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〈09総選挙 やまなし〉平成の大合併で市町村議員半減 自民の風景に変化

2009年8月23日

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 平成の大合併で、市町村の数とともに半減した県内の地方議員。国政選挙のたびに、最前線で集票活動に取り組んできた「実動部隊」が細ったことで、総選挙の風景にも変化の兆しが見られる。(吉田晋、床並浩一、上田真仁)

 「もう、人の先に立つのは結構だ」

 6町村が合併して03年にできた南アルプス市。元村議会議員の男性は、合併直後の特例で市議会議員を1年半務めた後、市議選への立候補を見送り議員バッジをはずした。今回の総選挙、「やる気はない」と言い切る。

 自分の選挙のことも頭の隅にあればこそ、走り回った。「地域の皆にやっかいになって議員生活を送ってこられたのに、このうえまたお願いに回るのも……」。70歳も目前だし、と淡々と語る。

 バッジをつけている人でないと、投票を呼びかけても下まで浸透しない、と地元の元村長も言う。「かつては議員16人だったのが、今は旧村地盤の市議は3人だけ。動くといっても限界がある」

 8町村が合併してできた北杜市でも、合併前には村の議長まで務めた男性が、総選挙の公示後も野菜作りに専念していた。

 現役時代、国政選挙ともなれば、支持する候補のために近所を回って100人もの名簿を集めたものだが、今回は静観を決め込む。「十分やった。もうたくさんだ」

 合併特例債というアメと、地方交付税削減というムチとで、全国的に進んだ市町村合併。県内でも、03年の南部町と南アルプス市を皮切りに、4年間で自治体の数が64から28へと激減した。行政改革のかけ声の下、合併を伴わない議員定数削減も手伝って、市町村議員の数は10年前の1032人から昨年の484人へと半数以下になった=グラフ。

 市町村議員のうち「保守系無所属」を名乗る人は多いが、今までのところその大半は、事実上の自民党支持層。県議会議員から国会議員へつながる系列に沿って、国政選挙では自民党候補のために、自身の支持者や後援会を動員する。そのピラミッド構造が自民党の集票を支えてきた。

 ところが合併で、「働き蜂がいなくなってしまった」(自民党県連関係者)。

 中には、「狭い集落で話題といえば選挙のことぐらい、という土地柄。バッジをはずしても影響力は残っている」(富士河口湖町の元村議)と、選挙運動に積極的に関与する元議員もいる。総選挙の当事者から「地域の支援者の盛り上がりによって、議員が減っても軽微な影響とみなしている」(自民党候補の陣営幹部)とする声も聞かれる。

 だが、同党県連の前島茂松会長代行は、マイナスを率直に認める。「引退議員の多くは、もう選挙にかかわりたくないと言う。平成大合併は、今回の選挙で、我々にとって大きなハンディになった」。だからこそ党支部の立て直しに務めてきた、というのが県連の説明だ。

●民主・共産は「影響なし」

 所属議員が半減したのは共産党も同じ。約40人が10年で半数になった。しかし、「影響はない」(千葉信男・党県委員長)と自信をのぞかせる。「党員3人以上でつくる支部が各地にあって、組織は健在。議員の個人後援会を積み上げてできている自民党とは、成り立ちが違う」

 民主党は、もともと系列の市町村議員がほとんどいなかった。政権交代をうかがう国会の勢力に比べ、地方議会での存在感の薄さが課題視されてきたが、その分、議員減少によるダメージは小さくて済んだ。「自民党が動きをつくりづらくなった分、むしろ有利かなと思われる」(金丸直道県議=南アルプス市)と余裕さえのぞかせている。

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