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〈09総選挙〉小泉元首相、埼玉11区入り 郵政の風景、様変わり

2009年8月24日

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 投開票日まで1週間となった23日、小泉純一郎元首相が埼玉11区に入った。前回、郵政民営化法案に反対し、自民党を離れた無所属で元職の小泉龍司氏と、「刺客」として擁立された自民前職の新井悦二氏が再び、激突している。郵政解散から4年。郵政選挙の象徴でもあった11区はどう変わったのか――。(上田雅文)

 「郵政民営化に反対した人に、無駄をなくすことなんてできるわけがない」

 小泉元首相は新井氏の応援演説で訪れた本庄市民文化会館で語った。ホールの1200席は埋まり、立ち見を含む約1800人(陣営発表)が聴き入った。

 4年前の総選挙で、投開票日前日の9月10日、小泉元首相はJR深谷駅前にいた。刺客として差し向けた新井氏の応援のためだ。テコ入れが奏功してか、新井氏は深谷市で約6千票、本庄市で約2千票、11区全体で約5千票の差をつけ初当選した。

 それだけに「勇退したとはいえ、パワーは健在。小泉チルドレンとして改革を継承していく力にしたい」(陣営)と元首相の力に期待する。

 新井氏は、この日、国会議員の削減に加え「天下り、『埋蔵金』と言われる特別会計のむだ遣いを徹底的に直す」などと、壇上から訴えた。しかし、郵政民営化について、話すことはなかった。

 一方、小泉龍司氏は前回、郵政民営化法案に反対、自民党公認を受けられなかった。復党することなく、今回も無所属での立候補だ。4年前「小泉元首相にバッジを奪われた」。この日、新井氏の地元、深谷市の街頭でマイクを握り、元首相の本庄入りに触れ、「私の衆院バッジを持ってきてくれたそうです」と語った。

 公示日、「郵政民営化は利益や効率を優先するばかり」と話した小泉氏。この日も「4年前の、郵政民営化が是か非かを問う選挙から、今日の苦しい日本の現状が始まった。4年前の夏と違う風景になった」と、力を込めた。

◆郵便局長らは非自民応援

 8月初旬、深谷市内で、郵政民営化に反対する郵便局長ら約80人が小泉龍司氏のビラを各戸に配って歩いた。これまでにまいたビラ約3万枚。

 郵政民営化で選挙運動がしやすくなった。ある局長は言う。「これまでは家族に頼むのも後ろめたかった」

 民営化の見直しには与野党逆転が絶対条件と、郵便局長やOBらでつくる政治団体「郵政政策研究会」(本部・東京都)は、県内15小選挙区では小泉氏を「最重要候補」と位置づけ、「郵政事業の抜本的見直し」を掲げる民主党14候補を推薦した。

 07年10月の民営化で、郵政事業は、窓口業務の「郵便局会社」、配達など物流を手がける「郵便事業会社」、「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命保険」に分社化された。4社を含む日本郵政グループの収益源は、ゆうちょとかんぽの金融2社。県内の郵便局の多くは、この2社から受け取る委託手数料で成り立っているという。

 しかし、金融2社の株式は10年度にも上場される予定で、17年9月末までに完全民営化される見通しだ。そうなったとき、「郵便局は窓口業務を請け負えなくなるのではないか」と、県内のある郵便局長(56)は心配する。「上場されるまでが勝負。政権交代してもらい、ぜひ民営化凍結法案を可決してもらいたい」

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