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〈09総選挙 やまなし〉建設業界、乱れる足並み 自民3候補を一律推薦

2009年8月26日

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 総選挙の投開票が30日に迫るなか、県内の建設業界の足並みがそろわない。国の歳出削減で公共事業が減らされ、倒産や廃業が相次いでいることに加えて、前回まで全面的に支援してきた自民党に代わって、民主党が政権を奪う可能性も高まっているためだ。政権政党へ歩み寄りたい思いと、さらなる公共事業の削減を打ち出している民主党への警戒心で、業界は揺れている。

 「(県建設業協会の推薦に)強制力はない。形式的なものだ」。大月市内で建設会社を営む60代の男性は、県内3選挙区の自民候補を一律に推薦することに決めた県建設業協会の判断について、こう述べた。男性は協会を無視する形で、別の候補者を支援する。

 協会は4日の常任理事会で自民の3候補を推薦すると決定し、会員各社に通知した。だが、自主投票を求める会員がいることも踏まえ、従業員の動員や個票(後援会の入会カード)集めに高いノルマを課していない。自民候補に投票するように従業員に求めている富士吉田市の建設会社幹部は「業界に集票マシンとなって動き回る力はない。協会の指示も強くない」。郡内地域の協会幹部も「一本化というわけにいかない。個人の考えがあるから」と話す。

 「県内最大の地場産業」といわれる建設業界。選挙戦になれば、陣営に集票を求められ、公共事業の受注に期待する業界も、従業員の動員などで応えてきた。甲府市の建設会社幹部は「昔は業界団体幹部から『お前のところは個票が少ない』といわれ、競い合うように集めた。仕事が減らされるからだ」と振り返る。

 この幹部は、バブル崩壊後に始まる建設需要の低迷と小泉政権での公共事業費削減、さらに自治体で一般競争入札の導入が進み、指名競争入札のような「パイの分け合い」が難しくなったと語る。

 県によると、県内の公共投資額は00年度の3604億円をピークに減少。景気対策で関連予算が膨らんだ08年度でさえ、00年度比35%減の2356億円(速報値)に落ち込んだ。小さなパイを奪い合う構図で業者の廃業や倒産が相次ぎ、04年度に4200を超えていた県内の建設業許可業者は、07年度を境に4千を割り込んだ。従業員数も減少し、5人以上の事業所を対象に調べた08年の従業員数(平均月間推計常用労働者数)は前年比で9%も減った。

 業界が本腰を入れないもう一つの理由が、政権交代が現実味を帯びていることだ。

 自民候補を支援する甲府市の建設大手幹部は「もうこの流れは止められない」と指摘。「すでに選挙後のことを考えている。動員はかつての100分の1で、しこりは残らない」と話す。

 だが、民主党が大型直轄事業の全面見直しで1.3兆円を削減し、ガソリン税など自動車関連税の暫定税率廃止で2.5兆円を減税すると公約に盛り込み、業界は「地方の工事がなくなる」(協会関係者)と不安を隠さない。

 峡南地域の建設大手は「民主の候補は『公共事業がなくなるなんてうそだ』という。でも党は寄り合い所帯で、予算を削減するという人もいる。どちらに向かうか、予想できない」(幹部)と話す。

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