手塚治虫文化賞

第15回新生賞

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戦いの興奮と命への問い

「鋼の錬金術師」荒川弘さん(スクウェア・エニックス)

 9年がかりで受賞作「ハガレン」を昨年完結させた。2000年代指折りの大ヒットマンガは、じつは連載デビュー作。「マニアックな題材なので、これだけ続いてびっくりです」

©荒川弘/スクウェア・エニックス

 錬金術師を主人公に、派手な戦闘でわくわくさせる。少年マンガの魅力満載だが、その根底に「生命」をめぐる問いを置いた。

 死んだ母を錬金術で呼び戻そうとして、兄エドは右腕と左足が義肢になり、弟アルは肉体を失って空の鎧(よろい)に魂だけを宿す。肉体を取り戻すべく旅をするなか、人々の命を糧に全能の神になろうとする野望と戦う。

 デビュー前、北海道の実家で酪農を手伝っていた。「クローン牛が早死にすると話題になっていて、人間がやってはいけないことがあるのではと感じていた」

 原体験から、人間は自然に生かされている、と強く感じるという。4月からの新連載「銀の匙(さじ)」では、自らも通っていた農業高校が舞台だ。


《あらかわ・ひろむ》

荒川弘さん自画像

 1973年、北海道生まれ。「鋼の錬金術師」を01〜10年に「月刊少年ガンガン」(スクウェア・エニックス)で連載。