どくしょ応援団

本を読もう。何を読もう? 迷ったら「どくしょ応援団」へ。親子で、ひとりで、夢中になれる本との出会いがここに!

オーサー・ビジット

オーサー・ビジット校外編

◆人生の大事な種に 森絵都さん・金原瑞人さん@東京・三省堂書店

 大好きな作家を囲んで読書会をする「中高生のための読書講座 オーサー・ビジット校外編」(主催・朝日新聞社、出版文化産業振興財団)が、始まりました。第1回は、『カラフル』『DIVE!!』などで人気の森絵都さんと、翻訳家で法政大教授の金原瑞人さんを迎え、公募の中高生37人が語り合いました。


森絵都さんと金原瑞人さんが七つの班を順に回ると、次々と質問が飛び出した

 本の街、東京・神田神保町。三省堂書店内のカフェに土曜の午後、中学生25人、高校生12人が集まった。

 まず7班に分かれて読書会。森さんの作品の好きな一節、印象に残った表現を抜き出す「宿題」を、一人ひとり発表していく。初対面同士、少し緊張気味だが、吟味して選んだお気に入りの文章を披露するとあって、みんなちょっぴりうれしそう。

 中学生の主人公が「人間をやってるのにも人間づきあいにも疲れてしまって」と植物をうらやむ、センセーショナルな書き出しの作品『つきのふね』。この部分を選んだ一人が「悲しいけれど共感できた」と話すと、隣の女子生徒は「私は植物になりたいなんて思ったことがなかった。なのに不思議と引きつけられた」。感じ方は違うが、同じ一冊を選んだふたり、思わず笑顔で顔を見合わせた。


 後半は、質問コーナー。「中学生を描いた作品が多いのはなぜ」の問いに、森さんは「中学生は感情が加工されてなくて、とんがっている。そのむき出しの感情がおもしろくて、つい中学生を描きたくなる」。金原さんが「設定はどうやって考えるの」と聞くと、「『カラフル』は突然アイデアが浮かんだ。15分間ぐらいで最後まで考えました」。会場からは「えー!」と驚きの声が上がった。

 「でもね」と森さん。「基本的には、ひどく効率が悪いタイプ。わからないことが一つあると先に進めない。すごーく苦しみながら書いています」

 ドキッとするような質問も出た。「ちょっとエッチな場面を書くときはどんな気持ち?」。森さんは「読む人にも同じ気持ちになってもらいたいので、結構挑戦的な気持ちで書いています」と、ちゃめっけたっぷり。

 「森さんの作品は『こうだから、こうだから、こうした』というように、理由を重ねた上で行動を描く表現が多くて好きです」という感想には、「意識してなかったな」と驚いた様子。「いろいろな受け止め方をしてくれていて新鮮でした」と話し、こんなメッセージを送った。

 「私もそうですが、10代に読んだ本はきっと忘れない。生きていく上で大事な種になると思います。今日、学年も男子も女子も関係なく語り合ってくれたように、一冊の本の前ではみんな平等。それぞれの感性で読書を楽しんでください」

 (文・中津海麻子 写真・御堂義乗)

稲岡真依さん(高3)

「周囲に本好きの友だちがいないので大好きな森さんの作品について語り合えたのが楽しかった」

奥田達也さん(中2)

「『DIVE!!』が好きです。森さん自身が飛び込みを体験して書いた、という話がとても印象に残りました」

小林実可子さん(中3)

「才能で書いていると思っていたので、すごく苦労しているというお話が意外でした。私も小説を書くので、参考になることがたくさんありました」

森絵都さんの著書紹介
『カラフル』
出版社:
文藝春秋
価格:
¥530(税込)
この商品を購入するヘルプ
Amazon.co.jp

『つきのふね』
出版社:
角川書店
価格:
¥460(税込)
この商品を購入するヘルプ
Amazon.co.jp

『宇宙のみなしご』
出版社:
理論社
価格:
¥630(税込)
この商品を購入するヘルプ
Amazon.co.jp

『DIVE!!(上)』
出版社:
角川書店
価格:
¥580(税込)
この商品を購入するヘルプ
Amazon.co.jp

『DIVE!!(下)』
出版社:
角川書店
価格:
¥580(税込)
この商品を購入するヘルプ
Amazon.co.jp

金原瑞人さんの著書紹介
『みじかい眠りにつく前に』
編集:
金原瑞人
出版社:
ジャイブ
価格:
¥620(税込)
この商品を購入するヘルプ
Amazon.co.jp

『翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった』
出版社:
ポプラ社
価格:
¥567(税込)
この商品を購入するヘルプ
Amazon.co.jp