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朝日新聞社: 好きな作家が特別授業!オーサービジット2014

 

「力合わせて巨大迷路」
 絵本作家・香川元太郎さん@さつま町立求名小(鹿児島)


 「今日はみんなで迷路を作ろう!」。迷路絵本で人気の香川元太郎さんはこう呼びかけ、全員に白い布と絵の具を配った。それぞれの布には入り口と出口の印がつけられ、その間に自由に迷路を描く。最後に全員の作品をつなぎ、巨大な迷路にするのだ。

 隠し絵がふんだんに盛り込まれているのが香川さんの迷路の特徴。「求名小の迷路に隠れてたらいいな、って何かな?」の問いかけに、地元名産の「梅」や「タケノコ」、「教室の金魚!」と元気な声が飛ぶ。

 鉛筆の下書きからスタート! 大胆に線を引く子もいれば描いては消してを繰り返す子も。「分かれ道はたくさんあったほうが迷いやすいよ」「最初は全部通れる道を描いて、そこに障害物や行き止まりを作る。ヘビが待ち構えていたり大きな石を置いたり、ね」。香川さんは一人ひとりにコツを伝授していく。

 「あ!」と小さな声が上がる。「迷路と迷路の間がイルカっぽい形になってる」。期せずして隠し絵ができたようだ。

 次は色塗り。慣れないせいか、なかなかはかどらない。刻々と時は過ぎ、「はい終了」という香川さんの掛け声に、「あと少しだったのに」と悔しがる子どもたち。未完成ながら、香川さんの迷路を含む計20枚がドッキングした「求名小迷路」が誕生すると、「おー!」と歓声が上がった。

 「迷路をたどってみよう」。ハート、犬、学校の周りにいる昆虫ナナフシなどの隠し絵を横目に見つつ香川さんは棒で道を進む。「これはどっちかな……お、行けた」「この道は難しいぞ。だまされた!」。そしてゴール。体育館には大きな拍手が響き渡った。

 「1枚1枚に光る個性がつながってステキな作品になった。絶対完成させてね」と笑顔を贈った香川さん。後日、求名小迷路は色塗りもすべて完成し学校内に飾られた。

(ライター・中津海麻子 写真家・首藤幹夫)

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★ 授業を終えて ★

 ◆ 満尾怜華(れいか)さん(5年)
 「『こんな迷路書くんだ』と、友だちの意外な一面が見えておもしろかった」

 ◆  磯部洸希(こうき)さん(6年)
 「下書きは何度も書き直しました。迷路って難しい。香川さんの苦労がわかりました」


 ◆ 香川さん
 ワープしたり、不思議な隠し絵だったり、僕には書けないようなアイデアに驚き、楽しい時間でした。迷路は発想の転換が必要。これからもオリジナル迷路に挑戦してね」


 【さつま町立求名小】
 鹿児島県さつま町、全校55人、冨安一郎校長。授業を受けたのは5、6年生19人。担当は田中智代先生。

 


★ 香川元太郎さんの本 ★

時の迷路

『時の迷路』               
[出版社] PHP研究所
[価 格] 1,404円

動物の迷路

『動物の迷路』
[出版社] PHP研究所
[価 格] 1,404円


かずの冒険〈地底編〉

『かずの冒険〈地底編〉』         
[出版社] 小学館
[価 格] 1,512円

物語の迷路

『物語の迷路』
[出版社] PHP研究所
[価 格] 1,404円


昆虫の迷路

『昆虫の迷路』         
[出版社] PHP研究所
[価 格] 1,404円

 

 

香川元太郎 (絵本作家・イラストレーター)

香川元太郎 (絵本作家・イラストレーター)


かがわ・げんたろう 1959年生まれ。
迷路と歴史考証イラストの専門家。
『文明の迷路』『時の迷路』(PHP研究所)などの迷路シリーズは親子に人気で、スマートフォンなどのアプリにもなっている。

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