「信頼回復と再生のための委員会」
再生プラン、年内にまとめます
委員長・飯田真也(朝日新聞社上席執行役員)

 朝日新聞社は危機的状況にあります。創刊以来、最悪の事態といっていいかもしれません。「信頼回復と再生のための委員会」は、もう一度信頼される新聞へと生まれ変わり、言論機関としての社会的責務を果たしていくために必要な行動指針となる再生プランをつくります。年内には取り組むべき課題とその方向性をまとめたいと考えています。

 読者のみなさまや、さまざまな立場の方のご意見に耳を澄ましながら、社員が一体となって再生プランを練り上げて参ります。ただし、内向きの議論に陥ってはなりません。4人の社外委員のみなさまには、プランをつくる過程で厳しいご指摘とご提言を頂きたいと思います。

 今回、慰安婦報道、原発事故にかかわる「吉田調書」報道、池上彰氏連載の掲載見合わせという三つの問題が起きました。吉田調書報道については、当社の第三者機関「報道と人権委員会」が、それ以外の二つについては「第三者委員会」がそれぞれ検証作業を進めています。当委員会は、この三つに共通する朝日新聞社の構造的な問題を分析し、今回の事態を招いた原因を探ります。そのため、編集部門のチェック体制などの問題だけではなく、会社全体の意思決定や危機管理のあり方にも議論を広げます。また、企業体質や社員の意識などが三つの問題の背景にあった可能性があります。この関係を考えるうえで、社外委員のみなさまのこれまでのご経験を議論に生かして頂きたいと思っています。

 委員会がまとめた再生プランを朝日新聞社は誠実に実行し、進捗(しんちょく)状況を継続的に点検して参ります。

(朝日新聞 2014年10月19日 朝刊11ページ 東京本社)


「信頼回復と再生のための委員会」


 江川紹子さん ジャーナリスト
 えがわ・しょうこ 1958年生まれ。神奈川新聞記者を経てフリー。坂本堤弁護士一家事件を機にオウム真理教問題に取り組む。著書に「勇気ってなんだろう」など。「検察の在り方検討会議」委員を務めた。

 

    国広正さん 弁護士
 くにひろ・ただし 1955年生まれ。企業の危機管理とコーポレートガバナンスが専門。山一証券社内調査委員会委員を務めた。日本弁護士連合会の「第三者委員会ガイドライン」を作成。消費者庁法令顧問も務める。

 

 志賀俊之さん 日産自動車副会長
 しが・としゆき 1953年生まれ。ルノーとの資本提携交渉の実務責任者として尽力。「日産リバイバルプラン」や、その後の中期経営計画の実行責任者として成果をあげた。最高執行責任者(COO)を経て現職。

 

   古市憲寿さん 社会学者
 ふるいち・のりとし 1985年生まれ。東大大学院博士課程在学。若者の生態を描き出した著書「絶望の国の幸福な若者たち」などで注目される。日本学術振興会「育志賞」受賞。最新刊は「だから日本はズレている」。