どくしょ応援団

本を読もう。何を読もう? 迷ったら「どくしょ応援団」へ。親子で、ひとりで、夢中になれる本との出会いがここに!

オーサー・ビジット

オーサー・ビジット校外編

◆登場人物 生む楽しみ 小路幸也さん オーサー・ビジット校外編

質問に答える小路幸也さん

 10代のための読書会「オーサー・ビジット校外編」(朝日新聞社、出版文化産業振興財団主催)の第16回が、作家の小路幸也さんを迎えて、東京・神田神保町の三省堂書店で開かれました。小5〜大1の32人が、小路さんの人気シリーズ「東京バンドワゴン」を読んで読書会に臨みました。

 東京下町の老舗古書店「東京バンドワゴン」。同名の小説シリーズは、この店を舞台に、頑固で人情に厚い店主の堀田勘一ら4世代の大家族と、ゆかりの人々の騒動を描くホームドラマだ。

 勘一の息子、我南人(がなと)は伝説のロックンローラー。フラリと出かけてはいつ帰ってくるかもわからない風来坊だが、家族や周りの人にトラブルがあると素知らぬ顔で問題解決のために動き、最後はこの決めゼリフで一件落着、となる。

 「LOVEだねぇ」

 女子がそろった班では「LOVE談議」が繰り広げられていた。 「LOVEってどんなイメージ?」「恋愛、かな」「ピンクのハートって感じ」と恋が気になるお年頃ならではのトーク。だが、家族愛や仲間愛を描くこの作品に触れ「LOVE」のとらえ方がちょっぴり変わったようだ。「『愛』って言葉は少し照れくさいけど、『LOVE』なら家族や友達にも気軽に言えそうな気がする」

 読書会中盤、小路さん自らマイクを握り、こんな課題を出した。


 「『東京バンドワゴン』の新しい登場人物を考えてみて」  ある班では我南人の娘・藍子の夫で、イギリス人画家のマードックがらみのキャラクターにすることに。「マードックさんの作品の大ファンで、追っかけする外国人とかは?」「関西弁がペラペラで!」「名前が難しくて『分かりにくい名前つけやがって』と勘一からキレられたりして」。楽しい想像と妄想は止まらない。

 各班とも人物像が出そろい、発表に臨んだ。多かったのが、我南人の孫で、参加者と同年代の高校生・花陽(かよ)の「クラスメート」や「彼氏候補」。ほかにも斬新なキャラが誕生し、小路さんも「花陽の彼氏はどうしようか悩んでて。参考になるなぁ」「オネエの登場人物? アリだね!」とノリノリ。そして「みんなのアイデアから生まれたキャラは新作に登場させます」の思わぬサプライズ発言に、会場からは「えーっ、マジで!?」と大きな歓声が上がった。

 最後は質問コーナー。女子高生からの「結婚してよかったですか?」という唐突な問いに、「うーん、してもしなくてもどちらでも……」。しどろもどろな様子に笑いが起きる中、「結婚だって何だって、作家は想像力さえあれば書くことができる。ただ」と小路さんは続けた。

 「経験することで描ける世界が広がる。経験は最大の教師。みんなも勉強はもちろん大事だけど、友達と遊んだり恋したり、色んな場所で色んな人と触れ合ったり。何でも経験したほうがいいよ」

 (ライター・中津海麻子 写真家・御堂義乗)

◆読書会を終えて

岡志大(ゆきひろ)さん(中2)

「本物の作家のオーラに圧倒されました。小路さん、マジでカッコいい!」

中山七海さん(大1)

「本好きの班のみんなとは、初対面なのに驚くほど濃厚な話ができました」

小路幸也さんの著書紹介
「東京バンドワゴン」シリーズ
出版社:
集英社
価格:
¥580〜1,575(税込)

『東京公園』
出版社:
新潮文庫
価格:
各¥515(税込)

『蜂蜜秘密』
出版社:
文芸春秋
価格:
¥1,575(税込)

『花咲小路一丁目の刑事』
出版社:
ポプラ社
価格:
¥1,680(税込)

『旅者の歌 始まりの地』
出版社:
幻冬舎
価格:
¥1,365(税込)