どくしょ応援団

本を読もう。何を読もう? 迷ったら「どくしょ応援団」へ。親子で、ひとりで、夢中になれる本との出会いがここに!

オーサー・ビジット

オーサー・ビジット校外編

◆古本には物語がある 三上延さん@TKPガーデンシティ仙台

参加者の質問に答える三上さん

 本の舞台は、北鎌倉に店を構える「ビブリア古書堂」。極度の人見知りだが、本の話になると人が変わったようにいきいきと語り出す美しき店主、栞子(しおりこ)さんが、古書の豊富な知識と鋭い洞察力で、古書にまつわる「事件」の謎を解いていく物語だ。

 女子中学生が集まった班では初対面同士、緊張した面持ち。1人が思い切って口を開いた。

 「古本って少し苦手だったけど、この作品の最初に書いてある『人の手を渡った古い本には、中身だけではなく本そのものにも物語がある』という一文を読んで、新刊とは違う魅力があるのかなって」

 その言葉に全員がうなずき、「量販系の古書店には行ったことがあるけど、ビブリアみたいに昔からある古本屋さんって見たこともないんだ」「私も! 行ってみたいよね」とたちまち会話に花が咲き始めた。本のことだとおしゃべりになる栞子さんの姿が、中学生たちに重なる。




 読書会の終盤、三上さんから課題が出された。「みんなにとって理想の本屋とは? 相談して、その本屋の間取り図を描いてみて」

 突然のお題に戸惑う参加者。しかし、うれしいサプライズが。三上さん自らが描いたビブリア古書堂の間取り図が見本として配られたのだ。「うわぁ」「案外広い!」。会場が色めき立つ。

 「店の中央にあるエレベーターを降りると全面が本棚になっていて、360度本に囲まれたら幸せだよね」「新刊も古書も、静かに試し読みができる個室があるといいな」。高校生の班では次々とアイデアが飛び出し、あっという間に思い描く理想の本屋が1枚の間取り図の中に息づき始めた。

 ほかにも、本棚の背面が掲示板になっていてコメントを自由に貼れたり、店内にネコがいたり……。各班の名案・珍案に、「こんな書店があったら絶対に行くなぁ」と三上さんはx瞻「曚)を紅潮させた。/p>

 憧れの作家に何でも質問できるのも、この会のだいご味。「栞子さんとアルバイトの大輔の恋の行方は?」といった気になる核心をつく問いや、小説執筆に挑む参加者からは創作のアドバイスを求める声も。そして「10代で読むべき本は?」という質問に、三上さんは「いい本、おもしろい本は人それぞれ。自分がおもしろいと感じるなら、漫画でも何でもいい」とし、こんな言葉を贈った。

 「10代の自分にとって魅力的と思える本に、ほかの誰でもない、自分自身の感性でめぐり合って」

 (ライター・中津海麻子 写真家・御堂義乗)

遠藤晴加さん(高1)

「同じ作品を読んできたのに、好きな部分や気になる部分がみんな違っていて新鮮。もう一回読み返してみようかな」

滝村志朗さん(大2)

「好きな本、作家さんが同じせいか、初対面なのにすごく盛り上がりました」

三上延さんの著書紹介
『ビブリア古書堂の事件手帖〜栞子さんと奇妙な客人たち』
出版社:
メディアワークス文庫
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『ビブリア古書堂の事件手帖2〜栞子さんと謎めく日常』
出版社:
メディアワークス文庫
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『ビブリア古書堂の事件手帖3〜栞子さんと消えない絆』
出版社:
メディアワークス文庫
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メディアワークス文庫『ビブリア古書堂の事件手帖』のオフィシャルWebサイト>>

 三上延 みかみ・えん 1971年神奈川県生まれ。大学卒業後は中古レコード店や古書店で数年間アルバイト勤務。2002年に作家デビュー。古書にまつわる謎を解いていく『ビブリア古書堂の事件手帖』がベストセラーに。ホラーからファンタジーまで、幅広い作風で縦横に活躍中。ほかに『ダーク・バイオレッツ』シリーズ(電撃文庫)など。