どくしょ応援団

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十代、こんな本に出会った

『4TEEN』 俳優・岡田将生さん

岡田将生さん

他の誰かを知って浸って

 「本を読んでるとモテるらしい」って、友だちが言ったんですよ。そうなんだ!と思って、中学校の図書館で見つけたのが『4TEEN(フォーティーン)』(石田衣良著、新潮文庫)。まさに僕が14歳の時でした。

 主人公は中学2年の男子4人組。家庭が荒れていたり、難病を患っていたり、それぞれ事情を抱えている。自転車で行動する場面が印象的で、ワクワクしながら読んだら、偶然にも僕らのクラスで、春休みだったか、富士急ハイランド(山梨)へ行く計画が持ち上がり「自転車で行こう」という話になったんです。

 でも最終的に集まったのは、僕を含めて3人でした。東京の御茶ノ水駅に集合して、地図を片手に「国道を走り続ければ何とかなるよ」なんて、青春だったなあ。片道13時間くらい、かかった気がする。高速道路の入り口であわてて引き返したり、おこづかいをはたいて予約した宿では「自転車で来たの!」って驚かれたり。

 これをきっかけに、『池袋ウエストゲートパーク』シリーズ(同、文春文庫ほか)とか、小説を読むようになったんです。でも、中学3年でバスケットボール部を引退した途端に、何もする気がなくなっちゃって……。本もさっぱり読まなくなりました。考えてみると、僕の読書量は、気分にリンクしているかな。前向きな時はたくさん読む。そうじゃないと読まない。

高1のころ(事務所提供)

 スカウトされて事務所に入って、仕事を始めたのが、高1の終わりくらい。親は芸能界入りに猛反対だったし、僕自身、本当にやりたいことなのか分からないまま始めたんですよ。だけど、映画だったり、ドラマだったり、他の誰かになっているうち、いつのまにか親や自分との葛藤を乗り越えたというか、前向きになっていた。

 しばらく離れていた本も再び読むようになって、それでふと思ったんですが、僕の仕事と読書は、似ているところがあるのかも。別の人の価値観や世界観を知ったり、そこに浸ったりできるところが。

 10代って繊細で、友だち関係や将来への不安が、いろいろありますよね。そういう時は本を読んで、他の誰かの目になり、自分を見つめ直すと、いいかもしれません。

 (聞き手・安里麻理子 写真・吉永考宏)

◆おすすめは

 心の弱さが、人としての強さになると教えてくれたのが、今回主演した映画の原作本『アントキノイノチ』(さだまさし著、幻冬舎文庫・630円)。級友への殺意から心を壊した主人公が、「遺品整理業」という職業に出会って成長する物語です。自分にとって大切なものとは何か、迷いながら生きる姿が自分に重なるし「つながることの大切さ」を再確認しました。

 異質な世界を楽しむとしたら『純平、考え直せ』(奥田英朗著、光文社・1470円)。下っ端ヤクザの純平が、対立組織の幹部の命を狙うことに。タイトルが気になって、本屋で即、買った一冊です。

おかだ・まさき  1989年、東京都生まれ。映画「悪人」「告白」など話題作に次々と出演。主演映画「アントキノイノチ」が11月19日公開。
『4TEEN』
著者:
石田衣良
出版社:
新潮文庫
価格:
¥500(税込)
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『池袋ウエストゲートパーク』
著者:
石田衣良
出版社:
文春文庫
価格:
¥610(税込)
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『アントキノイノチ』
著者:
さだまさし
出版社:
幻冬舎文庫
価格:
¥630(税込)
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『純平、考え直せ』
著者:
奥田英朗
出版社:
光文社
価格:
¥1,470(税込)
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