漸進的な転換策を議論すべき。ただし、生産者と消費者のバランスを考えた共栄政策が必要。

◇若者、ひきつける 小岩井実由香 諸新

 補助金自体は悪くはないが、補助金漬けになると、たいていの場合、衰退し、魅力がなくなり、若い人が寄りつかない。若者を惹(ひ)きつけるため、株式会社のような組織を立ち上げたり、農村部の青年たちに、起業家になってもらう。農業に雇用を創出し、食料増産の未来を開いていく。

◇減反は選択制に 柚木道義 民前

 米を生産しても大部分は採算が取れない上、政府の減反政策で生産量を減らさねばならない現状にある。販売収入が家族労働報酬を含めた生産費を下回った場合は、所得を補償する戸別所得補償制度を導入すべき。減反は農家の選択に委ね、減反した場合は転作導入交付金を交付すべき。

◆5区(届け出順)=敬称略

◇米消費拡大に力 加藤勝信 自前

 米の消費量が年々減少する中、米価は下落傾向にあり、米農家を取り巻く環境は一層厳しさを増している。米飯給食、米粉パンなど消費の拡大や米の輸出促進に努めるとともに、直接支払制度の充実などにより、米農家の経営の安定と所得の増加を図る必要がある。

◇法人の参入促す 佐藤雅章 諸新

 農業への自由な参入を認め、法人の積極的参入を促し、若手農家を支援し、智恵ある農業として大規模化、効率化、先進的技術で国際競争力を高める。若手の雇用拡大をはじめ農村の活性対策の目玉としていく。また、自給率を50%から70%を目指して、食料増産の道を開く。

◇岡山産を世界へ 花咲宏基 民新

 丹精込めてお米を作っても赤字で生活ができない状況を、戸別所得補償制度で、農家の皆さんの生活を守りたい。日本の農業の発展は、質の高い日本の農産物をより多く世界の皆さんに購入して頂くことにかかっている。私は、日本、岡山の農産物を世界に売る役割を果たしたい。

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