どくしょ応援団

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オーサー・ビジット

オーサー・ビジット校外編

◆ユーモアと謎の世界へ はやみねかおるさん@京都

はやみねかおるさん(中央)

 「中高生のための読書講座 オーサー・ビジット校外編」(主催・朝日新聞社、出版文化産業振興財団、大垣書店)の第7回が、「怪盗クイーン」「都会(まち)のトム&ソーヤ」シリーズなどで人気の作家・はやみねかおるさんを迎え、京都市のイオンモールKYOTO Kotoホールで開催されました。参加者80人は11の班に分かれ、はやみね作品の魅力について語り合いました。

 読書会に先立ち、刊行直前の『名探偵vs.怪人幻影師』のコピーを読んでくることが宿題だった。「教授」と呼ばれる名探偵・夢水清志郎が活躍する人気作品の新シリーズ。女子高生が集まった班では、お気に入りのフレーズの披露が始まった。

 「私が好きなのは『探偵は、ただ単に事件を解決する仕事。名探偵は、みんなが幸せになるように事件を解決する仕事だよ』っていう教授のセリフ」。トップバッターがこう切り出すと、「私も」「わぁ、かぶった!」と歓声が上がる。初対面同士で直前まではほとんど会話がなかった女の子たちの間に、たちまち火がついた。

 別の女子が選んだのは、小6の主人公・伊緒の「女の子でも、名探偵になれるかな?」の問い掛けに、教授が「あきらめなければだいじょうぶ。ぜったいになれるよ」と答えるくだり。「進路について悩んでたけど、この言葉に勇気をもらえた」という告白にみんなうなずく。作品を通し、同世代だからこその共感が生まれたようだ。

 休憩をはさんだ後半、はやみねさんはこんな問題を出した。

 「1年を365日としたとき、30人のクラスで同じ誕生日の人が1組でもいる割合は、(1)10%以下(2)10〜30%(3)30%以上のうち、どれだと思う?」

 三つの選択肢にほぼ同数の手が挙がった。「正解は(3)。計算すると、なんと71%ぐらいの確率になるようやね」とはやみねさんが発表すると、「ホンマに?」と驚きの声がもれる。はやみねさんは、この問題のカラクリについて「自分と同じ誕生日の人がいるか、つまり365分の30と考えるから、確率は低いと思ってしまいがち。でも、自分以外の人同士の組み合わせも含まれるから実際の確率は高くなる」と解説。そして「こうした『人の思い込み』を利用するのが、トリック。さらに、思い込みを使って正しいことを正しくないように見せ、正常な判断を狂わせる。それが推理小説や手品で『ミスディレクション』と呼ばれる手法なんです」と語ると、ミステリー好きの中高生からは「なるほど!」とばかりに大きな拍手が起こった。

 終盤は次々と質問が飛び出した。「小説が書けなくなることは?」の問いには「暖かくなると大好きな魚が釣れるので、海に呼ばれて書けません」と答えて笑いを取ったり、トレードマークのほおに張ったばんそうこうの意味を聞かれると「トップシークレット」と煙に巻いたり。中高生たちは、ユーモアと謎に満ちた「はやみねワールド」を心から満喫していた。

 (文・中津海麻子 写真・御堂義乗)

瀧川大輔くん(中1)

 同じ作品が好きな者同士、ワイワイ盛り上がれました。はやみねさんが回ってきたとき『君、シャイやなぁ』って肩をたたいてくれたのが、一生の思い出です

原直也くん(中2)

 ほおのばんそうこうは何か封印してる? と疑問に感じながら、作品同様おもしろくて親しみやすい作家さんだと感激しました

辻本真奈実さん(高2)

 好きな本が同じというだけで、初対面の人にも自分の意見が素直に言えるんですね。驚きでした

はやみねかおるさんの著書紹介
『名探偵夢水清志郎の事件簿1 名探偵VS.怪人幻影師』
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『帰天城の謎 〜TRICK 青春版〜』
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