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朝日新聞社: 好きな作家が特別授業!オーサービジット2015

 

「だいすき」描いて自分探し
絵本作家・宮西達也さん@広島市立似島小


絵本作家・宮西達也さん

 広島港からフェリーで約20分。瀬戸内海に浮かぶ緑豊かな似島にやって来た絵本作家・宮西達也さんは、似島小の子どもたち34人と向かい合うと、「心にたまったうれしさ、悲しさ、感動をヒントに本を作っています」と自著を手に自己紹介。恐竜が主人公の『おまえうまそうだな』や、猫とねずみの掛け合いが笑いを誘う『にゃーご』など、コミカルに、時にしんみりと、宮西さんは感情を込めて読み聞かせをした。先生たちも"声優"に加わり登場人物のセリフを熱演し、授業は笑い声とともに始まった。

 子どもたちが挑戦するのは、絵本作りだ。タイトルは「ぼく(わたし)のだいすきなもの」。3枚の画用紙を二つ折りにして本に仕立て、一つの見開きに一つずつ「だいすきなもの」を描き、オチに「一番だいすきなもの」を披露する。使うのは鉛筆と2色の色鉛筆。消しゴムは禁止だ。

 授業のねらいは絵を上手に描くことではなく、自分自身と向き合うことだ。「どんなところが、どうして好きなのか、気持ちを書いてね」と宮西さん。「好きな物かぁ」と考え込む上級生をしり目に、ぐんぐん描き進むのは1年生だ。赤と緑を塗り重ね、田中煌(きら)くん(1年)が描いたのは「にじいろのかみ」。心の中にあるのだという。「さすがだなぁ」と宮西さんもうなった。真剣な表情で画用紙に向かっていた南森大鳳(なんもりたいほう)くん(5年)は、赤と青のユニホームを着てボールを蹴る自分の姿に、「同点の時のサッカーの試合 気持ちが熱くなって最高だ」と書き添えた。


授業風景

 ラーメン、虫とり、家族。みんなの「だいすき」が詰まった出来たての絵本のうち、希望者の数冊を宮西さんが読み上げた。童話が好きな女子の一番大好きな物は、ピンクも鮮やか「高級お肉」。ゲームが好きという男子は、「似島の自然」が一番大好き。本から友だちの意外な一面が読みとれる。「みんなで見せっこして、お互いを知るきっかけにしてね」。宮西さんが、にっこりした。

(ライター・岡沢香寿美 写真家・御堂義乗)


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★ 授業を終えて ★

 ◆ 橋川阿呼くん(6年)
 「好きな物を考えたら、自分のことを知らなかったことに気付かされました」

 ◆ 田中ひかりさん(4年)
 「宮西さんが絵本を読むと、他のどの人が読むよりも感情が伝わってきた」


 ◆ 宮西さん
 「他人との摩擦を恐れるあまり、自分を消してしまう子が増えたように感じます。もっと自分自身を知って、これが僕だよ!と、胸を張って生きてほしい」


 【広島市立似島小】
 広島市、全校34人、永瀬哲治校長。市の「オープンスクール」実施校で、児童の多くは島外から通学。授業の担当は三田彩加先生(昨年9月開催)。

 

★ 宮西達也さんの本 ★

おまえうまそうだな

『おまえうまそうだな』        
[出版社] ポプラ社
[価 格] 1,296円

にゃーご

『にゃーご』
[出版社] 鈴木出版
[価 格] 1,296円


まねしんぼう

『まねしんぼう』     
[出版社] 岩崎書店
[価 格] 1,080円

シニガミさん2

『シニガミさん2』
[出版社] えほんの杜
[価 格] 1,028円


サカサかぞくのだんなしぶいぶしなんだ

『サカサかぞくの
だんなしぶいぶしなんだ』

[出版社] ほるぷ出版
[価 格] 1,404円

 

 

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宮西達也 (絵本作家)

宮西達也 (絵本作家)


みやにし・たつや 1956年静岡県生まれ。『きょうはなんてうんがいいんだろう』(鈴木出版)で講談社出版文化賞絵本賞、『ふしぎなキャンディーやさん』(金の星社)で日本絵本賞読者賞。『シニガミさん』(えほんの杜)、『ニンジャさるとびすすけ』(ほるぷ出版)など著書多数。『おまえうまそうだな』(ポプラ社)は劇場アニメ化された。「宮西達也ワンダーランド展」が全国巡回中。

 

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