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〈09総選挙@ふくしま マニフェストの現場から:5〉子育て 母親ケア、子ども館人気

2009年8月24日

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◇少子化対策、経済支援が必須

 朝9時過ぎ、郡山市中心部。小さな子を抱っこしたママたちがある部屋を目指す。

 靴を脱ぎ、「子育てサロン」と書かれた入り口を抜ければ、小学校の教室より二回り大きい部屋にすべり台、ブロックといったおもちゃがずらり。ハイハイする子、おしゃべりを楽しむ人……。思い思いのひとときを過ごす。サロンは瞬く間に、約70人の母子でいっぱいになった。

 市役所に隣接する「ニコニコこども館」。地上6階地下1階の建物に無料のプレールームや絵本図書館、ワンコイン500円の一時保育室などを備え、市外の利用者も絶えない子育て支援の殿堂だ。これまで別々だった保健、福祉、教育行政の機能を1カ所に集中させた子育て支援施設は全国でも珍しいという。

 人気ぶりは数字が示す。4月のオープンから3カ月で、利用者は10万人超。一日平均千人の親子が訪れる計算だ。「予想の3、4倍です」と職員も利用者の多さに驚く。

 郡山市内の主婦(24)も週1回は、1歳2カ月になった長男を連れ、ここに足を運ぶ。「いい気分転換になるんです。友達もいるし、ここなら広くて、子どもに『ダメ』って言わないでいい」

 神奈川で結婚。昨春、出産を機に郡山に戻ってきた。料理人の夫(39)も一緒の予定だったが、仕事が見つからず、神奈川にとどまった。今、家族はバラバラだ。

 夫は休日になると郡山に妻子に会いに来る。その合間を縫って郡山のハローワークへ。だが、腕が生かせる働き口はなかなかない。やっと見つけた求人は、月給15万円ほど。神奈川より10万円近く安かった。「寂しいです」。主婦は目をふせた。

    ◇   ◇

 県内の08年の合計特殊出生率(1人の女性が生む子どもの数)は1.52で東北トップ。ただ、人口維持に必要な2.07には遠く及ばず、少子化は進む。

 そんな中、こども館が力を入れるのが母親のケアだ。サロンに常時3人以上いる保育士は、子どもはもちろん、母親の表情にも目を配る。

 市こども課の小林久美子係長は「転勤族が多い郡山は、親やご近所に育児を頼れない状況がある。ここに来ればホッとできる、そんな母親の居場所づくりを目指します」と言う。育児に疲れ駆け込む母親も多い。こども館の人気の裏には「母親の疲れや不安」が見え隠れする。

    ◇   ◇

 主婦の長男は最近、よちよち歩きを始めた。遠方の夫は、我が子の成長を携帯のテレビ電話で見守る。そんな日々もそろそろ限界。夫のもとに戻ってアルバイトして家計を支えよう。子どもは保育園に預けるしかない――。

 そう考えていたら、総選挙のマニフェストに「子ども手当」があるのが目にとまった。子育ての経済的負担が減れば、郡山で夫が仕事を探す時間ができる。「やっぱり夫と一緒に、郡山で暮らしたい」。一票に一家の未来を託してみようと思っている。(斎藤健一郎)

 <子育て支援> 各党がマニフェストの目玉の一つとして幼児教育無償化やこども手当創設、公立高校無償化など、経済援助策を次々と掲げる。各施策の可否はもちろん、明確に財源を提示できるのか、実行力の有無に関心が集まる。仕事と家庭の両立支援も重要課題に挙がる。

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