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朝日新聞社: 好きな作家が特別授業!オーサービジット2016

 

ゾロリみたい、へこたれない人生を
児童書作家・原ゆたかさん@広島県立尾道東高


児童書作家・原ゆたかさん

 30年間 60巻にわたり「かいけつゾロリ」を描き続けてきた児童書作家・原ゆたかさん。幼いころに夢中で読んだ思い出をかかえて集まった生徒たちに、「もうすぐ大人になるみんなが、覚えていてくれてうれしい」とにっこりする。

 ゾロリの冒険の旅は試練続き。恋は破れるし、お城を手に入れる夢もなかなかかなわない。でも、ゾロリはへこたれない。「社会に出ると、うまくいくことのほうが少ない。失敗しても次、行ってみよう!と前に進んでほしい」と、原さんはゾロリさながらの、自身の半生を語った。

 芸大を目指して浪人中に家出をし、野宿したこと。「誰にも頼れない一人旅のおかげで強くなれた」と原さん。その後、絵を描きためて出版社に持ち込んだが、最初はなかなか売れず「下宿の畳に耳をくっつけて」仕事の電話を待ったことも。

 そんな原さんの授業は「ネタ作り」。生徒たちも「お話を作る難しさ」を味わうことになった。原さんは崖から今にも落ちそうなゾロリの絵を配り「助ける方法を考えて」。鉛筆を走らせる生徒たちの手元を、原さんは楽しそうにのぞき込む。「下にトランポリンをおく」や、「巨人の手がキャッチ」などの案に「突拍子もない結末を考えついたら、リアリティーを出すため、事前に布石を打って物語を組み立てるのが作者の仕事」と原さん。

 次はキャラクター作りだ。顔のパーツが描かれた表から、輪郭、目、鼻、口などを選び、組み合わせて「変な顔」を作る。生徒は互いの絵を見て笑顔に。

 「子どもの頃、夢中になったものが、今の自分の仕事につながっている。苦しいこともあるけれど、好きな仕事だからがんばれているよ」と原さん。「大人になるまでに、みんなも楽しいことを探してね」

(ライター・岡沢香寿美 写真家・白谷達也)


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★ 授業を終えて ★

 ◆ 柏原佳乃さん (3年)
 「家出のお話が面白かったです。真面目そうな印象の原さんが、意外と不真面目で、ゾロリみたいでした」

 ◆ 村上裕輝さん (3年)
 「原さんの曲折ありの生き方に感銘を受けました。これからは、失敗しても成功するまで粘りたいです」


 ◆ 原さん
 「好きなことを見つけたらそれを育て、あなた独自の個性的なプロをめざしてほしいです」


 【広島県立尾道東高】
 広島県尾道市、全校585人、倉田雄司校長。1~3年の図書委員31人が授業を受けた。担当は鳥居芳子先生(昨年12月開催)。

 

★ 原ゆたかさんの本 ★

かいけつゾロリの王子さまになるほうほう

『かいけつゾロリの
 王子さまになるほうほう』

[出版社] ポプラ社
[価 格] 972円

プカプカチョコレー島 こおりの国のにんじゃ

『プカプカチョコレー島
 こおりの国のにんじゃ』

[出版社] あかね書房
[価 格] 1,080円

トイレのかめさま

『トイレのかめさま』
[著 者] 戸田和代作
[出版社] ポプラ社
[価 格] 1,080円

ぼくはおばけのかていきょうし きょうふのじゅぎょうさんかん

『ぼくはおばけのかていきょうし
 きょうふのじゅぎょうさんかん』

[著 者] さとうまきこ作
[出版社] あかね書房
[価 格] 1,188円

にんじゃざむらいガムチョコバナナ スカイとりいのまき

『にんじゃざむらいガムチョコバナナ
 スカイとりいのまき』

[著 者] 原京子と共著
[出版社] 角川書店
[価 格] 972円

 

 

原ゆたかさん (児童書作家・画家)

原ゆたかさん (児童書作家・画家)


はら・ゆたか 1953年熊本県生まれ。物語や絵、装丁やカバーイラストまで手がける「かいけつゾロリ」シリーズ(ポプラ社)は58巻(2016年5月現在)で累計3500万部超の人気シリーズ。年2回のペースで発刊されるたびにベストセラーに。テレビアニメ化、劇場映画化もされている。17年に30周年を迎え、記念展覧会などイベントも企画されている。「本のにがてな子にもページをめくる楽しさを知ってもらいたい」と考えて、さまざまな工夫をこらして作品を作っている。

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