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読むぞ! ホップ ステップ ジャンプ

佐藤優

読書上手からコツ学ぶ 佐藤優

 読書をする習慣がついているか、いないかで人生は大きく異なってきます。人間ひとりひとりの能力は限られています。何か難しい問題がでてきたときに、自分の経験だけではよい答えが見つけられないことがよくあります。そういうときに読書をきちんとしている人は、本から得た知識を使うことができます。

 学校の教科書や学習塾の参考書や問題集を読むことは、読書のほんの一部分に過ぎません。人生に役立つような読書をするためにはコツがあります。それは、読書が上手な人から、どういう本をどういうふうに読んだらいいか、勉強することです。

 山口昌男先生は、読書のしかたがとても上手です。山口先生は『学問の春 〈知と遊び〉の10講義』(平凡社新書)で、遊びの重要性についてこう言っています。「日本の文化は規制が強すぎて、ああしちゃいけない、こうしちゃいけないと言いすぎる嫌いがある。ということで、遊びをゆとりと考えてもいいし、端っこに出てくる自由な部分と考えてもいい」。学校の勉強に関係する本だけでなく、冒険小説や動物の話など、いろいろな本を読むことがたいせつです。

 勝間和代さんは読書を生活に活(い)かすことがとても上手な人です。『読書進化論』(小学館101新書)で勝間さんは、「私は、〈本は他者の人生の疑似体験〉だと思っています。平安時代の人の人生を疑似体験することなど、本以外ではできません。それが、『源氏物語』を読むと、できてしまうわけです。ですから、私たちは歴史物も、偉人伝も、とてもよく読みます。室町時代、戦国時代、明治時代も、疑似体験できるからです」と述べていますが、その通りです。読書を通じ、歴史について知ることもとてもたいせつです。

 ただし、読書には危険もあります。19世紀に活躍したドイツの哲学者ショウペンハウエルは『読書について 他二篇(へん)』(岩波文庫)で次の警告をしています。「読書は、他人にものを考えてもらうことである。(中略)だから読書の際には、ものを考える苦労はほとんどない。自分で思索する仕事をやめて読書に移る時、ほっとした気持(きもち)になるのも、そのためである。だが読書にいそしむかぎり、実は我々の頭は他人の思想の運動場にすぎない」

 この警告はとても重要です。本を読みながら「自分だったらどう思い、どういう行動をとるだろう」と頭の中でよく考えることが必要です。

 (作家・元外務省主任分析官)

『学問の春 〈知と遊び〉の講義』
著者:
山口昌男
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平凡社新書
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『読書進化論』
著者:
勝間和代
出版社:
小学館101新書
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『読書について 他二篇』
著者:
ショウペンハウエル
出版社:
岩波文庫
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