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朝日新聞社: 好きな作家が特別授業!オーサービジット2016

 

根っこには平和を願う心
絵本作家・長谷川義史さん@長野市立安茂里小


絵本作家・長谷川義史さん

 「知ーってーるねん!」。絵本作家・長谷川義史さんのユーモラスな大阪弁が体育館に響くや、児童たちの笑顔がはじけた。読み聞かせ最初の一冊、『しってるねん』で、長谷川さんは、たちまち子どもたちの心をつかまえた。

 授業は2部構成。低学年の部では、歌って楽しむ絵本も手掛ける長谷川さんが、ウクレレの弾き語りを披露。誕生日を迎えた児童をお祝いした。会場の大きな手拍子に乗せて「いくつになったの?」と女の子に歌いかけると、「9歳」と合いの手が入り、「若(わっか)いねー!」長谷川さんが思わず叫び、大爆笑に。

 高学年の部では、冒頭、児童たちが野沢菜、リンゴなど地元の名物を盛り込んだ「信州うまいもんのうた」を合唱し、長谷川さんを驚かせた。長谷川さんの絵本『大阪うまいもんのうた』をお手本に、みんなで歌詞を考えたという。「自分の住んでいるところに好きなものがたくさんあるって、とても大事なこと」と長谷川さん。

 「小さいころから好きだったお絵描きを、一生懸命続けて絵本作家になりました」と、今度は筆を手にした長谷川さん。模造紙に向かうと、さらりと丸二つを描いて線でつなぎ「これ何でしょう?」。「メガネ!」「車?」と児童が答える間にも筆は進み、なんと布団に入った親子の姿に!

 「面倒くさがりの親子の話です」と、語りながら描く「ライブ紙芝居」の始まり始まり! 演目は落語「無精猫」だ。えんま大王や、鼻の先だけ白い黒猫など、次々描かれる愛敬たっぷりの絵に、会場は大盛り上がりだ。

 大いに笑った授業。その最後に、男の子が先祖に会いに行く『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』、『へいわってすてきだね』の2冊を選んだ長谷川さんは、読み聞かせに添えて思いを語った。「どこの国の人も遠い昔からずっと命がつながってきた、とんでもない奇跡のおかげで、今生きている。平和な世の中であってほしい。みんなが笑って、好きなことを一生懸命できるように」

(ライター・岡沢香寿美 写真家・御堂義乗)


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★ 授業を終えて ★

 ◆ 柳原佳伊(かい)くん(5年)
 長谷川さんは絵を描く仕事なのに、音楽もできてすごいと思った。僕も大好きな野球をがんばりたいです」

 ◆ 松永果鈴(かりん)さん(6年)
 「長谷川さんの楽しい絵本で笑えるのも、平和のおかげなんだと気付きました」


 ◆ 長谷川さん
 「面白い本と考えさせられる本は両極端でなく、"根っこ"は一緒です。
  平和でなければ笑うことはできない。絵本から感じとってくれたらうれしいです」


 【長野市立安茂里小】
 長野市、全校300人、和田敦校長。1~3年、4~6年に分けて全児童が授業を受けた。担当は妹尾弘子先生、篠原久美先生(昨年10月開催)。

 

★ 長谷川義史さんの本 ★

しってるねん

『しってるねん』
[著 者] いちかわけいこ文
[出版社] アリス館
[価 格] 1,404円

大阪うまいもんのうた

『大阪うまいもんのうた』
[出版社] 佼成出版社
[価 格] 1,404円

おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん

『おじいちゃんのおじいちゃんの
 おじいちゃんのおじいちゃん』

[出版社] BL出版
[価 格] 1,512円

へいわってすてきだね

『へいわってすてきだね』
[著 者] 安里有生詩(著)
     長谷川義史(イラスト)
[出版社] ブロンズ新社
[価 格] 1,512円

いいからいいから

『いいからいいから』  
[出版社] 絵本館
[価 格] 1,296円

 

 

長谷川義史(絵本作家)

長谷川義史(絵本作家)


はせがわ・よしふみ 1961年大阪府生まれ。ユーモラスな作風で人気を集める。『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』(BL出版)で絵本デビュー。『ぼくがラーメンたべてるとき』(日本絵本賞など。教育画劇)、『おたまさんのおかいさん』(講談社出版文化賞絵本賞。解放出版社)など著書多数。沖縄の小学生が書いた詩を絵本にした『へいわってすてきだね』(ブロンズ新社)が話題を呼んだ。全国各地で絵本LIVEを開催。

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