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〈投票の5つのポイント 09総選挙:2〉医療どうする?

2009年8月23日

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 県内でも医師不足は大きな問題だ。特に県北地域では深刻さを増している。医師不足の背景の一つには、04年度からの臨床研修必修化で研修先を選べるようになり、都市部の病院に研修医が集中するようになったことがある。その一方、患者側の大病院志向の高まりもあって、病院勤務医の負担は大きくなっている。

 新見市では救急告示病院が07年1月、医師不足のため救急を休止した。その後、市内で救急患者が出ると、症状に応じて真庭市や県南の病院へ搬送する状態が続いた。

 このため、県医療対策協議会の働きかけで08年6月から1年間、医師派遣が実施され、同年12月には新見中央病院で救急患者の受け入れが再開した。「救急病院の有無で市民の安心感は全然違う」と新見市の担当課。

 だが、派遣期間が終わった後の医師集めは同病院のつてが頼りで、安定・継続的な医師確保は大きな課題だ。

 市立井原市民病院は内科の常勤医が3人。日々の診療や当直は岡山大病院から8人前後の応援を受けて回している。だが、産科は医師の退職に伴って06年8月に休止。市は「元々、市外でお産をする人が多い」というが、市内に出産できる医療機関はなく、緊急時の不安は残る。

 一方、派遣する側も状況は厳しい。中四国など四十数カ所に医師を派遣している岡山大病院の産科婦人科は「こちらも余裕はないが、派遣をやめると地域の医療がつぶれてしまう」と話す。

●質問

 地域医療の崩壊が指摘されています。その原因はどこにあり、どのような施策をとるべきだと考えますか。(回答は原則として原文のままです)

◆1区(届け出順)=敬称略

◇経営に専門家を 安原園枝 諸新

 病院の赤字経営の原因は、医師の経営能力にある。病院全体に、経営的視点からの改革が必要。公立病院に民間経営の考え方を導入し、赤字病院を黒字化することで医師・看護師を増やし、患者のニーズに合ったサービスを提供できる。トップに経営の専門家が就任できるよう法改正。

◇育成や環境整備 高井崇志 民新

 自公政権の行った社会保障費削減方針や三位一体改革により、必要な経費が削減された事が大きな問題である。必要な収入を確保できるべく診療報酬の増額を行う(患者の自己負担は増えないよう実施する)。また、必要な人材を供給できるべく医師や看護師の育成や環境整備に努める。

◇待遇改善が必要 逢沢一郎 自前

 社会保障関係費を毎年2200億円削減する政策が結果的に医療現場に打撃を与えた。反省の上その政策を転換した。財源を確保して診療報酬をプラス改定する。病院勤務医師の待遇改善が必要だ。二次医療圏ごとに医師や看護師をしっかり確保して高レベルの地域医療を実現する。

◇医師らの増員を 東毅 共新

 原因は国の政策(「不採算部門」を口実にした産科・小児科・救急医療などの切り捨て、総務省の「公立病院改革ガイドライン」による自治体病院の閉鎖や病床削減)だ。医師・看護師の計画的増員。診療報酬を改革し、安全・安心で質の高い医療が受けられる医療提供体制を確立する。

◆2区(届け出順)=敬称略

◇財政支援進める 熊代昭彦 無元

 医療は社会保障とともに福祉の両輪である。一定の受益者負担と、医療分野での競争原理は必要だが、人の命を守るという視点から、高度医療機器等への投資環境の整備と財政支援を積極的に進める。なかでも地域医療を守るために地域病院経営が成り立つよう制度を見直す。

◇就業環境を改善 津村啓介 民前

 医療提供体制の整備が必要である。医師養成の質と数を拡充するため大学医学部定員を1.5倍にし、地域医療計画を抜本的に見直し、現役医師の活用を進め、勤務医が働き続けられるよう就業環境を改善する。医療従事者の職能拡大や定員増と共に、総医療費対GDP比を引き上げる。

◇病院の集約化を 萩原誠司 自前

 新臨床研修制度の導入、大学医局の影響力の低下、といったことによる地方での医師不足、科目の偏在、「勤務医」から「開業医」へのシフト、訴訟リスクの高まり、といったことが、崩壊の根本原因。病院の集約化・機能分担、病院の経営主体の変更・統合などに取り組む。

◇公立病院の充実 赤松和隆 国新

 官制町村合併問題が遠因。加えて医療訴訟が頻発する事態。病院の消費税負担問題などの複合要因による。公立病院の充実と医療訴訟の制限、消費税非課税化または原則通りの消費者負担の徹底等が必要。ただし、過剰な医療保障制度に立脚した病院の経営体質にも大いに問題あり。

◇優秀な経営者を 戸板道広 諸新

 新医師臨床研修制度と大学病院による引き揚げによって地域の医師不足が起こっている。医師増員も大切だが、優秀な経営者が少ないのも原因である。本院で十分な利益が確保できれば、地域医療にも積極的に取り組める。そのためには医師でなくとも経営ができるようにするべきだ。

◆3区(届け出順)=敬称略

◇診療報酬を増額 西村啓聡 民新

 相次ぐ診療報酬マイナス改定が地域医療の崩壊に拍車をかけた。まず、地域医療を守る医療機関については患者の自己負担は増やさず、その診療報酬を増額する。各種医療機関の連携、各種医療従事者の職能拡大と増員を図り、日本中で均一の安心安全な医療提供体制を充実させる。

◇経営の効率化を 池田恭一郎 諸新

 医師や看護師の不足の原因は公立病院の赤字経営である。黒字経営の民間病院の経営手法を取り入れたり、大企業から経営指導を受けたりして経営効率化すべきである。過疎地域については海外でも活用されているドクターヘリを積極的に導入することも考えるべきである。

◇偏在を解消する 阿部俊子 自前

 医師・看護師不足の原因は診療科や地域の偏在にある。地域の疾病率をもとに必要医師数・看護師数を算出し、偏在を解消する。安易な救急受診や救急車の利用を抑制する。県北など医療機関へのアクセスが困難な地域には「移動診療バス」を導入し、医療へのアクセスを確保する。

◇医師増で安心を 平沼赳夫 無前

 小泉改革で予算が毎年2200億円削減されてしまった。このため地域の医療に大きな影響が出た。後期高齢者医療もお年寄りを直撃している。こうしたことを改め、医師不足解消のため医師の増員を図り、安全で安心の質の高い医療が地域で受けられるよう財源確保をしっかり行う。

◆4区(届け出順)=敬称略

◇十分な医療費を 橋本岳 自前

 原因は医療費削減の行き過ぎと利用者側の要求の高度化である。まず利用者に医療の現状理解を求めることが第一。その上で、十分な医療費を確保し、医師、看護師をはじめ、コメディカルスタッフの数を増やすことが必須。

◇多様な医療提供 小岩井実由香 諸新

 公立病院の問題は赤字経営で適正に医師を雇えない。赤字病院に民間病院や企業の経営手法を取り入れ黒字化し、医師の数を増やし、患者のニーズに合ったサービスを提供する。大企業に病院経営を引き受けてもらい、低料金病院や深夜営業病院など、多様な医療サービスを実現する。

◇医学部定員増を 柚木道義 民前

 医師不足、研修医の偏在、診療報酬のマイナス改定による医師、医療機関の疲弊などが原因。大学医学部定員を1.5倍にし、総医療費対GDP比をOECD平均に引き上げる(日本8%、OECD9%)。卒後研修も偏在を解消するよう地域医療研修などにインセンティブを与える。

◆5区(届け出順)=敬称略

◇研修制度見直し 加藤勝信 自前

 医師数の絶対的不足に加え、臨床研修制度の導入などに伴い医師の偏在が顕在化した。医学部定員の拡大や臨床研修制度見直しによる偏在の是正を図るとともに、ドクターヘリの夜間運航など救急医療の充実やITを活用した遠隔地医療の導入により地域医療の充実を図る必要がある。

◇病院の安定経営 佐藤雅章 諸新

 経営のプロが病院を経営出来るようにして、公立病院を黒字化する。医師でなくても経営手腕の高い人が、病院の経営に就けるようにする。病院は常に安定した経営の基に立ち、患者の受け入れ体制は、「いつでも受け入れる」という患者のニーズに即応した医療サービスを提供する。

◇医療の連携強化 花咲宏基 民新

 日本の医療崩壊の主たる原因は、ここ十数年の医療費削減及び医師数の抑制を続けた政府の政策にある。医師数を、先進国並みの医師3人/1千人に増やし、看護師などの医療従事者も増員する。また、地域の医師不足を解消するため、地域の医療機関の連携強化等に取り組む。

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