現在位置:
  1. 2009総選挙
  2. 地方ニュース
  3. 広島
  4. 記事

〈選択 広島 09総選挙〉激戦区ルポ・7区 「王国」巡り3度目対決

2009年8月22日

印刷印刷用画面を開く

 衆参13回の当選を重ねた元首相の故宮沢喜一氏が地盤にした福山市を区域にする広島7区。その「宮沢王国」を継いだ自民前職の宮沢洋一氏と民主前職の和田隆志氏が3度目となる事実上の一騎打ちを演じている。全国的には民主の優勢が伝えられるなか、宮沢氏が過去2回、勝利を収めた両氏の対決は一層ヒートアップしている。(吉田博行)

 「喜一先生以来、我々は誇りを持って支援してきた。自民党は負けるかもしれないが、福山から『宮沢の火』を消してはいけない」

●「ブランド」訴え

 18日夜、市西部の松永地区の農協で開かれた個人演説会で、マイクを握った宮沢氏の後援会長は集まった支持者に力強く呼びかけた。ほかの県議ら応援弁士も元首相の名前を次々に挙げ、内閣府副大臣として国政に携わるおいの洋一氏への支持を訴えた。

 喜一氏は1953年の参院選初当選から00年衆院選で比例区に転出するまで半世紀近くにわたって当選を果たした。00年に地盤を引き継いだ洋一氏は順調に当選を重ね、前回05年の衆院選では、小泉元首相が巻き起こした「郵政民営化」の風に乗り、前々回の03年より約3万票多い約12万票を得て3選を果たした。だが、敗北した和田氏も、ほぼ同数の票を伸ばして約10万票を獲得するなど互角の戦いぶりを見せた。

 今回は一転して、自民党に強い逆風が吹きつける。「これまでにない厳しい戦い」と危機感を募らせる陣営は今回、自民という「看板」よりも、高齢層を中心に高い知名度を誇る元首相から続く「宮沢ブランド」を有権者に訴え、保守層の支持固めに力を入れる。

 投票日前日の29日まで毎晩多い日で5カ所、計約40カ所で個人演説会を予定し、かつてない規模の選挙戦を繰り広げる構えだ。

●狙いは「亀井票」

 和田陣営は「王国」打倒を目指して支持拡大に必死だ。

 19日に市中心部の結婚式場で開いた個人演説会で、支持母体の連合広島福山地域協議会の石井一清議長は「この7区に民主党への風は吹いていない。小選挙区の戦いは地域特有のしがらみがあり、ちょっとした風が吹いたぐらいで、その構造は変わるとは思えない」と声を張り上げた。

 陣営関係者は「風があって、ようやく互角に戦えているのが現状。自民党が長年培ってきた地盤の底力はあなどれない」と警戒を強める。

 支持を広げようと、陣営は保守層の切り崩しも狙う。

 郵政民営化が争点となった前回の衆院選で自民を離党し、今回は民主と連携する国民新の亀井静香代表代行が立候補する広島6区と7区は、中選挙区制だった93年まで同じ選挙区だった。小選挙区制の導入で分かれた後も7区には亀井氏の後援者が残り、前回の衆院選で、国民新は2万票余りの比例票を獲得した。

 18日夜に同市新市町の公会堂であった国民新の新市支部の出陣式。地元支持者らを前に亀井氏と和田氏が握手を交わし、連携ぶりをアピールした。同市曙町など2カ所であった和田氏の出陣式にも、国民新福山支部の幹部が駆けつけ、「ともに頑張りましょう」と呼びかけた。

 陣営が目指すのは「亀井票」の獲得。会場にいた支援者は「三度目の正直だ」と力を込めた。

 幸福実現の植松満雄氏は選挙カーで市内を回り、主に街頭で運動を展開。「ばらまきの政策で国民の歓心を買うような政治はしない」と訴え、消費税廃止などを掲げるビラを配って支持を呼びかけている。

【7区の候補者】(届け出順)

植松満雄 50 諸新 幸福の科学職員

宮沢洋一 59 自前 内閣府副大臣

和田隆志 46 民前 党県副代表

検索フォーム